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紙加工製品の商品開発に欠かせない、デザインとブランディング

経営者が自ら取り組む商品開発とデザインへの取り組み

 印刷業を取り巻くビジネス環境では、デザインの重度が増している。販売促進ツールをはじめとするBtoBや生活者を豊かにするBtoCの商品開発を手掛ける印刷、紙加工業の事例も増えてきている。商品開発に欠かせないのが、アイデアとそれを形にするデザインだ。   

page2020セミナー「アイデアを形にする紙加工の製品開発」では、紙加工製品の商品開発に取り組む2社に実践でのプロセスとブランド展開について解説する。

 加藤製本株式会社では、ブランド「クルーシャル」を立ち上げている。クルーシャルは、文具、朱印帳などの紙加工商品を開発し、提供する会社だ。プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、CADエンジニア、一級技能士の資格を持つ社員によりものづくりに取り組む。社員がアイデアを出すこととデザイナーを採用や育成することに力を入れている。同時に、大手文具量販店や文具店、女子博、販促アイデアグランプリ展など業界の枠を超えた販路開拓にも力を入れている。マーケティングとアイデアとそれを形にするデザインの相乗効果で成果を上げている。紙加工技術、レーザーダイカットシステムを活かした微細な細工の朱印帳やマカロン(付箋)などは記事や話題として取り上げられことも多い。

 福永紙工株式会社では、この2020年1月29日までの期間で昨年11月にオープンした渋谷スクランブルスクエア10Fの東急ハンズが運営する「208HANDS」で販売会を実施している。ブランディングへの取り組みだ。クリエイターと共にこの12年間でつくりあげた紙製品の22日間限定販売会だ。同社は、印刷から加工までのパッケージの印刷加工会社として1963年に創設された。転機は、アパレル商社勤務経験とノウハウを持つ現在の山田社長を中心とした2006年の「かみの工作所」プロジェクトスタートだった。多くのクリエイターと恊働して工場の技術を活かしたオリジナル製品の企画、開発、製造、販売への挑戦をはじめたことだ。第一線のクリエイターとの人脈も広い。他にも1/100スケールの模型ブランド「テラダモケイ」の製造販売など、新たな紙の価値を模索する取り組みを様々な形で行っている。海外の美術館でも取り上げられるような「空気の器」「MABATAKI NOTE」などの製品は、ブランド価値をさらに高めている。

デザインがビジネスチャンスへ

 印刷会社がマーケティングや製品においてデザイン能力を重要視しているように顧客側の企業もデザインノウハウを重要視している。印刷業でもビジネスチャンスとして捉えるべきだ。また、消費者ニーズが複雑化し課題がわかりにくい市場においては、デザイン的な発想やデザイナーが重要になってきている。商品開発の決め手はアイデアだ。モノや情報が溢れた時代では、ユーザーの想定を超えた製品やサービスが必要なる。〝今までにない”紙製品を創り〟で販路開拓し、ブランディングを展開するポイントを紹介する。また、アイデアやデザイン的な発想は、簡単に出せるものではない。アイデアを生み出すために取り組むべきことは何か、そのためのポイントも解説する。

CS部 古谷芸文

関連情報 page2020セミナーhttps://page.jagat.or.jp/sessionList/seminar.html

【S9】アイデアを形にする紙加工の製品開発

 

page2020 出展社数・小間数が確定しました

page2020の出展社数・小間数は、166社573小間となりました。

展示ホール図は下記をご参照ください。また、各出展企業の出展情報はこちらをご参照ください。

【展示ホールB】
【展示ホールC】

【ホールD】

出展企業数166社は、過去最多の出展企業数だった前回page2019を上回った。出展企業166社それぞれの思いを展示ホール内で感じていただくとともに、自社のビジネスに役立てていただきたい。

page2020の会場でお待ちしております。

(日本印刷技術協会page事務局)

基礎となるセオリーを身に付けてデザインを自由自在

デザインには、確立されたセオリーがあり、それをしっかり理解しておけば、目的とする「情報を伝える」ためのさまざまなアイディアが創造でき、仕事の楽しさを実感できる。

 

〇たくさんあるグイラフィックデザイナーの仕事
グラフィックデザインは主に平面上に表示される画像や文字、色彩などを用いて情報を伝達する手段である。そして、印刷物の構図や色彩、画像・写真などの素材や文字の配置等を考え、情報を整理し、分かりやすく伝達できるようにするのがグラフィックデザイナーだ。
デジタル技術の進展とともにDTPが確立し、専用ソフトが手軽に使えるようになると、デザインを始めるための敷居も低くなった。ソフトに搭載された多くのツールを活用することにより、見栄えのよいデザイができるようになり、グラフィックデザインの仕事も進化してきた。
具体的にはポスター、チラシ、リーフレット、パンフレット、カタログ、ステッカー、新聞・雑誌広告のデザインやロゴマークなどさまざまだ。しかし、デザイン制作が便利になる一方で、どういうデザインが正解なのか拠り所がないと感じている人もいるかもしれない。

〇デザインを形に残そう
デザインはすべてルールで決まっているわけではなく、また、人のセンスだけでできるものでもない。デザインの目的である「しっかりと情報を伝える」ことを果たすために大切なのは、デザインを構成する各要素やさまざまな技法の基礎を身に付けることだ。基礎力があれば、時には基本軸を揺るがすようなこともできるようになり、顧客の要望や意図に柔軟に対応して的確に視覚化できる。そのときには、自分なりに仕上がりをイメージする、つまり「考える」という過程が楽しくもなる。そして、自分が取り組んだ案件が実際に世に出て形に残ると、デザイナーならではのやりがいを実感できる。

page2020では、こうしたデザインの基礎を学びたい人に最適なセミナー「デザイン設計の基本セオリー」を開催する。このセミナーでは説得力のあるデザインのために必要な基礎知識をわかりやすく整理して解説する。また、顧客の要望を制作部門に伝え、自らもプレゼンツールを作成する営業担当者にも必要な知識と言えお薦めである。            (CS部 伊藤禎昭)

 

【pageセミナー「企画デザイン・営業」】

【S1】“ウケる”は人に好かれる最強のビジネススキル~相手の心を一瞬でつかむコミュニケーション技法~
【S5】最強のプレゼン資料作成術~孫正義氏一発OK連発のワケ~
【S9】アイディアを形にする紙加工の製品開発
【S11】印刷会社だからこそできる“デジタル×紙”の提案~新たな売り上げを導くコミュニケーション戦術の一手~
【S12】デザイン設計の基本セオリー

印刷工場の生産性向上、改善活動における多能工化

長い労働時間は、日本の産業界の体質

生産性向上は、印刷産業界に限らず日本の産業界全体で解決すべき課題だ。日本の労働生産性が先進諸外国と比較して著しく低いことは、周知の通りだ。日本生産性本部がまとめた2017年における日本の労働生産性(時間あたり)は47.5ドルで、主要先進国では最下位だ。この数字は、1位の米国は72ドル、2位のドイツ69.8ドルに対して3分の2の生産性ということになる。生産性を決める要素は、付加価値、労働者数、労働時間の3つである。生産性は、「付加価値」を「労働者数」×「労働時間」で割ったものだ。つまり、先進国の中で、一番長く働いていても儲からない仕事の仕方をしていることになる。苦労しても報われない、貧乏暇なしの状態かもしれない。一方、印刷業での労働力不足、人材不足も深刻な課題だ。政府が掲げる働き方改革では、「長時間労働の是正」、「同一労働同一賃金」、「柔軟な働き方」があるが、印刷会社がこれらの課題に取り組むためには、企業の業績や環境が共に改善されなければ元も子もない。印刷会社が利益を生み出すことは、経営者に限らず社員全員で意識を高め取り組まなければならない。印刷会社は、効率よく利益を生み出すことが重要だ。ビジネスのしくみにより利益を生み出すことがマーケティングであるならば、印刷工場の利益の源泉は、生産効率である。これらの改題解決のひとつに多能工化がある。

多能工化への壁は、品質管理における作業の標準化と見える化

多能工とは、生産・施工の現場において、1人が一つの職務だけを受け持つ単能工に対し、1人で複数の異なる作業や工程を遂行する技能を身につけた作業者のことだ。多くの印刷工場の課題である多品種少量生産や品種・数量の変動に対して生産体制を柔軟に維持し、生産性の向上に効果的に取り組むことができる。一方、組織的に多能工化を進めるには、教育・訓練するしくみをつくる必要がある。多能工化へのボトルネックは、教育への手間暇と評価制度が上げられる。従来の勘や経験、徒弟制度的な教育では困難だ。標準化や見える化への取り組みは必須なのだ。

一概に印刷工場の多能化といっても、印刷会社の規模や事業領域によって、取り組み方も様々なようだ。page2020セミナー「印刷工場の生産性向上実践 ①~多能工化編~」では、二つの違った多能工化への取り組みを紹介し、生産性、働き改革の視点からも検証する。水上印刷株式会社の事例では、「きれいな工場でしか良い印刷物は作れない」をスローガンに最先端の設備と環境を備えた工場で「4S」「機械設備の保全」「品質」「多能化」のー連の活動の中、多能工化を位置づけしている。工場内の整理整頓はもとより、セキュリティや安全管理がゆきとどいた環境で社員の働きやすさにも繋がっている。「スピード」「フレキシビリティ」「クオリティ」の3つの要素を達成する道筋になっている。職場環境が人材育成と製品の品質にも結びついていることがポイントだ。

また、大東印刷工業株式会社の事例では、徹底した「見える化」への取り組みがポイントだ。同社では「印刷タクシーメーター」と呼ばれるその仕事の原価が、今どのくらいかかっているのかがリアルタイムに「見える」ことでコスト意識を高め、目標管理を行い、効率的に仕事を進めるしくみづくりに特徴がある。その業務管理システムの構築を通じ、生産性向上の中での複数の工程をカバーした多能工化について紹介する。

一概に多能工化といってもそれぞれのビズネス形態や規模によっても様々であることが分かる。重要なことは、単なる真似や知識だけでは、多能化や改善活動は上手くいかないことだ。如何に考え、葛藤し、モチベーションを高めたかを学ぶことが重要になる。

CS部 古谷芸文

関連情報 page2020セミナーhttps://page.jagat.or.jp/sessionList/seminar.html

【S2】印刷工場の生産性向上実践 ①~多能工化編~

【S4】印刷工場の生産性向上実践② ~品質管理と改善活動編~

【S7】トラブルを未然に防ぐ入稿データのチエックポイント~最新のAdobe CCにおける注意点~

【S9】アイデアを形にする紙加工の製品開発

【S14】印刷学会共催「色評価用LEDガイドライン」とカラマネ・照明の基本 ~LEDガイドラインセミナー~

最強のプレゼン資料作成術 ~孫正義氏一発OK連発のワケ~【page2020セミナー紹介】

印刷営業は企画提案力やビジネス構築力まで求められています。デジタルメディア、印刷加工技術、デザイン、マーケティングなど多岐にわたる知識を習得する必要があります。一方、顧客へ提案するためのベースとなるビジネススキルとして「プレゼンテーション」は改めて注目されています。

 

■受注を決める最後の一手がプレゼン
印刷会社も印刷物を営業で受注するスタイルだけではなく、ブランディング・プロモーション支援、動画、Web制作、AI等デジタルと紙の連携による提案、BPO、地域活性支援など、多岐にわたる企画と提案が求められます。それに伴い、競合は印刷業だけではなく、広告代理店、Web制作、デザイン会社など競争環境も厳しくなります。差別化要因として重要になるのが提案するサービス内容になるのはもちろんですが、それを顧客にわかりやすく伝えることができるかが営業の腕の見せ所です。そこで重要なスキルがプレゼンテーションとなります。

今回のpage2020では、プレゼンテーションの極意について学べるセミナーとして、【S5】最強のプレゼン資料作成術 ~孫正義氏一発OK連発のワケ~と題して、孫正義氏へのプレゼンで幾多の事業提案を承認され、孫氏のプレゼン資料づくりにも参画し、関連著書が累計26万部を誇る人気講師の前田鎌利氏にご登壇いただきます。前田氏は「プレゼンテーションクリエイター」と書家の2 つの顔があり、6~7 割が書家としての活動をしている、異色の経歴の持ち主です。

 

■登壇者■

前田 鎌利 氏
株式会社固 代表取締役
一般社団法人プレゼンテーション協会 代表理事

1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、17年にわたり移動体通信事業を中心にIT業界に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され初年度第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりも担当。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。著者のプレゼンテーション術を実施した部署で、決裁スピードが1.5~2倍になることが実証された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。

ソフトバンクはじめ200社を超える企業にて講演・研修を行うほか、
プレゼンテーション・スクールを展開している。著書はシリーズ累計26万部を超える。

 

セミナーでは、社内、社外向けの2つに構成を分け、企画構成、表現方法の勘所と、短時間でも効果的なプレゼン技術をご紹介します。受講者がノウハウの習得ができることを目的とするため、スライドの具体的なつくり方として、フォントの使い分け、キーメッセージの表現から配置方法、グラフの見せ方、効果的な色の使い方までエッセンスを紹介していくので、明日からでも活用できるノウハウをお持ち帰りいただきたいです。
また、JAGATが主催する夏フェスで前田氏が登壇した際、プレゼンに対する思いをお話しいただいたので紹介します。

 

■プレゼンは念い(おもい)を伝えるもの
プレゼンテーションとは、「何か事業提案をしたい」「この案件を通して、会社を通じてもっと世の中を良くしていきたい」というように念いを伝えるために使うものです。しかし、日常のプレゼンテーションではなかなか思うようには通らないかも知れませんが、相手の立場に立って伝え方を少し変えるだけで、成功率は高くなるのです。今回、紹介したのは一つのヒントでしかなく、伝え方は他にもたくさんあります。ですが、テクニックよりもそもそも何を伝えたいのかという中身がなければ結局は伝わりません。そのためにもしっかりと考えることがポイントです。そして、プレゼンテーションは待っていてもなかなかプレゼンをするチャンスは巡って来ません。積極的に取りに行くことが必要であると私は考えます。ぜひ、多くの方々がプレゼンでご自身の念いを実現させて、未来を勝ち取っていただけますと幸いです。

page2020セミナー【S5】最強のプレゼン資料作成術~孫正義氏一発OK連発のワケ~では、印刷業界に向けて、プレゼンテーションの重要性と具体的なノウハウについて、前田氏に自らご登壇をいただきます。なかなか無い貴重な機会なので、ぜひご参加いただけますと幸いです。

(JAGAT 塚本 直樹)

 

<page2020セミナー>

【S5】最強のプレゼン資料作成術~孫正義氏一発OK連発のワケ~
 日時:2020年2月6日(木)10:00~12:00