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出版にも広がるデジタル×紙の連携

出版の世界で、本作りの常識が変わろうとしている。

デジタルの世界でマーケティングを進め、紙の書籍の売上を伸ばす。そんな流れが大きな市場を形成している分野がある。

今回は小説投稿サイト大手の一つである「エブリスタ」を紹介し、出版業界の進化の方向性を探っていく。

Web小説がなぜ売れるのか

『恋空』などに代表されるケータイ小説のブームを覚えている方も多いのではないだろうか。2005年にWeb上で発表された小説が書籍化され200万部を超えるヒットとなった。こういった、ケータイ小説ブームは一時の流行で終わってしまったが、Web上で小説を発表し、書籍化に繋げる流れは現在も続いている。

今回紹介するエブリスタは2010年に始まった小説投稿サイトである。DeNAとNTTドコモとの共同出資によって生まれ、誰でも小説やコミックを投稿できる。「王様ゲーム」や「奴隷区」といった作品がベストセラーとなり、アニメ化や映画化なども行われている。

どちらも、小説版に関してはWeb上で無料閲覧することができる。だというのに、お金を出して書籍を買う人間がおり、次々とメディアミックス化されていったのだ。これは、一体どういうことだろうか?

ケータイ小説のブームの際には、コアなファンが自分の感動を形にする宝物として書籍を買い求めているのだろうと分析されていた。勿論、そういった需要があることも間違いないが、現在は無料のWeb小説で市場を調査し、そこで反応のあったものに予算を投下することでヒットに繋げているという考え方が主流になっている。

Web上で人気といっても、そこで読む人間はまだコアな層である。しかし、そういったコアな層の中で人気の出たものが書籍化され、書店に並べばそこで初めて目に触れる人間も出てくる。コア層の中で人気を勝ち得た作品は書店でも読者を掴みやすい。さらに言えば、編集者はその作品のどこに読者が付いているのか知っている。その反応に合わせて、パッケージングや宣伝戦略を考えることができる。言ってみれば、Web発の小説はある程度マーケティングが済んだ状態で書店に並んでくるのである。この差は大きい。

書籍の中で人気を得た作品はコミカライズされ、さらにはアニメ化、ドラマ化、映画化へと様々な展開へ繋がっていく。このWeb→書籍→コミカライズ→アニメ化、ドラマ化といった流れは、必要な予算や関わる人間が段階的に増えていっていることも重要である。半ば自動的に、人気の度合いに従って適切な予算投下が行われるようになっているのである。この仕組みは、個々の出版社やアニメ制作会社を超えたコンテンツ業界全体のビジネスモデルになりつつある。

無料のWebと有料の紙

コンテンツ業界では「0を1に、1を100に」という言葉がある。「0を1に」とは新作発掘のことであり、「1を100」にとはメディアミックスや宣伝、グッズ展開などで作品の利益を最大化する仕事のことである。これまで小説は初期投資の少なさから、コンテンツ業界では原作の提供側にいることが多かった。しかし、Web小説の登場で、より0に近い場所が生まれたのである。一方で、基本無料のWeb小説をマネタイズするために紙は有効という事実もある。これら市場の変化は印刷業界にいる人間も知っておきたい情報である。変化の傍には常にビジネスチャンスが眠っている。

では、その小説投稿サイトとはどのような場所なのだろうか? 小説投稿サイトに作品を掲載する作者の多くは、自分の作品を読んでくれる読者を求め、コミュニケーションを期待している。ポジティブな関係が築かれ、作品が生まれるコミュニティを如何に作り、運営していくのか。実際、そこではどのようなやり取りが行われているのか。

page2019のカンファレンスでは、エブリスタのエース級編集者である松田氏が登壇し、市場の変化や小説投稿サイトの実際の様子、未来像などを講演して頂く。他にも、今後の出版の行く末を占う新しい展開を議論するカンファレンスになっている。

(JAGAT 研究調査部 松永寛和)

■関連イベント

2月6日~8日に開催するイベント「page2019」では、2019年の印刷マーケティングを知るためのカンファレンスを開催します。同人誌、自費出版、デジタル印刷、地域活性などの情報をビジネスに活かしたい方はぜひご参加ください。

【PM3】WEB と地方で広がるデジタル出版の可能性~プラットフォーマーと同人誌新規参入会社の視点から~
出版市場が縮小する外側で、投稿小説サイトや同人誌即売会ではコンテンツが増え続けている。投稿小説サイトは既存の出版では埋もれていた作品をヒット作へと繋げ、文学フリマは百都市構想を掲げて地方での開催を模索する。デジタル印刷で小ロットのマネタイズを支援して新たな市場を創出できないか。プラットフォーマーと印刷会社、新興市場に精通するシンクタンクを交えて出版の新しい成長可能性を議論する。

【PM1】地域活性ビジネス①地域の課題解決による新たな価値の創り方
【PM2】地域活性ビジネス②産業観光による地場産業活性の可能性
【PM4】印刷ビジネスとメディアの展望2019

デザインのセオリーから発想のコツを掴む

アイデア、色彩、形、レイアウトは、まず、パターンから学ぶ

デザインは、グラフィック業界に留まらず、様々なビジネスや社会の中で重要度を増す。印刷業界でも生産技術がデジタル化やオートメーション化が進む中、印刷物におけるデザインはメディアとしての価値を左右する。デザイン能力が求められる時代だ。デザインは、発想力やセンスに寄るところが大きい。実は、センスを磨いたり発想することは、普段から訓練していないと難しい。「自由に発想して下さい!」という言葉ほど普段の経験がないと苦痛である。

デザインは、人の感性に訴える。人々の心をつかむにもパターンや法則がある。例えば、黄金比やアシンメトリー、シンメトリーは、人間の感性にとって最も安定し、美しいパターンとされている。

page2019セミナーでもデザインの基本セオリー(パターン)についての講座を企画する。デザインは、何もデザイナーだけものではない。印刷業界でも、営業のプレゼンをはじめ企画、制作、製造のどの分野でも必要な能力だ。そこには、パターンを掴むというコツがある。

デザイン設計の基本セオリーpart1とデザイン設計の基本セオリーpart2を開催する。
それぞれ、part1では、デザインの基本的な考え方、色で迷わない!共感を呼ぶ色彩表現のルール。part2では、型から学ぶ、レイアウトデザイン、分かりやすいデザイン表現を実現するためのポイントを解説する。
デザイナーに限らず、営業、企画、製造など幅広い層に向けて開催する。

【S7】デザイン設計の基本セオリー part1 デザインの基本、配色とビジュアル効果編

【S9】デザイン設計の基本セオリー part2 型から学ぶ、レイアウトデザイン編

(CS部 古谷芸文)

 

■page2019セミナー紹介ページ  →http://www.page.jagat.or.jp/cms/topics/seminar

pageセミナーは「今」抱えているさまざまな課題解決のヒントや、すぐに役立つスキルを身につけることが目的となる。page2019ではノウハウの取得とスキルアップを目指し、16本の多彩なテーマを取り上げる。

・基調講演https://page.jagat.or.jp/cms/topics/keynote

・カンファレンスhttps://page.jagat.or.jp/cms/topics/conference

まだ定まった答えのない未知の技術やビジネスの可能性をテーマに、第一線の識者たちが活発な議論を繰り広げる。特にpage2019では、これからの印刷経営を支える技術・サービスの重点キーワード、デジタル印刷、マーケティング、AI・RPAなど自動化、動画、収益改善、地域活性・地方創生をベースに12企画を用意した。

page2019:2月6日(水)、2月7日(木)、2月8日(金)

地域プロモーション動画とロングテール視聴

国としても大きく力を入れている地方創生。日本の各地域にある地域資源を国内外に広く訴求することで日本のブランド力を高めていく必要があり地域プロモーションは重要になる。

地方創生推進交付金として平成30年度は1,000億円、平成31年度はそれ以上の予算がつく可能性もある。そうした補助金も背中を押してか、近年自治体が地域プロモーションの一環としてPR動画やWebサイトSNS等に力を入れている。

動画に至ってはミニドラマやコミカル仕立ての等、クオリティーと話題性の高い動画も多い。別府市のシティープロモーション動画は「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」を展開し、500万を超える視聴回数やPR効果として広告費換算で推計約104億円とも言われている。

一方、補助金が後押しし、数百から一千万円の制作費をかけた映像品質の高い地域のPR動画は世の中に排出されている。しかし、その多くは視聴数や話題が得られず制作費に見合わない。その要因として大きく二つが考えられる。

1)動画を制作することが目的になる

2)1本の動画では多様化したニーズ(ターゲット)に対応できない

本来、動画を制作する目的は、「地域ブランディング」「観光PR」「移住促進」等、各地域が抱えている課題を解決することにある。しかし、他の自治体より「カッコ良い」「おもしろい」「映像表現が豊かな」動画を制作したい。とにかく視聴数を稼ぎたい。SNSでバズりたいなど、目的が動画を制作することに変わってしまい失敗するケースが多い。

次に、生活者のニーズが多様化していることで、1本の動画で地域全体の情報を発信しても視聴者の心には響かず効果が少ない。例えば、観光PRを目的とするならば、食だけでもスイーツ、お酒、魚、肉など様々であり、観光スポットも四季によってお勧めできる場所は違う、それらを求めているターゲットも違う。それを一本の地域プロモーション動画で効果を得ること自体無理があると言っても良い。

地域プロモーション動画の効果を高めるには、1テーマや1ユーザーごとに動画を制作することが解決の糸口になる。動画のテーマを細分化することで、見て欲しい人にじっくり見てもらえることができる。観光PRとして食をテーマにするのであれば、居酒屋特集、お勧めカフェめぐりなど、各々に興味がある人は動画をじっくり視聴するし、観光地へ訪れる可能性も高い。細分化することで1本1本の動画の視聴数(量)を得ることはできないが、見て欲しい人(質)に見てもらえる。また、テーマやターゲットに応じて動画を制作するため、それぞれの視聴数を足し合わせれば大きな視聴数を得ることもできる。最近はこうしたロングテール視聴を獲得する考え方も増えている。

一方、課題としてテーマに応じて動画を制作する上でのコストの問題がある。そこは地域としてのブランディングの考え方にもよるが、必ずしも何百万円もする映像品質の高い動画をつくる必要はない。むしろ、スマホ動画でも必要にして十分な映像品質があるため、自治体や地元の企業、市民の人々で等身大の動画を制作する方が、視聴者に伝わる場合も多い。また、最近地域の魅力として重視されているのが「人」である。特産物や観光スポットは勿論貴重な地域資源であるが、地元の人やその生活観、訪れたときのコミュニケーションを求められているケースも多い。その意味でも地元が一体となって、等身大の動画をつくることに意味がある。

印刷企業も長年地元と培ってきたネットワークや情報を保有している。そうした情報は地域プロモーションをする上で非常に重要であり、等身大の地元を訴求する担い手になれる。地元の印刷会社が中心となり地域プロモーションを支援していくことがより求められる。

CS部 塚本直樹

<page2019セッション>
【S3】2月6日(水)15:45~17:45
動画のクロスメディア活用による効果的な地域プロモーション

【S5】「SNS×地域プロモーション」 ~効率的な情報発信と効果的な集客手法
【PM1】地域活性ビジネス①地域の課題解決による新たな価値の創り方
【PM2】地域活性ビジネス②産業観光による地場産業活性の可能性

出版業界において新たに成長する分野【印刷マーケティングの進化の先】

近年出版市場の縮小が進んでいる。そんな中、既存市場には含まれない分野の出版活動がかつてなく盛んになっている。デジタル印刷技術で、こうした市場を活性化させることで出版界へのインパクトを与えられるのではないだろうか。

小説投稿サイトからベストセラーが生まれる時代

近年の書籍の市場において、おそらく最も大きな変化と言えるのが小説投稿サイトの成長である。小説投稿サイトでは、自分の書いた小説を誰でも自由に投稿することができ、投稿された小説を無料で読むこともできる。「小説家になろう」というサイトに投稿され、現在アニメ化されている『転生したらスライムだった件』という作品は、書籍化されて累計1000万部を突破した。この作品に限らず、小説投稿サイトからは数百万部というベストセラーが立て続けに生み出されている。

小説投稿サイトに注目するべき理由は、これが単発にヒット作という話題に留まらず、新人作家発掘の魅力的なルートであり、出版というシステムの構造自体を変化させつつあるからだ。これまで出版社では各社が新人賞を開催し、入賞者を作家としてデビューさせてきた。今後も新人賞がなくなる訳ではないが、現在、特にライトノベルなどの分野においては既存の新人賞に加え、各編集部の人間が投稿小説サイトの動向に目を向け、有望な人間には即座に声をかける態勢が整っている。

投稿者にとっては受賞を逃せば、ほとんど誰の目にも止まらず消えていく新人賞よりも、多くの読者の目にとまる可能性のある小説投稿サイトの方が魅力的に映るだろう。一方出版社にとっても、既に読者に受け入れられることが分かっている作品を拾って出版した方が効率的である。事実、小説投稿サイト発の作品はヒット率が高く、市場において存在感を強めている。

現状では、特に現状の小説投稿サイトと相性の良い分野に偏っているが、これがより広い分野に派生していくのかどうか、ヒット作をどこまで継続的に生み出せるかなどが注目される。

同人誌市場の一般化

もう一つ注目は同人誌市場である。毎年夏と冬に行われ、毎回約60万人を動員するコミックマーケットはニュースなどでご存知の方も多いだろう。しかし、同人誌即売会はコミックマーケットだけではない。同人誌のイベント情報などで検索すれば、毎週日本中で数十のイベントが開催されるまでの市場が形成されていることが分かる。こういった同人誌即売会でやり取りされる書籍はISBNコードなどは基本的に付されず、出版統計などには反映されない。しかし、そういった統計外の部分で無数の書籍、印刷物が生まれているのである。同人誌は少部数のものが大半であり、ノウハウや工夫が必要な部分もあるが、比較的の新規参入がしやすいという面も、地域に根ざした中小の印刷会社にとっては見逃せない市場である。

出展者の大半は数十部~数百部の小ロットの本を自腹で作り、同人誌即売会に参加する。作者と読者の直接的な交流が大きな魅力であり、創作者が直接印刷会社とやり取りするため、印刷会社が感謝を伝えられることも多く、やりがいも大きいという。

同人誌即売会では、アニメやゲームの人気コンテンツのキャラクターを使用した二次創作が目立つが、オリジナル作品で出展する人間も多く、ここでも各社の編集者が新人の作家を探している。読者との交流がモチベーションを生み、そこで成長した書き手がヒット作を生み出していく構図も生まれている。

求められる出版活動多様化への対応

かつての出版業界では、編集者や大作家など、所謂目利き的な人間が才能ある若手を見出し、世の中に発信していくという構図になっていた。これは偏に、不特定多数の読者に作品を届ける出版という行為が限られた人間にしか不可能だったからである。しかし、現在では作品を不特定多数に向けて発信することは個人でも可能なほど簡単になっている。その結果、編集者や作家といった目利きよりも読者が直接才能を見出すということが多くなっている。

現状ではこのような変化に対し、明らかに目立っている作品を既存の出版のルートに乗せ直し、ヒット作にしていくという形になっているが、デジタル印刷による小部数の印刷が一般化すればより大きな構造の変化が生まれる可能性がある。構造の変化はビジネスチャンスに繋がる。作品が生み出される源流を誰が押さえるのか、2月8日の下記セッションでは関係プレイヤーが一堂に会して議論する。

(JAGAT 研究調査部 松永寛和)

■関連イベント

2月6日~8日に開催するイベント「page2019」では、2019年の印刷マーケティングを知るためのカンファレンスを開催します。同人誌、自費出版、デジタル印刷、地域活性などの情報をビジネスに活かしたい方はぜひご参加ください。

【PM3】WEB と地方で広がるデジタル出版の可能性~プラットフォーマーと同人誌新規参入会社の視点から~
出版市場が縮小する外側で、投稿小説サイトや同人誌即売会ではコンテンツが増え続けている。投稿小説サイトは既存の出版では埋もれていた作品をヒット作へと繋げ、文学フリマは百都市構想を掲げて地方での開催を模索する。デジタル印刷で小ロットのマネタイズを支援して新たな市場を創出できないか。プラットフォーマーと印刷会社、新興市場に精通するシンクタンクを交えて出版の新しい成長可能性を議論する。

【PM1】地域活性ビジネス①地域の課題解決による新たな価値の創り方
【PM2】地域活性ビジネス②産業観光による地場産業活性の可能性
【PM4】印刷ビジネスとメディアの展望2019

page2019 展示会場の見どころ

page2019は「デジタル×紙×マーケティング」をテーマに、2月6日(水)、7日(木)、8日(金)と東京・池袋のサンシャインシティで開催する。展示会場の見どころを紹介する。

出展規模は6年連続で拡大

page2019の出展企業数・小間数は162社562小間となった。出展社数は過去最多、小間数は前回よりも増加しており、展示規模は6年連続の拡大となる。展示ホールにはびっしりと出展企業の小間が並んでいるのを感じていただけるはずだ。出展企業が増加すると、それに比例して来場者数も増加する傾向にあるので、例年並みの盛り上がりにご期待いただきたい。

page2019のテーマ「デジタル×紙×マーケティング」を冠した新企画ゾーン

pageイベントでは、これまでも出展者と来場者とのパートナーシップやコラボレーションを促すゾーンを設置してきた。自社で何もかも対応しようとするのではなく、既にその分野のノウハウをもっている所とタイアップして、リスク分散を促すことを強調し、そのための場を提供してきたことは、pageイベントが果たしてきた重要な役割と言える。こうした思いは、page2017から設置している「印刷パートナーゾーン」や、page2018のテーマ「アライアンスNEXT」に受け継がれている。そして今回新たな特別ゾーンとして「デジタル×紙×マーケティングゾーン」を文化会館4階 展示ホールBに設置する。

デジタル×紙×マーケティングゾーン セミナーコンテンツ一覧

86万人の自宅に届く「命を救うダイレクトメール」の秘密とは?

「デジタル×紙×マーケティングゾーン」(文化会館4階 展示ホールBに設置)は、デジタル、紙、マーケティングを掛け合わせて印刷の可能性を拡げていこうというJAGATの提案を広く紹介するべく、実践している企業によるセミナーと、テーブル展示コーナーで構成する。セミナーでは、 「86万人の自宅に届く!乳がんで死なないための切り札をあなたへ」という前代未聞のハガキプロジェクトの企画立案者である国立がん研究センターの溝田友里氏にご講演をいただく。その他には、MAと組み合わせたダイレクトメールの活用法、印刷会社による自社開発商品のヨーロッパでの展開、大手アパレルブランドとのコラボレーション、大判プリントのアメリカでの活用事例など多岐に渡る。印刷関連企業にとっては、自社ビジネスのヒントに繋がり、印刷以外のメーカー、ベンダー、広告代理店などにとっては、印刷会社でできることの幅広さを知るきっかけになるはずだ。「デジタル×紙×マーケティング」によって広がる印刷ビジネスの可能性を感じ取っていただきたい。(セミナーは詳細はこちらから。すべて参加無料、事前登録制だが当日参加も可)

各種ゾーン・コーナーも充実

◆[ クリエイティブゾーン ]
文化会館2F 展示ホールD
page2004において、アドビシステムズがサポートした「新世代DTPソリューションZONE」は現在、「クリエイティブゾーン」となっている。page創生期の息吹が感じられるゾーンであり、印刷業に深くかかわってきたAdobeが印刷関連展示会に唯一残っているコーナーでもある。
ここではDTPに関するソフト・ソリューション、クリエイティブプロフェッショナルのための製品展示や具体的な事例等を紹介している。また同時開催される「クリエイティブゾーンセミナー」は、連日立ち見が出るほどの盛況で、page会場の名物ともいえる。見て・聞いて・感じることによって、具体的なメリットを体感いただきたい。(クリエイティブゾーンセミナーの詳細はこちらから)

◆[JAGATコーナー]文化会館4F 展示ホールB
・エキスパート資格試験コーナー
「印刷メディアの強みを活かしてあらたな価値を生み出す」をメインテーマに、JAGAT のエキスパート資格に関する展示や資料配布、最新刊を中心とした書籍販売を行う。JAGATが認証するクロスメディアエキスパートは企画提案力などを身につけた価値を生み出すビジネスを創る人材を目指し、DTPエキスパートはその価値を実際にかたちにするための印刷工程全般にわたる知識などを備えた人材を目指すものである。JAGATコーナーでは、両資格に関する展示とともに、このたび改訂して最新13版となった『DTPエキスパートカリキュラム』、その他資料を配布する。新規・更新受験を目指す方だけでなく、メディア制作に関わるすべての方々に手に取っていただきたい。

・書籍販売 
待望の新刊!デジタル時代に相応しい印刷の入門書『みんなの印刷入門』さらに、DTPエキスパートカリキュラムの改訂に対応した改訂版『DTP 受験サポートガイド』をpage2019で発表、販売を開始する。

◆[ フリーペーパー展示 ] 文化会館2F 展示ホールD
印刷業界内外に、印刷会社の取り組みと可能性、地域社会における印刷会社の役割について、読者や地域の人たちにフリーペーパー展示を通じて訴求するコーナー。フリーペーパーは、地域における印刷会社の活動、その機能を理解してもらうのに適しており、page2019での展示をとおして、全国の印刷会社がそれぞれの地域においてどのような役割を果たしているか、そして印刷メディアにはどのような良さと可能性があるか、地域色豊かな各地のフリーペーパーを見ながら再考する機会を提供する。

(JAGAT page事務局)

Web制作案件できちんと利益を上げるために必要な正しい見積と契約書の作成

印刷で培った強みを活かし、Webを受注する。そしてきちんと利益を上げていくためには印刷営業とはちがった勘所を押さえる必要がある。

Web制作ビジネスには多くの印刷会社が取り組んでいるが、決してハードルは低くはなく、必ずしも成功したり期待通りには利益が上がっていない現実も見受けられる。 特に、現場の営業がWeb制作受注営業のノウハウをつかめないままに苦労している状況では、印刷の付帯サービス(おまけ)として格安で受注してしまう可能性もあるであろう。 さらに、正しい見積と契約書の重要性をきちんと理解していないと、利益を確保できないだけでなく大きなリスクを背負ってしまうこともある。

JAGATのセミナー講師や、印刷会社におけるWebビジネスを支援するコンサルティングを手掛けるとともに、Webをはじめとする全方位のクリエイティブで企業をサポートするブライ・プロジェクトの代表を務める布施貴規氏は、印刷会社がWeb事業に取り組みにあたって、以下のようなアドバイスをしてくれた。

「Webの世界は確かに難しく、多くの知識や技術が必要となる。しかし営業として成果を上げるためには、まず勘所をしっかりと押さえておけばよりスピーディーにWebを受注していくことができる」

「テクニカルな知識を学んでからでは、変遷のスピードも印刷に比べて早く機会を損失する。ただし詳細な知識は実務の中で身につけて行けばよいが、基本のアウトラインを知らないと顧客の信用を失い、トラブルの種になる」

「社内外に一気通貫で問題なくWebを制作・運用できる体制を確保する。制作体制とリスクマネジメントがWebセールスの要」

「見積もりを正しく読めるとともに利益を獲得できる見積もりを書けるようにする。Webに関しては営業独断で要件を変え、コストはそのままということは絶対にしない。どんなに顧客の要望でも見積元と相談の上、決定する」

「顧客の方が立場が強く、見積書や契約書に明記がない限り、有責とされる。もしくは泣き寝入りするケースが多いのであらゆる可能性を抽出し、責任の所在、請負範囲を明確にすることが重要」 など・・・。

そこで、上記のアドバイスに対し具体的な知識や手法を得るために、今回のpage2019セミナーでは布施講師に登壇いただき、営業が最低限知っておかなければならない「Webの基本知識」「案件を遂行する制作体制の組み方」および「リスクを事前に回避する見積書と契約書の重要性」について学び、Web事業の成功を目指すための講座を企画した。 まずはWebの要所を押さえる学び方を知り、Web案件をスマートに遂行するチームのあり方を考察し、Web案件に潜むリスクを知り、その回避術を学ぶ。

【S14】ここを押さえておけば大丈夫!Web受注の勘所 ~利益を上げる正しい見積と契約書の作成~:2月8日(金)13:00~15:00

(CS部 橋本 和弥)

 

■page2019セミナー紹介ページ  →http://www.page.jagat.or.jp/cms/topics/seminar

pageセミナーは「今」抱えているさまざまな課題解決のヒントや、すぐに役立つスキルを身につけることが目的となる。page2019ではノウハウの取得とスキルアップを目指し、16本の多彩なテーマを取り上げる。

・基調講演https://page.jagat.or.jp/cms/topics/keynote

・カンファレンスhttps://page.jagat.or.jp/cms/topics/conference

まだ定まった答えのない未知の技術やビジネスの可能性をテーマに、第一線の識者たちが活発な議論を繰り広げる。特にpage2019では、これからの印刷経営を支える技術・サービスの重点キーワード、デジタル印刷、マーケティング、AI・RPAなど自動化、動画、収益改善、地域活性・地方創生をベースに12企画を用意した。

page2019:2月6日(水)、2月7日(木)、2月8日(金)