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商品と消費者をつなぐパッケージの役割

page2021カンファレンスセミナー「商品価値を高めるパッケージとデザイン」では、クライアントの商品価値を高めるためのパッケージの役割をテーマに、実際にブランディングを構築した中小企業の事例を併せて紹介する。


「売れる仕組みづくりがポイント」

モノが溢れている時代、どうすれば消費者の方に商品を手にとってもらえるか。クライアントが苦労を重ねて開発した商品を包むパッケージとして「いいデザインをするには」ブランディングを構築することが重要である。ブランディングは、顧客の信頼を得られるように消費者やステークホルダーの共感や支持を獲得する一連の活動のことだ。印刷会社の仕事は単にパッケージをつくるだけでなく、クアリアント企業のブランド戦略の構築から、商品企画、販売支援など提案していくことが大切だ。

たとえば、クライアントの「〇〇のこだわり」を商品価値として一般消費者に伝わるにはどうしたらいいか。ここでは、クライアントが商品に込めた想いやこだわりなどの情報を聞き出し、クライアントの商品が売れ続ける仕組みをいかに構築するかがポイントになる。

通常、商品を包むパッケージ制作にはそれなりの費用が必要だが、費用を低廉に抑えてブランディングを構築した江戸川区にある(有)笠原製菓の「センベイブラザース」が注目を集めている。

「ブランドづくりには“こだわり”が大事」

「せんべいを、おいしく、かっこよく」をスローガンに東京都江戸川区の笠原製菓は、倒産の危機を打破しようと従来の「見せ方」「売り方」を変えて製造販売を開始した。そこで、はじめに社長が手がけたのは会社のロゴからだった。初代の祖父が作った稲穂のマークを敬意を込めて継承し、そこに「SENBEI BROTHERS」を入れて先代と今を結びつけてた。パッケージは、「機能性」と「小ロットでできること」ことを重視し、コストをできるだけかけなかった。しかし、「カッコいいと思えるお煎餅を作りたい!」という“こだわり”だけはもって制作した。パッケージの制作にあたって既成品の袋に社内でスタンプを手で押すことにより工賃を節約した。見当が多少ズレルこともあるが、それが味になるという前向きな姿勢で取組んだ。

一方、工場長が焼く煎餅は今では30種類にもおよんでいる。自社で研究開発・製造を手掛ける真摯な商品づくりの姿勢、長年積み重ねた経験に基づいた品質が「笠原製菓のこだわり」を表現できており消費者から大きな支持をえている。ブランドは、大きな企業だけのものではなく、企業規模に関わらず競合他社と差異化し独自の価値を持つものだ。笠原製菓はブランディング構築に成功した中小企業といえよう。

このセミナーでは、泰清紙器製作所の大木啓稔氏、そしてマーケティング視点からバリューマシーンインターナショナルの河島弘司氏を迎え、ブランディング視点から企業の強みをどう捉えるか、また企業の再生と持続可能性をどう考えていったらいいかについて議論していく。                      (CS部 伊藤禎昭)

■page2021オンライン展示会 https://page.jagat.or.jp/

■page2021オンラインカンファレンス https://page.jagat.or.jp/sessionList/onlineConference

■商品価値を高めるパッケージとデザイン~笠原製菓の再生過程を事例に~ https://page.jagat.or.jp/onlineseminar/onlineConference0212

オンライン展示会とコミュニケーション課題

緊急事態宣言の再発令で展示会等のリアルイベントの中止が余儀なくされる。会社や自宅に居ながら、安心、安全かつ効率的にビジネスコミュニケーションが図れるオンライン展示会に注目が集まる。


需要が高まるオンライン展示会

展示会は、新たな販路の開拓や既存顧客との関係性を再強化する場として重宝されてきた。顧客(来場者)は、今欲しい情報や新たな取引先の選定において、サービス提供企業が一堂に会した展示会の場があれば、情報収集の効率化も図れる。企業と顧客の縁を紡ぐうえで、大きな役割を果たしている。 しかし、2021年1月7日の緊急事態宣言の再発令により、展示会等のリアルイベントの中止が相次ぎビジネスコミュニケーションの機会が失われつつある。そこで注目されているのが「オンライン展示会」である。 オンライン展示会とは、企業が製品・サービスの展示、デモ動画やセミナーをオンラインで行うものだ。コロナ禍において感染リスクがなく、安心、安全の展示会のあり方として、2020年から需要が増えている。世界的展示会に目を向けても、家電見本市の「CES2021」、国際印刷機材展「drupa2021」、国内の展示会においても「エコプロ2020」「CEATEC 2020」等、展示会の場をオンラインに移している。

誰でも気軽に効率的に参加できる

それではオンラインとリアル展示会の違いは何か今一度、整理をしていく。 オンライン展示会の最大の特長は、誰でも気軽に参加できることができることだ。具体的には、時間と場所を選ばずにいつでも参加できる。リアル展示会の多くは主要都市で開催されるため遠方の方は参加が難しい。また、仕事のコアタイム(10:00~18:00)と開催時間が重なるため、時間が合わずに参加できない方も多かった。それに比べて、オンライン展は、パソコンとネット環境さえあれば、地方の方や日中に外出ができない方でも参加できる。 また、展示会場内では物理的移動を伴わないので、オンライン上で検索して効率的に情報収集をすることができる。目的の製品・サービスや出展者が決まっている方であれば、すぐに欲しい情報へアクセスできるし、時間が無い方でも一旦退場してまた再入場を繰り返すこともできるので隙間時間を利用して参加できる。誰でも気軽に効率的に参加できるのは大きな特長である。

解消されつつあるコミュニケーションの壁

一方、わからないことや質問を出展者にその場で気軽に聞いたり、紹介された製品・サービスを目で見て触って感じ取るのはリアル展示会ならではの良さである。池袋で開催しているpage展でも、来場者は実機が稼働しているのを見たり、刷り出しの印刷物を手に取り比べてみたり、その場で出展者に質問をしたりとコミュニケーションが活発である。 オンライン展がそこまでの域に達するのはまだ難しいが、コロナ禍においてデジタルコミュニケーションツールが一般化し、オンライン展においても双方向のコミュニケーションはできつつある。最近は、チャット、アンケート、名刺交換機能が搭載されている。出展者にその場で質問して回答を得たい場合はチャットを使用したり、より詳しい情報や資料が欲しい場合は、アンケートに答えたり、オンライン上の名刺交換を行うことでできる。ZoomやGoogleMeet等、オンラインミーティングツールを活用すれば、出展者とフェイストゥフェイスのコミュニケーションも図れる。オンラインによるコミュニケーションの課題はまだまだあるが出展者と来場者のその距離は徐々に改善しつつある。 緊急事態宣言が発令されている今、この自粛期間にオンライン展示会やイベントに参加し最新の情報に触れながら、with/afterコロナを見据えたビジネス展開について考える時間にしていければと思う。

JAGATも新型コロナウイルス感染の抑制に協力する形で「page2021リアル展示会(2/3~5)」を中止とし、「page2021オンライン展示会(2/8~28)」への移行を決定しました。出展社のプレゼン他、多くのセミナーも用意しておりますので、ぜひこの機会にご参加ください。

CS部 塚本 直樹

【関連情報】 page2021オンライン展示会【~2月8日(月)開幕~】 ⇒来場登録(無料)はこちらから 

with/afterコロナの新常識について語り対策を考える ~page2021 オンラインオープニングセッション~


2月8日(月)から開幕するpage2021 オンラインカンファレンス・オープニングセッションでは、本間充氏に登壇いただき、新型コロナウイルスによって変化した世の中の新常識について問いかけ、with/afterコロナ時代の印刷物の役割、印刷ビジネスはどうあるべきかについて突き詰める。

JAGATは、2018年より印刷業界の未来を切り拓くキーワードとして“デジタル×紙×マーケティング”を掲げ、page、JAGAT大会、JUMP(JAGAT地域大会)、研究会、セミナーなどあらゆる機会を通じて議論、考察、啓蒙を行ってきた。
この間、マーケティングサイエンスラボの本間充氏には、デジタルマーケッターの立場から印刷ビジネスに関し、講演、アドバイス、提言など様々な協力を得てきたが、『印刷白書2020』においても、コロナ禍とどう向き合うかについてのディスカッションへの参加とともに、新たな時代に印刷会社創生のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みについて寄稿いただいた。

 

白書のディスカッションにおいて、本間氏はまず価値観の変化と多様性について言及する。最初の緊急事態宣言解除後に訪れたレストランではメニューとペンを渡され、オーダーをメニューに記入して店員に渡すシステムになっていた。これまで豪華なメニューで客の目を引き、長く使うといった価値観とは対極にあり、メニューの目的が再定義されている。
またマスク不足が問題となったが、今まで値段か品質かといったファクターのみで片付けていたマーケティング的価値観が、「高くても品質重視」「原産国はどこか(国産にこだわる)」「何枚入りの箱(大量重視)なのか」など多様化している、と指摘する。
全国一律で扱うといったマーケティングは成立しなくなり、印刷業界においては「印刷とは?自体を問い直す」必要がある。価値観が多様化した中で、顧客をもう一度よく観察し、印刷を使った最適なコミュニケーションを考えなければならない。ということだ。

 

また、新しい時代の強靭化された印刷会社を創生するためのDX の取り組み方についての考察では、まずビジネスにおけるDXの定義を「デジタル技術を駆使して、ビジネスをより良く変革すること」とし、その最初のステップは「デジタル化」である。印刷は、印刷機、印刷プロセスなどはデジタル化が進んだが、印刷事業のデジタル化に課題が山積みであると指摘する。具体的には印刷営業活動のデジタル化などは、人がやるべき仕事とコンピューターにやらせる仕事との仕分けから始めなくてはならない。デジタルの力でビジネスの拡張の機会が増えるのは確かだが、デジタル化で失われてはならないものがあり、DXの設計には「会社の出自」との持続性、そして「会社の強み」のさらなる強化が必須条件だとしている。

 

本間氏には、2月8日のpage2021オンラインのカンファレンス・オープニングセッション「コロナで変化した世の中の新常識について語り、対策を考える」に登壇いただく。
本間氏は、もともと花王においてばりばりのデジタルマーケッターであったが、アナログメディアである印刷物について「データに紐付いてデジタル印刷機から出力される印刷物はすでにデジタルメディア」であり、そもそも「生活者はデジタルかアナログかなど区別していない」。そして問題は「デジタルマーケッターはまだまだ今のデジタル印刷で出来ることを知らず、また印刷業界もそれを彼らに訴求できていない」といった持論をお持ちであり、変化した世の中に対応して、印刷物や印刷ビジネスがどうなっていくのか、またどうあるべきかについて必ず興味深い話が聞けるものと期待している。

(JAGAT CS部 橋本和弥)

【関連情報】
page2021オンライン(2/8~2/28) 
 →入場登録(無料)はこちら 

【C1】オープニングセッション(2月8日(月) 14:00~15:30) 
コロナで変化した世の中の 新常識について語り、対策を考える」 

page月間でともに考える「コロナで変わる印刷の未来をどう創るか」

今なお止むことのない新型コロナウイルス感染拡大は、あらゆる業種をクライアントに持ち、人々の暮らしと密接に関る印刷業界にも様々な変化をもたらした。


企業活動が制限される中、各地の印刷会社が日々それぞれの場所でコロナ禍に立ち向かうべく、自社の事業を守り、継続してゆくための様々な取り組みを続けている。今回のpage2021では、全国の印刷会社の取り組みを支えるべく、業界の最新情報に触れる展示会や印刷業界の今後を展望するセミナー・カンファレンスを用意した。

これらのイベントはすべてオンライン化され、職場や自宅など全国どこからでも視聴できる。2/8~28まで3週間にわたるpage月間を、各社がともに印刷業界の未来を考える機会として共有し、節目となる2021年をどう乗り越えるべきか、新たな方向性を探るステップとして役立てていただきたい。

基調講演と9つのセッションからなるカンファレンスは、with/afterコロナで変わる印刷の役割や価値観にフォーカスした内容が揃った。各界からゲストを招きテーマにそって議論を重ねるとともに、実際に取り組んできた印刷会社の実践事例を紹介する。

各セッションはテーマごとに大きく3つのカテゴリーに分かれている。

1.コロナで変わる印刷ビジネスの近未来予測 ⇒基調講演C1C9

2.新規ビジネスを切り開く技術情報やマーケティング手法 ⇒C2C3C5、C8

3.環境変化への適応に役立つ課題解決手法と実践事例 ⇒C4C6C7

各カテゴリーからピックアップしてご紹介する。

■コロナで変わる印刷ビジネスの近未来予測

【C1】オープニングセッション「コロナで変化した世の中の新常識について語り、対策を考える」

 本間充 (マーケティングサイエンスラボ)/郡司秀明 (JAGAT)

新型コロナが印刷物の役割を大きく変えつつある今、世の中の変化に鋭い視点を持つ本間氏を招き、これからの印刷ビジネスがどうあるべきかを突き詰める。

【C9】クロージングセッション

コロナ後の印刷業界を占い「未来をどのようにリセットするか?」考える

花井秀勝 (フュージョン)/郡司秀明 (JAGAT)

花井氏が長年培ってきたってきたマーケティング手法を軸に、コロナ後の印刷ビジネスの様々な課題について徹底的に議論し、印刷業の未来を予測する。

■新規ビジネスを切り開く技術情報やマーケティング手法 

【C5】Webと地域活性化で顧客を創る~実践!インバウンドマーケティング~

斉藤正美 (富沢印刷)/河野竜太 (真生印刷)/藤井建人 (JAGAT)

従来の営業活動が制限される中、Webや地域活性化などのチャネルを活用して認知度を高めるインバウンドマーケティングに、コロナ前から地道に取り組み、コロナ禍でも受注を増やす2社の実践事例から考える。

【C8】デジタル時代のローカルマーケティング~withコロナ時代のクロスメディア~

正木伸繁 (ライドオンエクスプレス)/島袋孝一 (ヤプリ)/藤井建人 (JAGAT)

コロナ禍によって人々が地域社会で過ごす時間が長くなり、ローカルマーケティングの在り方に注目が集まっている。効率的にターゲットにリーチするには、どのようにデジタルと紙を組合せるのか。印刷にも精通する2人の知見を通して議論する。

 ■環境変化への適応に役立つ課題解決手法と実践事例

【C6】営業と生産の溝をどう埋める?~ものづくりコミュニケーションの改善手法を探る~内田拓 (スコラ・コンサルト)/丸山博司 (東洋美術印刷)/有馬靖了 (文伸)

営業・製造・コンサルタントと立場の異なる3人が、これまでの問題や改善に向けたトライ&エラーを事例に議論する。コロナ禍以降に新たな課題として浮上した、オンライン時代の部門間コミュニケーションのあり方もテーマにする。

 【C7】デジタル印刷で切り開く新規ビジネス

堀江賢司 (OpenFactory)/鍛治川和広 (共進ペイパー&パッケージ)/花房賢 (JAGAT)

デジタル印刷の成功に欠かせない大事なポイントは、各工程がスムーズに「つながる」ことである。さまざまな受注窓口との連携、自動化された工場間の連携を行なうことで柔軟にビジネスのスケールUPが可能となる。実践事例を伺う。

<JAGAT 管理部 原淳子>

ニューノーマルで働き方も展示会も変わる

コロナ禍で働き方やライフスタイルが大きく変わる中で、page展もリアルからオンラインへの移行が決まった。

2度目の緊急事態宣言で、政府はテレワークの導入によって出勤する人を7割減らすように呼びかけている。ニュース番組では繁華街の人出に大きな変化がないことを伝えているが、朝の通勤電車の混雑はコロナ前には戻ってはいない。首都圏において、テレワークや時差出勤が定着していることは確かだろう。


また、国・関係自治体からの要請によって、1月20日から1都3県(埼玉・千葉・神奈川)の各鉄道で、終電時刻の繰り上げが実施されている。これとは別にJR東日本では3月のダイヤ改正で、首都圏の終電の繰り上げを決めていて、「保守作業時間を拡大し、作業従事者の働き方改革推進や鉄道設備の設置・保守のスピードアップによるサービス向上を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としたお客さまの行動様式の変化に対応」するとしている。

働き方改革やデジタルトランスフォーメーションが、予期せぬコロナ禍によって促進したかたちだが、ライフスタイルの変化はコロナ以前から始まっていた。
都市における人の移動に着目した「パーソントリップ調査」は10年に1回実施されているが、東京都の第6回調査(2018年9~11月実施)では、総移動回数が1968年の調査開始以来、初めて減少した。特に前回調査の2008年より大きく減少している。


仕事の仕方が大きく変わっていることは調査結果から明らかで、印刷業界においてもこの間にデータのやり取りや校正がオンラインに移行した。買い物もオンラインが普及し、その流れが第6回調査に反映されている。ニューノーマルという言葉が一般的になる前の調査だが、オンラインについてはさらに加速されたかたちで残っていくだろう。

JAGATが毎年2月に開催しているpage展は、今年はオンラインとリアルのハイブリッド型を予定していたが、緊急事態宣言を受けて、リアルからオンラインに全面的に切り替えることになった。 展示会は例年多くの人でごった返していたが、今年はソーシャルディスタンスを確保しての「広々page」を企図していたが、コロナウイルスの勢いには勝てなかった。 page展のオンライン開催は初めてのことだが、ニューノーマルにふさわしい展示会のかたちを作っていきたいと考えているので、ぜひご参加いただきたい。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

オンラインの特徴を活かしたイベント対応と映像表現

page2021のカンファレンス・セミナーは全てオンライン開催となる。その対応とオンラインならではの映像表現について。

地域産業のオンラインイベント化

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。リアルで開催されていたイベントのオンライン化へ対応も注目されている。コロナ禍で打撃を受けた「めがねのまち鯖江」の眼鏡産業を元気づけようと、福井県鯖江市では、眼鏡のオンライン合同展示会が、1月14日に鯖江商工会議所で開かれた。朝日新聞デジタル1月19日号によれば、メーカー側がビデオ通話を活用し、小売店や客に商品をアピールするもで、商工議所とソフトウェア会社が共同開発した、顔認証で職人の情報を届けるスマホアプリの実証実験も行われた。軒並みリアルでの展示会が中止になる中、「オンラインで産地と客を直接つなぎ、鯖江産眼鏡を手にとってもらおう」と、メーカーや商工議所などがオンライン展示会を企画ものだ。眼鏡関連メーカーの職人が、東京の小売店とビデオ通話をつなぎ、めがねのかけ具合や見た目などをコミュニケーションするものだ。映像での対応に客の多くは驚きながらも、職人との会話を楽しんでいる様子だったという。普段では対話できない職人と消費者、ユーザーとの対面をオンラインで実現し、新しい機会、価値をつくったことになる。

映像を意識する。ビデオカメラをキャプチャーデバイスでPCにつなぐ。

イベントのオンライン化は、リアル対オンラインという選択することが重要ではなく、それぞれの特性を把握して、状況に合わせて上手く活用していくことが重要だ。新しいコミュニケーション手段を手に入れたと考える方が良い。何を使うではなく、何をどんな風に伝えたいかがポイントとなる。コミュニケーション手法としての映像と音による特性を生かすことだ。オンライン会議では、しばしばPCの内臓カメラで無防備な映像が流される場面がある。映っている本人が思っている以上に受けて側に強い印象を与えることがある。注意すべきところだ。映像と音をしっかり配信することを心掛けたい。

映像配信は、専門業者に丸投げをすればコストもかさみ、小回りも効かないことがある。外注でも構わないが、担当者や発注者は映像コンテンツについて理解を深めるが肝心だ。理解を深める中で、自分できる多くのことに気づくこともできる。例えば、オンライン会議においては、ノートPCに内蔵されているWebカメラをムービー用ビデオカメラに変えるだけでも大きく品質が向上する。画質やアングルが変わることで印象も変わる。ビデオカメラの映像をPCに取り込むには、キャプチャーデバイスが必要になるが、最近では比較的安価で手に入り簡単に取り付けることができる。もはや、業務用レベルでのスキルではなくコンシューマーが気軽に対応できる事柄だ。

※キャプチャーデバイスとは、カメラからの映像をパソコンに取り込むために利用するハードウェア。 最近はカメラとキャプチャーデバイスをHDMIケーブルで接続するタイプが多く、HDMIキャプチャーデバイスと呼ばれることもある。

動画コンテンツを上手く収録することや配信するコツは、単なる丸覚えやものまねだけではいけない。コンテンツをイメージし、どうしたらできるかを考えることがポイントだ。そして、やってみる、試してみることだ。今や動画コンテンツは身近なコミュニケーション手段だ。その気になれば、大企業に限らず中小企業や個人でも取り組むことができる。JAGATのpage2021も緊急事態宣言の中リアルを中止し、オンラインにシフトした。試行錯誤の繰り返しながらマイクの選択一つとっても自問自答を繰り返しpage2021オンラインとして配信される。

(CS部 古谷芸文)

【関連情報】

・page2021 オンライン 2月8日~28日開催 →入場登録(無料)はこちら        https://page.nikkeineon.jp/registration

page2021オンラインの“予習”に、『JAGAT info』1月号を

1月15日に『JAGAT info』2021年1月号を発行した。大里浩二氏(THINKSNEO)のデザインによる印象的なpage2021のポスターを表紙にしており、「リセット・ザ・フューチャー」のフレーズにふさわしい、疾走感のあるビジュアルに感嘆された方も多いのではなかろうか。
そのpage2021は、すでに各方面でお知らせしているとおり、残念ながらリアル展示会の開催は見合わせて、全てオンラインでの開催に振り替えることとなった。もともとオンラインでの開催も同時並行で準備していたとはいえ、34回目となるpage展の歴史の中でも初となることが多数あり、特に技術スタッフは試行錯誤を続けている。しかしそれも、視聴に訪れてくださるお客様のことを思えばこそ、もう一工夫しようと日々研究を重ねている次第である。

『JAGAT info』2021年1月号の巻頭には、塚田司郎JAGAT会長と郡司秀明JAGAT専務理事による新春対談を収録している。題して「『リセット・ザ・フューチャー』〜page2021の開幕にあたって〜」。この対談は、page2021で議論していく内容のいわば序章的位置付けであり、2020年を振り返りつつ、未来に向けての多種多様な論点を挙げている。page2021のコンテンツ視聴にあたっては、“予習”として、ぜひ事前に精読していただきたい。
また、page2021で催される有料のオンラインカンファレンスについて、同誌1月号では、そこで繰り広げられる議論のポイントについてをまとめている。“JAGATらしい”カンファレンスにするべく着々と準備を進めているので、こちらも奮ってご参加いただきたい。先行きがますます不透明となっている昨今において、重要な示唆が得られることだろう。そして、無料で視聴できる基調講演やミニセミナー、オンライン展示会なども細かくチェックしてほしい。2月いっぱい、page2021を存分に堪能していただけるはずだ。

page2021オンラインは、開幕まであと18日。どうぞご期待ください。

(JAGAT info編集部)

■page2021 視聴のお申し込みはこちらから → https://page.jagat.or.jp
■『JAGAT info』最新号の目次はこちらから → https://www.jagat.or.jp/magazine

page2021リアル展示会 中止決定の背景

2020年12月28日の仕事納めまで、page2021リアル展示会は開催の予定だった。

開催するリスクと中止するリスク

しかし年が明け、一気に潮目が変わった。 1月7日に発令された「緊急事態宣言」は、実はイベントの開催手法の制限はあるが、禁止ではないため、今日現在もpage2021の会場となるサンシャインシティにおいても、イベントは開催されている。またライブイベントなどと違い、BtoBビジネスショーであるpage展において、大声を出すことはほとんどない。また展示会場内の飲食は厳禁であるから、マスクを外す機会も少ない。しかし、pageイベントはひとえに来場者が多いイベントであり、業界の皆様にもそう認知されてきた。人が動き、集まれば、ウイルスの感染リスクは高まる。万が一、当イベントにかかわる方の命に関わることが起きたら…、さらにはクラスター発生…。事務局としては、ご出展の申し込みをいただいた企業様や、準備を進めてきた関係者の方々の努力を思うと胸が痛いが、苦渋の決断であったことをどうかご理解いただきたい。

周到に準備してきたオンライン展示会

一方、昨年6月ごろからオンライン展示会の開催準備を進め、9月24日にはリアル展示会&オンライン展示会の開催発表の説明会を行った。その時から一貫して「リアルも開催、オンラインも開催」と言い続けてきた。同時並行で準備を進めてきた結果、中止の発表と同時にWebサイトもオンライン展示会の仕様に切り替えた。またpage2021オンラインの出展企業には、元々リアル&オンライン双方に出展する企業とともに、リアル展示会の中止に伴い、速やかにオンラインへの出展に移行した企業も多い。リアル展示会用に準備した動画やカタログ、パンフレットの画像データはオンライン展示会に活用できるからだ。したがって、page2021オンラインはまだ出展を募集している。

在庫に戻ったポスターの束を見て思いついた盛り上げ施策

page展は、第1回のPAGE’88の開催以降、紆余曲折を経ながらも33年連続開催してきたが、オンライン開催は初めてとなる。その為には「page2021オンライン」の認知を上げる施策が不可欠となる。その一環として、「page2021ポスター貼って、撮って、送ってキャンペーン」をスタートした。これはpage2021ポスターを貼っていただく企業様(個人でもOK)を広く募集するものである。その掲載画像をお送りいただければ、page2021サイト上やJAGAT公式SNSにてご紹介させていただく。展示会場に貼ることが出来ず、廃棄せざるを得なかったポスターが、ご参加企業のエントランスや応接室に掲載され、それがWeb上に掲載され拡散していく。JAGATが2年以上前から掲げてきたスローガン「デジタル×紙×マーケティング」を体現した企画であるので、ぜひご協力をお願いしたい。

波は乗り越えるのではなく乗りこなす

先日、新型コロナウイルス感染者が初めて日本で発見されてからちょうど1年、という報道を目にした。誰も想像できない1年だったが、 ただヒヤヒヤしながら過ごしていたわけではない。 昨年2月には感染対策を施して「page2020」を開催し、page2021開催に向けてはオンライン開催の準備を並行してきた。これからさらなる第4波、第5波が来るかもしれないが、波は乗り越えるものではなく、次に来る波を見据えながら、上手く乗りこなすものである。開催手法も期間も大きく変わるpage2021にぜひご期待いただきたい。

<JAGAT CS部 堀雄亮>

page2021カンファレンスは全国どこからでも参加可能に!!

page2021 は2021年2月8日(月)~2月28日(日)にかけてWEB上にてオンラインカンファレンスを展開する。「リセット・ザ・フューチャー」をテーマにした基調講演、9本のカンファレンス、26本のミニセミナーを配信、職場や自宅など好きな場所から参加できる環境を用意する。
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