注目されるコンテンツマーケティング

掲載日:2015年1月13日

「コンテンツマーケティング」というキーワードが2014年に入り注目度が高まっている。
コンテンツによって、マーケティングを行う手法、という意味合いで、自分でメディアを持ち、価値ある情報を配信することで顧客と良い関係を作り上げ、最終的にモノを買ってもらったり、サービスを利用してもらったりすることを指す。

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 「コンテンツマーケティング」の2010~2014検索数推移(Googleトレンド)

 

変わるユーザー、変わる手法

コンテンツマーケティングが注目されている背景の一つには、変化するユーザーへの対応がある。
商品やサービスをダイレクトにPRしても、かつてのようにすぐに購入には結び付きにくい。そこで、ターゲットとなるユーザーが関心を持ちそうな情報を配信して自社に対して好意を持ってもらい、最終的に商品やサービスを購入する場面で、自社を選ばれやすくする。短期的に利益には結び付かないが、長期的にターゲットと信頼関係を築くことができ、優良顧客に育てていける可能性が高いと言われている。

もう一つの背景としては、検索エンジン最適化(SEO)としての面である。近年Googleが有料でのリンク購入や中身の薄いコンテンツばかりのWebサイトに対してペナルティを与えるようになり、検索エンジンに評価されるためコンテンツ自体の重要度が増した。
コンテンツマーケティングでは定期的にコンテンツを配信することになるため、キーワード選定などのSEO施策と組み合わせることで効果を出しやすいという点でも注目されている。

WebマガジンからECへ誘客

国内最大規模のメガネECサイトとして知られるOh My Glasses (オーマイグラスィズ)では、ECサイトとは別に、メガネスタイルマガジン「OMG Press」を運営している。掲載しているのは、フレームのトレンドやドラマで俳優が着用しているメガネ、ブランドの情報、Google GlassのようなIT系など自社情報に限らず中立の立場でメガネに関係した情報だ。

メガネの購買サイクルは平均2.5年程度と言われており、ECサイトの運営だけだと顧客接点が減ってしまう。そのため、OMG Pressによってターゲットとなるユーザーとのつながりを獲得している。
現在OMG Pressを訪問するのは月間15万人、そのうち約10%がECサイトを訪問している。ECサイトの売り上げの10~20%がOMG Press経由である。(→関連記事

質の高いコンテンツを発信してWeb経由の売り上げを上げたい、Twitterなどのソーシャルメディアで拡散させたい、という需要はこれからも伸びていくと思われる。印刷会社は印刷物やサイト制作でコンテンツ制作やページ修正に携わる立場におり、ターゲットとするユーザー像をつかみやすい。コンテンツマーケティングは長期的な取り組みが不可欠なため、顧客のビジネスに関わり長いスパンで課題解決のお手伝いをしていく印刷会社に向いている。

page2015が2015年2月4日より開催される。テーマは「変わるニーズ。変わるビジネス。」だ。カンファレンスのクロスメディアカテゴリでは、特にスマートフォンへシフトしたことによって起きているニーズの変化に対して、どのようにビジネスが変化しているかをクロスメディアという切り口で取り上げる。コンテンツマーケティングに関しては、弁護士ドットコム、ナタリーを運営するナターシャ、サイボウズ式を運営するサイボウズの3社にビジネスモデルや運営について紹介いただく。

(『JAGAT info』より)

page2015 クロスメディアカテゴリ 注目セッション
【CM2】価値あるコンテンツを生み出すしくみづくり
~弁護士ドットコム、ナタリー、サイボウズ式の事例から
 

価値のあるコンテンツを提供することで最終的に利益を得る「コンテンツマーケティング」が広がっている。優良なコンテンツを提供しビジネスへつなげている企業にビジネスモデルやサイト運営の方針などを聞く。