印刷物として複製される元となる素材。かつては原稿用紙に書かれた文字、写真の紙焼あるいはポジフィルム、手書きの図版やイラストなど目でみて触れることのできる形であったが、現在はデジタルデータとしてやり取りされることが多い。
複製用の印刷原版。インキが着く画線部とインキが着かない非画線部を持つ。断面の形状によって凸版、平版、凹版、孔版などに分けられる。
版とインキにより、原稿の画像を再現する紙などの材料。印刷媒体の大きな特徴は、空気と水以外に何にでも刷れるというほど被印刷物の多様性にある。紙以外にプラスチック、ガラス、金属、布など印刷物は広く使われている。
版の画像を被印刷物に転写するための材料。印刷インキは被印刷物や版式、印刷物の用途などによって適した性質のものが選ばれる。
版を取り付け被印刷物にインキを転写する機械。圧力のかけ方によって平圧、円圧、輪転の3種類がある。
版と紙が直接、接触せずにいったんブランケット胴などを介してから転写する印刷方式をオフセット印刷方式という。現在は平版の版式が一般的になっている。平版は、版に少量の水を加えることで画線部は水をはじき非画線部に水がつく。版胴に巻きつけられた版にローラーでインキをつけると水をはじいた画線部だけにインキが着く。
グラビア印刷の版は画線部を凹部で表す。凹部に深い浅いの差をつくり、インキの付着量の多少によって濃淡を表現する。グラビア印刷機の機構はインキ漕のなかに版胴が接していて、版胴が回転すると版全面にインキが着き、ドクターと呼ばれるヘラで非画線部のインキを拭い取る。凹部に残った画線部のインキはそのまま残り、用紙に転移される。
版の凸部インキを付け、加圧して紙にインキを転写する方式である。
1970年代頃の新聞や書籍の多くは金属活字で紙面が作られ、凸版印刷機で印刷されていた。その後、大量印刷やカラー化に有利なオフセット印刷に置き換えられた。
現在でも大量部数のコミック誌のモノクロページで多用されている。感光性樹脂凸版という版材を用い、活版輪転印刷機で印刷されている。
凸版印刷方式の一種。版に感光性樹脂やゴムなどの弾力性のある(フレキシブルな)素材を用いることからフレキソ印刷という。段ボールなどの表面の粗い素材への印刷に適している。
孔版印刷の一種。版として網目状の布(メッシュ)を用いる。印刷する素材を選ばない、曲面への印刷が可能、インキが厚盛りできるなどの特徴がある。
コンピューター上で製作されたデジタルイメージが版の役割を果たす無版印刷のことをデジタル印刷という。
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