人手不足解消の切り札としても期待されているRPA。2018年には海外製ツールの日本語対応やクラウドサービスなど利用しやすい環境が整ってきました。
足りない人手はロボットで
RPAとは、今まで人力で行っていた作業をプログラムが代行するしくみのことです。人間が行っている作業をExcelマクロのように記録したり、ブロックのように動作を組み合わせることで自動化できます。
Webサイトからデータを抽出して一覧化したり、交通費精算の金額チェックを行ったりといった定型的な業務はロボットが行います。さらにAIと組み合わせて高度な処理を行うこともできます。
2018年は人手不足による要因で企業が倒産する「人手不足倒産」が過去最高件数となりました。求人難で新たに人を採用することはむずかしい、かといって1人が担当する業務量を増やすこともできない、というなかで、RPAを活用した事務作業の効率化に取り組む企業が増えてきています。
比較的小さな規模の企業であっても「できるだけロボットに作業を任せて効率的に仕事をする」ことが現実的な選択肢になってきました。
最近では海外製の大手RPAツールの日本語対応も進み、使いやすくなったことに加えてサーバー設置の手間が不要で始めやすいクラウド型のサービス形態も増えてきたことが、RPA導入を後押ししています。
システムとシステムをつなげるのがRPAの強み
帳票の処理やデータ入力などの事務作業は、製造プロセスほど効率化が進みませんでした。IT化が進むにつれてさまざまな業務が個別にシステム化されましたが、システム間の連携は人間が担ってきました。
異なるシステムを連携するプログラムを開発するのは複雑で、開発費も高額になるためです。事務スタッフが手で対応したほうが合理的だと考えられ、コピペで転記、という方法が多く取られてきました。
RPAはWebサイトの情報をもとにチェックした金額をクラウドサービスへ登録したり、あるシステムから抽出したデータを加工して別の社内システムに入力したりといったシステム間をまたいだ作業も比較的容易に行えます。
コピペ作業に充てていた時間はそれほど長くはなく、「人がやったほうが早い」作業なのかもしれません。それが1日20分程度だったとしてもRPAで自動化できれば、年間で数十時間の削減効果があります。
2019年は中小規模の企業も含め、RPAを導入する企業がさらに増えていくと予測されます。RPAが担うことで効率化できる業務は少なくありません。自分の周りで行っているコピペ作業があれば、それを自動化できないか、別の方法で代替できないか、見直してみるのもよいかもしれません。
(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)
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