印刷技術と素材が生きるギフト商材

掲載日:2024年9月17日

9月4日〜6日に開催された「第98回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2024」から、印刷と紙素材を生かしたデザイン製品の出展を紹介する。

株式会社ビジネスガイド社が主催する、日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「第98回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2024」が東京ビッグサイトで9月4日(水)~6日(金)に開催された。

同時開催展の「第16回LIFE×DESIGN」「LIVING & DESIGN 2024」「第36回グルメショー秋2024」と合わせ、総来場者数221,478人(海外来場者5,721人含む)、総出展社数2,823社(内16の国と地域より898社)。会場の至るところで出展者と来場者の間で商談が弾む姿が見られた。

印刷関連会社・紙商社などの出展も多く見られ、素材と技術を生かした商材をアピールしていた。その一部を紹介する(社名50音順)。

株式会社インパム

食品・工業用のシール印刷を主力とし、本展では、特殊印刷・加工による販促ツールなどを出展した。「めくれる2層シール」は、二つの層が重なり、上層を剥がすと下の層の文字や絵柄が現れる仕組みのシール。おみくじやクーポンなどの用途への活用を提案していた。「立体リボンピック」は、フィルム素材のシートで作られた、ピック付きのリボン。ケーキ・オードブルなどの食品、または観葉植物や雑貨などの飾りとして使用できるという。そのほかにも独自開発製品を複数紹介した。

▲インパムによる「立体リボンピック」の活用例

加陽印刷株式会社

UV印刷機によるフィルム印刷や3Dレンチキュラー印刷などの高付加価値印刷を手掛けており、本展では、推し活に役立つ製品を多数出展した。
スリーブの裏側に、スタンドを組み立てるための切れ込みが入っている「トレカ用クリアスリーブスタンド」のほか、缶バッジ、トレカ、アクスタ、クリアファイルなどをサンプル展示。また、数種類のグッズを、アルミ蒸着や透け防止印刷などを施した封筒にランダムに封入する「ランダム封入」のサービスを紹介していた。ライブ・コンサートのグッズとして、キャラクターグッズの販売、特典配布などに活用できる。

加陽印刷
▲加陽印刷による、トレーディングカードなどのコレクションに役立つグッズ

木野瀬印刷株式会社

愛知県春日井市でオフセット印刷やフォーム印刷を手掛けており、本展では、今野タオル株式会社・株式会社シール堂印刷と共同で、春日井市を拠点に活動している雑貨デザイナー・絵本作家のShinji Kato氏とのコラボレーション商品を出展。木野瀬印刷はKato氏による絵本をモチーフにしたレターセットやメモパッドなどを中心に紹介した。

▲Shinji Kato Designの雑貨の展示

協和紙工株式会社

文具や日用品など多彩な分野の紙製品の企画・製造を手掛けており、本展では、OEM対応製品やオリジナル製品を紹介。ブースの前面では、ポケットサイズの「ミニミニウェット」を中心に、オリジナルウェットティッシュが紹介されていた。これらはフラップ部分にオリジナルデザインが可能で、ノベルティなどに活用できる。また、オリジナルのペーパークラフトのコーナーでは、動物、昆虫、恐竜、乗り物などのサンプルが展示され、来場者の目を引いていた。そのほか、おりがみ、ノート、カードなどの製品サンプルも紹介された。

協和紙工
▲協和紙工のオリジナルペーパークラフト

古川紙工株式会社

岐阜県美濃市を拠点に、美濃和紙を中心にした紙文具製品を製造販売している。本展では、女性を主なターゲットに「かわいい」をキーワードにしたオリジナルグッズを紹介した。
同社は企業と協業して、レターセット・シールなどのオリジナル文具ブランドの構築を進めており、事業化事例として、コーヒー機器総合メーカーの「カリタ」とコラボしたブランド「Wa-Life」、「こぐまちゃんえほん」(わかやまけん/こぐま社)とコラボレーションしたブランド「HONTOWATASHI」などが紹介された。

古川紙工
▲古川紙工のOEM/ODM制作事例

山櫻

エシカルな製品を提案するブランド「rik skog(リーク スクーグ)」の新製品「パルプモールドボックス」を出展。これは、生花のアップサイクルに取り組む株式会社RINと協業して生まれたものだ。RINは、生産・流通・販売の過程で廃棄されてしまう生花をロスフラワーと名付け、イベント装飾やディスプレイ用途に再生させている。
山櫻はこのロスフラワーを粉砕し、森林認証パルプと混ぜてモールド成形してギフトボックスに仕立てた。壁に飾るインテリアとして、あるいは商品を同梱してギフトボックスとしての活用も見込んでいる。

山櫻
▲「パルプモールドボックス」のサンプル展示

株式会社ヤマニパッケージ

パッケージ・包装資材の専門企業であり、ブースでは「売れるパッケージ」「1万点の既製品」「コスト削減」「FSC認証」の4点をアピールし、ハロウィン・クリスマスシーズンに向けた商品パッケーやギフト包装などのサンプルを多数紹介し、ユーモアあふれるデザインで来場者の目を引いていた。

ヤマニパッケージ
▲ヤマニパッケージによる多彩なパッケージのサンプル展示

 

以上、出展のごく一部を紹介した。推し活ブームを追い風としたアイテム、オリジナルキャラクターを生かした文具・雑貨、環境配慮をうたう商品などが印象に残った。これらの分野は、さまざまな産業が参入するため競争も厳しいが、企画・提案次第でビジネスチャンスが生まれる可能性を秘めているといえる。

2025年2月19日(水)〜2月21日(金)に東京・池袋のサンシャインシティで開催されるpage2025は、『共奏』をテーマに、印刷関連企業とステークホルダーが連携してビジネスを創る機会を提供する。自社の新たな事業企画のヒントを得る機会として、ぜひご活用いただきたい。

現在、出展企業を募集中だ(10月18日(金)締め切り)。自社製品・サービスのテストマーケティングの機会として、出展社・来場者との出会いの場として、ぜひ活用していただきたい。

page2025 出展のご案内

10月18日(金)締め切り

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(JAGAT 石島 暁子)