2023年7月19日～21日まで開催された第15回 Japan マーケティング Week【夏】 より、印刷に関連した出展の一部を紹介する。
マーケティングの総合展である第15回 Japan マーケティング Week【夏】は、2023年7月19日～21日まで東京ビッグサイトで、販促 EXPO【夏】／Web・SNS活用 EXPO【夏】／広告メディア EXPO【夏】／営業支援 EXPO【夏】／CX・顧客育成 EXPO【夏】の5つの構成展で開催された。
魅力あるノベルティや店頭ディスプレイ、紙媒体とデジタルマーケティングを繋ぐシステム、営業や顧客管理のデジタル化などのトレンドが一堂に会し、会場の至る所で商談が行われていた。
その中で、印刷や紙の活用に関する出展も多く見られた。その一部を紹介する（社名50音順）。
五十嵐製箱
ダンボール箱のほか、紙製販促什器などの企画・製造・販売を手掛けている。
今回は「イベント什器をもっと手軽に！」をキャッチフレーズに、広告メディアEXPOに出展。折りたたんで持ち運ぶことができる、段ボール製の什器のブランド「ハコベル」のラインナップを紹介した。
組み立て、運搬、保管が容易で、デザインの自由度が高いことが特長である。短期間のイベント・ポップアップストアの設営に活用できる。
インターコスモス
店舗・イベント装飾や販促ツールの企画・制作・販売を手掛けている。今回は販促EXPOに出展し、LEDによる販促ディスプレイのラインナップを紹介した。
「LEDレインボーネオン」はネオン管のようなデザインで豊富なカラー表現が可能。「ZANZO」は、円盤に取り付けられたブレードが高速回転することで、映像が浮かび上がる仕組み。
ブースの一角では「ZANZO」を利用したデジタルスロット体感コーナーを設置し、来場者の目を引いていた。
エール印刷
特殊印刷加工によるパッケージや店頭POPなどを製造している。今回は販促EXPOに出展し、再生PETを使用したクリアケース、1mmの厚の再生PETにUVオフセット印刷機で両面印刷を施した仕切り板、再生プラスチックを使用した製品サンプルを展示した。
協同制作
デジタルプリント・ITサービス・屋外広告などさまざまな事業を展開している。今回は販促EXPOに出展し、オリジナルのデジタルサイネージ「D-smart」のラインナップを紹介した。
タッチ操作が可能な「D-smart Touch」、耐候性を備えた屋外用の「D-smart ODS」などがある。また、Web経由でコンテンツを配信するシステム「D-smart CMS」を用いて、複数のサイネージを管理することができる。
このシリーズは店舗・ホテル・自動販売機への組み込み・バス停の行き先案内板など、さまざまな分野で採用されている。
小松総合印刷
バリアブル印刷や圧着DM制作などを得意とする同社は今回販促EXPOに出展。「ペーパーワンダーランドマルシェ」をテーマに、市場の店頭をイメージしたブースを設置し、そこに野菜・果物・パン・ビールなどの形をした「くじ」のサンプルを展示した。
「くじ」は表面を破くとQRコードが現れ、これをスマートフォンで読み取るとくじ引き専用サイトにアクセスできる。そのほかデジタルスクラッチくじ・圧着くじ・圧着DMなどの多彩なサンプルを展示。魅力ある店頭POPと、紙媒体をマーケティングオートメーションに繋ぐ仕組みを提案した。
タカヨシ
同社は印刷事業で培った資産を生かし、顧客のセールスプロモーション・ブランディングを支援するためのさまざまな事業を展開している。今回は今回販促EXPOに出展し、印刷物やイベントなどのリアルなコンテンツと、ウェブや映像などのデジタルコンテンツを組み合わせて、顧客を増やす販促手法の提案を行なった。
同社のグループ会社である、ウェブサイト制作・リサーチ・広告運用を手掛ける「デジプル」と映像制作プロダクションの「 MAD PRODUCTION」との共同出展で、映像からウェブサイトに誘導するサービスや展示会プロデュース、特集印刷やリサイクル紙を使用した印刷物の事例などを紹介した。
北斗社
販促動画などのコンテンツ作成支援サービスを展開する同社は、Web・SNS活用 EXPOに出展。BtoB販促動画と教育動画のサービスを打ち出した。BtoB販促動画は商品・サービス紹介、プロモーション、会社紹介・周年記念、採用など、教育動画は社員研修・セミナー・業務マニュアル解説などに活用できる。
制作に当たっては、顧客へのヒアリングからシナリオ作成、撮影・編集まで行うオーダーメイド動画のほか、手軽に動画制作ができる「インタビュー動画パック」「アニメーション動画パック」、また顧客が持っているセミナー資料を動画にする「ウェブセミナーパック」などがある。
やまと印刷
紙製品・フィルム包装・フォーム印刷・付箋制作などを手掛けながら、オリジナル紙製品も多数開発している。今回は今回販促EXPOに出展し、さまざまな販促アイテムや文具を紹介。
特に「第32回日本文具大賞2023」のサステナブル部門で優秀賞を獲得した「断裁くずを出さないふせん」をアピールした。この製品は、付箋の原紙から断裁くずが出ないように加工し、さらに水性糊を使用することで環境負荷低減を実現している。
以上、紹介した出展内容は、自社の製造技術を応用したオリジナル製品、コンテンツ制作の資産を生かした顧客支援などさまざまであり、印刷を核にした事業の多様な可能性を示している。今後の発展に期待する。
なお、JAGAT主催の「page2024」は「連携」をテーマに掲げ、2024年2月14日～16日の3日間、東京・池袋サンシャインシティで開催予定である。
page2017から設けている印刷会社の出展ゾーン「印刷パートナーゾーン」も継続し、異なる特長を持つ印刷関連企業によるコラボレーションを生み出す機会となるよう、準備を進めているところである。多くの企業に出展していただきたい。
（JAGAT 研究調査部 石島 暁子）