印刷産業の従業者数【印刷界OUTLOOK2015/2016】

掲載日:2016年8月25日

印刷・同関連業の従業者数は、技術革新による自動化・合理化による工場人員の減少、インターネットをはじめとしたメディア多様化による印刷物減少などの影響を受け長期的な減少傾向にあります。

JAGATでは、「印刷界OUTLOOK」として印刷・同関連業に関係するさまざまなデータを各種統計資料から選びました。>>印刷界OUTLOOK2015/2016

従業者数30.7 万人の印刷・同関連業

経済産業省「平成25 年工業統計表 産業編」によると、2013 年の印刷・同関連業の従業者数は前年比1.8%減の30 万6833 人と、2 年振りの減少となりました。2013年の従業者数について、ピークとなった1993 年(約48 万人)、10 年前の2004 年(約38 万人)、5 年前の2009年(約34 万人)と比較すると、約65%、約80%、約90%の規模感です。

印刷・同関連業の従業者数は、技術革新による自動化・合理化の進捗を背景にした工場人員の減少、インターネットをはじめとしたメディア多様化による印刷出荷額減少などの影響を受け、長期的な減少傾向にあります。

製造業24 業種における印刷・同関連業は11 番目(4年連続)の多さで、製造業全体の約4.0%を構成しています。食料品製造業(113.9万人)、輸送用機械器具製造業(97.9万人)、金属製品製造業(62.9万人)、生産用機械器具製造業(57.9 万人)、電気機械器具製造業(48.3 万人)、プラスチック製品製造業(42.5 万人)、電子部品・デバイス・電子回路製造業(39.2万人)、化学工業(34.2 万人)、はん用機械器具製造業(32.8 万人)、繊維工業(32.8 万人)に次ぎ、窯業・土石製品製造業(25.8万人)を上回っています。

平均規模は緩やかな大型化が進む

印刷・同関連業は統計上、「印刷業」「製版業」「製本業」「印刷物加工業」「印刷関連サービス業」の5 業種から構成されますが、「印刷業」の占める割合は圧倒的で、構成比も拡大傾向にある。2013 年の「印刷業」の従業者数、事業所数、出荷額を見ると、83%、80%、90%と印刷・同関連業の8~9割を占めています。

印刷・同関連業内の従業者数内訳を見ると、印刷業82.9%(25万4454人)、製版業6.8%(2万909人)、製本業5.6%(1万7219人)、印刷物加工業3.9%(1万1967 人)、印刷関連サービス業0.7%(2284 人)の順になっています。

5年前(2008年)と比較して、従業者数の減少幅が最も大きいのは印刷物加工業の▲ 26.9%で、以下、製版業▲25.1%、製本業▲19.8%、印刷関連サービス業▲16.8%、印刷業▲ 10.8%と続く。印刷・同関連業は、製版業・製本業における印刷業への業種転換、印刷業における製版・製本業務の内製化、ワンストップサービス化などを背景に、全業種における従業者数減少が続いています。

印刷・同関連業における1 事業所当たり従業者数推移について、1970 年代後半は9 人台でしたが、2003年以降は11 人台で推移、2013 年は11.35 人となっています。印刷・同関連業5 業種中で最も多いのは製版業の13.73 人、次いで印刷業の11.78 人、製本業の9.16人、印刷関連サービス業の8.49人、印刷物加工業6.81人と続きます。事業所数は減少傾向ですが、1 事業所当たり従業者数は近年増加傾向にあり、印刷会社1 社当たりの平均規模は集約化によって緩やかに大型化しています。

従業者数規模の推移から、印刷・同関連業が我が国産業において一定の雇用を有する産業として影響力を発揮していること、印刷業界内における業種構造の変遷などが分かります。

 

(「印刷界OUTLOOK2015/2016」より)