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【印刷界OUTLOOK2009】その2・広告費
電通『2008年日本の広告費』によると、2008年の総広告費は6兆6926億円で2007年より3265億円の大幅減少になった。2004年から堅調に市場を拡大してきたが、2008年は景気後退と金融危機の影響を強く受けて5年ぶりの減少となった。
マスコミ4媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の低下傾向が続き、2005年と比べて4413億円減った。インターネット広告費は2005年より約1.8倍の6983億円になり、この数年で雑誌(4078億円)と折込(6156億円)を抜いた。今後は新聞(8276億円)との差がいつまでにどれだけ縮まるかに注目が集まりそうだ。
プロモーションメディア広告費も5年ぶりの減少となった。総額2兆6272億円で2007年より1614億円減り、内訳のすべてが2007年より減少した。
広告費の大きい順に、折込(6156億円)、DM(4427億円)、屋外(3709億円)、フリーペーパー・フリーマガジン(3545億円)、展示・映像他(3196億円)と続き、ここまでが3000億円規模以上である。
折込は2年連続で減少し、やや市場が成熟した兆しが数字で裏付けられている。DMは4300~4500億円台で安定推移している。フリーペーパー・フリーマガジンは2005年の統計開始以来、初めてのマイナス成長になった。
総広告費に占めるマスコミ4媒体の割合は2000年には65.0%を占めていたが、2008年は49.3%と50%を下回った。特に新聞は2005年の15.2%から2008年の12.4%に大きく低下したのが目を引く。
厳密な意味で印刷メディアだけを抽出するのは難しいが、印刷メディアのシェアを試算すると、新聞(12.4%)、雑誌(6.1%)、折込(9.2%)、DM(6.6%)、フリーペーパー・フリーマガジン(5.3%)、電話帳(1.3%)の合計40.9%であり、2005年より3.4ポイント低下した。
しかし屋外(5.6%)や交通(3.7%)、POP(2.8%)における印刷メディアもカウントすると、広告媒体に占める印刷メディアの割合は2008年時点で半分弱と見ることができるのではないか。
(『JAGAT info』 2009年6月号より)