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主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2009年4 月の景況報告。
4月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△5.4 %で14ヶ月連続の前年割れ。2009年に入ってマイナス幅は月を追って拡大している。書籍は△2.0%で4ヶ月連続の前年割れになった。結局、企画、売れ筋の数の問題で、昨年10月から12月の3ヶ月プラスの状況とは逆である。雑誌は△8.0%であった。販売部数のマイナスが金額のマイナスを上回る状況は続いており、4月は月刊誌において販売金額の△9.9%に対して部数が△12.2%、週刊誌ではそれぞれ△1.4%、△4.8%であった。
4月の広告業売り上げ前年比は△15.2%で、6ヶ月連続の2桁マイナスである。マス4媒体全体は△17.4%、新聞(△22.8%)と雑誌(△29.6%)の大幅落ち込みは変わらず、テレビが前年水準が低い中で△14.5%と大幅に落ち込んだ。SP広告は屋外(△10.8%)、交通(△17.5%)、ダイレクトメール・折込(△14.8%)、SP/PR/催事企画(△8.3%)と悪いが、後者3分野は前年水準を見ると瞬間風速的なマイナスはそろそろ収まるかもしれない。ネットは△5.1%、3ヶ月連続のマイナスになった。
4月の一般インキ出荷販売量前年比は△10.4%であった。平版インキは△11.7%とかなり悪く水準としてはいまだに異常に悪い。ただし、対2月(△22.6%)では半分になった。シェアNo2のグラビアインキ(△8,7%)も平版インキと同様である。今回の大不況の影響は11月に最初の大きな底を迎え、12、1月にやや緩和して2月に第2回目の大きな底になった。3月、4月はマイナス幅が縮小してきているが、平版インキではボーナス、中元商戦での商業印刷需要がどうなるかが注目される。
4月の印刷情報用紙出荷販売量前年比は△23.0%で、20%以上のマイナスが5ヶ月連続になった。品目別には、非塗工紙が△15.1%、微塗工紙△19.6%、塗工紙△31.3%である。悪い状況は続いているが、全品目ともにマイナス幅は少し縮小した。今回の不況が、例えば大手折込ユーザーの別媒体への移行の引き金になる可能性を除くと、今回の大不況の前の価格変動にともなう動きがあるので、それぞれの紙における今後のマイナス幅の動きは、品種でかなりかわるかもしれない。
(JAGAT info 2009年7月号より)