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ツイッター(Twitter)の急拡大が目立つ、ここ最近のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)業界は明るい話題が多いのだろうか。
Twitter対抗、mixi「エコー」正式サービスに APIも公開へ(ITmedia News)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0907/31/news085.html
「Twitterの勢力が急拡大する中、ミクシィが対抗策に乗り出した」とある。すでにテスト運用していた、Twitterに似たサービスをmixiでも開始するというニュースである。
ユーザの奪い合いは、ブログ黎明期の頃と似ている。コメントのつきやすさや可愛いデザイン、有名人と同じサービスを利用したい、などの付加価値でもって差別化しようとした。勝者はアメーバブログということになるのだろうか。しかしユーザにとっては、ブログをしたいわけなので、どこの会社のサービスであっても構わない事情はずっと続く。ロイヤリティはそう高くない。ケータイのメールアドレスをためらいなく変更できるユーザ層とブログに取り込みたい層はかぶっているのではないか。
SNSとしてミクシィは成功した。日本において圧倒的な知名度とユーザシェアを獲得した。今までは。
上記ニュースは、まさに黒船Twitterを真っ向から迎え撃つかたちとなっており、行く末は注目される。それだけTwitterの拡大が無視できないわけで、むしろミクシィは早めに手を打ってきたとも言える。Twitterは確かに急拡大しており、各種メディアでも取り上げられたりと、ここ最近のWebサービスでは一般ユーザも巻き込んでいるといえるだろう。Youtubeの盛り上がりに近いのではないだろうか。
一部のニッチSNSが急成長、短期間で数百万ユーザー獲得も(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-10271320090729
ブログであってもそうだったが、サービスに参入しやすいのは現状も変わらない。むしろデバイスの多様化によりチャンスは拡がっているのであろう。また、Twitterのようなサービスの認知拡大により、参加延べ人数は増えているといえる。
しかしそれで成功できるのは一握りであり、ブログの頃よりも競争は熾烈なのではないだろうか。
「日経WagaMaga」のSNSが9月30日で終了 (INTERNET Watch)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090722_304031.html
参入したが思ったようにユーザを獲得できなかったり、ビジネスに結びつかなかったりといった具合に、やがてはサービスを終了するケースも相次ぐ。
ユーザのロイヤリティは高くないとは書いたが、中途半端なサービスはリリースされても少しも盛り上がりが聞こえてこないまま終了するのも珍しくない。Web系サービスは突き詰めていくとクラウド・コンピューティングやエンタープライズ・マッシュアップへと繋がる話である。すなわち単なるSNS業者がお互いの競合ではなりえなくなっている。
このようなスピードと精度とタイミングが求められ続ける状況で、各社SNSサービス提供側はどのような戦略を練っているのだろうか。
SNSがビジネスに与えるインパクト[クロスメディア・特別セミナー]
http://www.jagat.jp/content/view/1067/223/