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主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2009年5月の景況報告
5月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△7.5 %で、2009年に入ってマイナス幅は月を追って拡大、5月は最悪になった。ただし、稼働日が少ないこともひとつの要因という。書籍は、大きく売りを伸ばした本はあるが、他の本の売れが悪すぎる。結局、企画次第で売れ筋の数の問題である。雑誌の販売金額は△9.2%であった。月刊誌が△9.9%、週刊誌が△12.8%である。販売金額と販売部数の関係で、書籍は販売部数の減少が販売金額の減少を上回り、雑誌はその逆という状況に変りはない。
5月の広告業売り上げ前年比は△17.5%、マス4媒体全体は△16.1%である。今回の不況の影響が、販促媒体に本格的に出てきたことを示している。マス4媒体が本格的にマイナスに入った2005年の1~5月期に対して、2009年の同期水準は約25%減にまで落ちている。最もマイナス幅が大きいのは雑誌(△40%)である。5月のインタ―ネット広告前年比は△3.6%、SP/PR/催事企画△16.3%、折込・ダイレクトメール△14.5%、屋外△13.0%であった。
5月の一般インキ出荷販売量前年比は△18.9 %であった。昨年9月以降連続9ヶ月の前年割れになった。12月以降、6ヶ月連続の2桁マイナスである。5月の平版インキ出荷販売量の前年比は△18.0%で4月の△25.3%よりはましだが、20%近いマイナスは何としてもひどい。シェア2位のグラビアインキもいまだ△12.5%で大幅な前年割れが続いている。大幅マイナスが緩和するのは、秋以降になるかもしれない。
5月の印刷情報用紙出荷販売量前年比は△28.1%で、これで20%以上のマイナスが6ヶ月連続になった。品目別には、非塗工紙が△16.6%、微塗工紙△26.4%、塗工紙△35.5%である。4月には減少幅が少し縮小したが、5月は再び拡大した。特に悪いのは微塗工紙で、マイナスに入り始めての過去7ヶ月で最悪であった。アート紙は△41.7%で、これも12ヶ月連続マイナスの中でマイナス幅は最も大きい。軽量コートも△40.5%となり、塗工紙関係の悪さが際立っている。
(「JAGAT info」2009年9月号)