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主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2009年6月の景況報告。
6月の書籍雑誌推定販売金額前年比は0.7%で、2月から続いていた大幅なマイナスが一転、プラスとなった。理由は書籍が4.0%と5ヵ月ぶりに前年を上回り、雑誌も△1.4%とマイナス幅が縮小したからである。これは、「前年同月に比べて稼働日が1日多かったことと、前年同月の大幅な落ち込みの反動によるもので、販売状況が良くなったわけではない」(出版月報、2009年7月号)とのこと。書籍は、村上春樹の「IQ84」の驚異的な売れ行きにより、それだけで前年比を4%以上プラスにしたという。
6月の広告業売り上げ前年比は△18.4%でマイナス幅はさらに拡大した。1月~6月の前年比平均は△16.4%の大幅なマイナス。マス4媒体全体は、6月単月では△17.9%、上期の前年比平均は△17.1%であった。雑誌が△29.5%、新聞は△23.6%で紙媒体のマイナス幅が大きい。6月は屋外〈△2.0%〉、交通広告(△10.5%)、折込・DM(△11.1%)は幾分マイナス幅が縮小、上期の前年比平均では△15.3%である。インターネットは、6月単月では△5.6 %だが、上期平均は△2.8 %である。
6月の一般インキ出荷販売量前年比は△12.1%であった。前月に比べて幾分マイナス幅は縮小した。6月はグラビアインキが△5.0%になったことが主要因で、平版インキの前年比は△20.2%になっている。1月~6月の一般インキ合計では△14.8%であった。平版インキは△18.4%で、各種インキの中で最も大きく前年を割り込んだ。チラシやフリーペーパーなど、オフ輪の主要市場のマイナスが利いている。上期、グラビアインキは△11.2%、樹脂凸版△6.9%、金属インキは△9.6%であった。
6月の印刷情報用紙出荷販売量前年比は△21.0%であった。20%以上のマイナスは7ヶ月連続である。品目別には、非塗工紙が△17.5%、微塗工紙△19.8、塗工紙△28.0%である。前月の前年比よりもマイナス幅は縮小したが、だからといって景気が云々といえるレベルではない。1~6月の前年比を見ると、印刷情報用紙全体では△25.8%である。非塗工紙は△17.5%、微塗工紙は20.9%、そして塗工紙は△34.7%であった。まだ、過去2年ほどの価格変動にともなう動きの余波が残っているようだ。
(JAGAT info 2009年10月号より)