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【海外印刷事情】韓国における新聞・雑誌のデジタル化の動きを紹介。
韓国イルジンPMS 株式会社
李 在秀
新聞、雑誌、書籍などをいつでも、どこでも電子書籍端末機、スマートフォン、タブレットPC などのモバイル機器からダウンロードして読める韓国発の読書革命が始まる。それがTexstore である。 Texstore(Text とStore の合成語)は新聞・雑誌・書籍の売り買いが可能なモバイル商店である。
朝鮮日報、毎日経済新聞、電子新聞などの韓国内主要新聞社と雑誌社、出版社がコンテンツをTexstore へ提供すると、電子書籍 端末、スマートフォン、タブレットPC へ、それぞれ適切な形式に変換して顧客へ提供する。
読者はTexstore が搭載されたモバイル機器さえ一台あれば、常時、当日の新聞や最新の雑誌、そして数百~数千冊の書籍を所蔵し て出かけることができる。
Texstore は何より紙新聞、 雑誌と全く同様に編集された形態で読むことができるので、紙メディアが与えるよく整理された編集や“ニュース価値判断“の魅力をそのまま感じることができる。
Texstoreは3月中旬にサムスン電子の6インチ電子書籍端末機(SNE-60 )に初搭載される。同月末にはiriver 社の電子書籍端末機(Story)に搭載され、新聞記事を総合・政治・社会・文化などカテゴリ別に分類して提供する。
6 月に9.7 インチ大型画面の電子書籍端末機が発売されると、新聞が紙面そのままの形態で読める。Texstore の新聞購読料は紙新聞の半分以下で、購読を申し込んだ読者には毎朝6 ~ 7 時に当日の新聞が無線Lan(Wi-Fi)を通じて電子書籍端末機に自動的に配信される。
電子書籍端末機の長所は目が疲れないこと。電子書籍は別途の光源を必要としない電子ペーパーを使用するため長い間見ても目が疲 れにくい。また、太陽光の下でも鮮明に文字が見えるので、公園ベンチでも気楽に読むことができる。2011年には10インチ、14イ ンチ大型画面を揃えた電子書籍端末機が発売される予定になっており、来年の中半ごろには新聞の読み方に大きな変化が来るとサムス ン電子のMr.Byun 首席研究員は語る。
Texstore は今後3~5年後にユビキタスメディアに進化して、各種記事や情報を提供するコンテンツハブになる。小学校に通う子供 と公園に行き、子供が遊ぶ間に電子ペーパーを開き、新聞記事や童話などをダウンロードして読むということも特別なことではなくなる。おもしろい情報はリモートを押し、親友のスマートフォンへ送り共有も可能である。
LG Display は最近19インチ(タブロイド版)の曲がる電子ペーパーを開発して商業化直前までたどりついた。このようにますま す電子書籍端末機も進化しており、Texstore は出版ビジネスを大きく変えようとしている。
Texstore オンライン利用により読者は費用および時間の節約、出版社も印刷や製本などの製作費と流通費、在庫負担の減少で大歓迎となるが、端末機価格と多様なコンテンツの開発がさらなる活性化へのキーであろう。
しかしその反面、印刷関連と製紙業界は需要激減を憂慮しているので今後の成り行きが興味深い。
(『JAGAT info』2010年6月号)
電子書籍の動向と印刷会社の役割 (仙台開催)
2010年09月24日(金) 14:00-16:00
デバイス・フォーマットからみた電子書籍、EPUB、フォーマットとビューアーの関係、メディアからみた電子書籍、印刷会社に求められる役割などを解説。
制作担当者のための電子書籍のつくり方(入門編) ※電子書籍の基礎知識を勉強したい方におススメ
2010年09月29日(水) 14:00-17:00
電子書籍制作のための基礎知識をはじめ、具体的にInDesignからEPUB書き出しといった電子書籍制作の基本的な流れをデモを含めわかりやすく解説。