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一生懸命つくったWebコンテンツやWebサービスが、フィルタリングサービスに引っかかって閲覧制限がかかり、実際に見てもらいたいターゲットに届かない。
Web制作を受注するケースや提案するケースにおいて、そのようなフィルタリングに関する情報を掴めているだろうか。そもそも携帯電話を中心として青少年が出会い系などで犯罪に巻き込まれることを懸念して、そういった有害な情報から青少年をブロックするような意味合いで検討が進み、一時期は国による検閲のような仕組みができあがることに懸念の声もあがったりしたが、最終的には携帯電話キャリア関係やコンテンツ提供側などからの自浄作用としての認定の仕組みができあがった。国としてはそれらの仕組みをバックアップするようなかたちである。
あるWebコンテンツがあったとして、それが有害でないとか有害にならないよう監視を怠らないとか、様々な基準があり、それを満たしているWebサービスを「認定」して、青少年もそのサービスにアクセスできるしブロックされない。つまりフィルタリングに引っかからないということだが、それらの認定団体がEMAであり、I-ROIである。それぞれ携帯電話中心、インターネット全般といった棲み分けはあるが、それぞれスタンスは同様で、基準をつくり認定をする団体である。コンテンツのひとつひとつを細かくチェックするわけではなく、それはセルフレイティングによるという流れである。
すでに「青少年インターネット環境整備法」が2009年4月から始まった。もうすぐ一年が経とうというころで、最近では親の同意があればフィルタリングが外れるという部分において、もっと規制を強化すべきだという議論も起きている。小中学生の携帯電話の所持率はあがり(そもそも携帯電話を持たせるのかという議論もあるが)、環境整備法の認知も広めていくべきだという声もあがる。
もともとの目的が前述の、青少年が有害な情報に触れない、犯罪に巻き込まれない、といったわかりやすいところからスタートしているが、そのための施策については、国、コンテンツ提供側、携帯キャリア側などの思惑が絡むため色々な議論が起こる。いずれにしても少しずつ認知は拡大して、何もしないままだと青少年をターゲットにしたコンテンツやサービス(ファミリー向け要素も含めて)は、実際に狙ったターゲットに届いていないといった事態が起きる可能性はある。
プライバシーマークのような、企業PRにも繋がる部分もある認定マーク。紙とWeb、紙と携帯のクロスメディアにおいて、フィルタリングの現状について情報収集しておくことは大事なのではないだろうか。
フィルタリング問題の現状を把握する