本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
変化の時代を乗り越えるためには印刷業界の知識だけではなく、業界に変化を与える外の変化に目を配る必要がある。
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2010年10月13日(水)、第14期となるプリンティングコーディネータ養成講座がスタートした。本コースは顧客の要望を的確に把握し、もっとも適した印刷物の提案や印刷工程のディレクションを行なうプロフェッショナルを養成する講座である。
受講者も部課長クラスの方が多く、より専門性の高い内容を2ヶ月間で総合的に習得していく。
第1講座「情報技術の変化と印刷メディア」(佐々木雅志講師)では、Webやケータイをはじめメディアが多様化するなか、プリンティングコディネータに必要とされる能力とは何かを、印刷業界を取り巻く環境の変化を整理しながらお話いただいた。
講師の佐々木雅志氏
佐々木氏は、いま、強く求められるのは、顧客の話をよく聞き、相手の現状や抱える問題などを正しく把握する能力であると指摘する。
印刷物を「より安く」作る提案では価格競争に巻き込まれてしまう。効果をあげるため印刷物を「どのように使うか」を提案するには、印刷の知識や経験だけではなく、経営・マーケティング知識やコミュニケーション能力が不可欠であるという。
変化は業界の外から起こる。見えないところで起こり展示会では見つからない、と説く。
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第2講座「DTP組版設計のディレクション」(大西哲彦講師)では、フォント知識と日本語組版ルールについて解説いただいた。
和文フォントや日本語組版ルールなどは、印刷物制作においてもっとも基礎となる知識である。しかし、印刷会社の中にはDTPシステムを持ちながらコスト面の都合でデザイン・レイアウトを外注に出していることが少なくないのも事実である。
単にテキストを流し込んだだけでは日本語組版とは言えない。長年にわたって培われた組版上のルールや習慣を知り、これに対応した仕上げを行う必要がある。DTPで品質が落ちたといわれる日本語組版についてタテ組とヨコ組、書籍と雑誌などの分野に分け、美しいレイアウトの骨格である文字の扱いの基本を中心に講義が行われた。
講師の大西哲彦氏
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プリンティングコーディネータ養成講座では、今後デジタル印刷や特殊印刷のディレクション、顧客視点のソリューションなどを総合的に学んでいき、社内での推進役として活躍いただく人材を育成する。
・全体を見通す力こそが自分と会社を支えていく(受講者アンケート結果紹介)
・プリンティングコーディネーターという社内チャンピオン
・「電子メディアのディレクション」 2010年11月11日(木) 13:30-17:30
印刷メディアとの関係の深いデジタルメディア(Web、PDF)を中心に印刷との連携、企画のポイント、制作工程、メディアの特性、効果などをグループディスカッション、プレゼンを交えて解説。
・「顧客視点のソリューションとは」 2010年11月12日(金) 14:00-16:00
大きく様変わりするマスメディアの全体動向と、それに伴うクロスメディアの考え方を中心に解説。