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JAGAT大会の特別講演では、企業が長期的に利益を生み出すために必要なこととは何かを「公益資本主義」をキーワードにうかがう。【JAGAT大会・特集1】
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本来、資本主義は見えざる手で社会の公益が図られる構造であった。しかし見えざる手の力には限界があり、資源の不公平な分配、情報の非対称はますます拡大し社会を歪めている。金融資本主義の破綻は20世紀型社会の限界を象徴した出来事であった。
先進国地域ではどこも社会の成熟化が進み、成長が難しくなる。それを市場万能主義、株主至上主義で突破しようとしたことで金融バブルを起こし、環境破壊を加速し、格差を助長した。結果として、市場における信頼関係は崩壊した。
JAGAT大会2010で特別講演をお願いしているデビッド・ブルナー氏はこれからの経済のありかたを議論する出発点を、持続可能性、公平性、改良改善性の3点を挙げている。自由市場を基本にゼロサムではなくプラスサムに向かうには、共産主義・社会主義でもなく、市場万能、株主至上の資本主義でもない「公益資本主義」であるという。
公益とは時代や国や地域によっても違う。公益の意味はそれぞれのコミュニティーが決めていくことになる。そのためには良質な制度が不可欠であると考えている。日本企業、日本社会は21世紀の公益資本主義のお手本になるべきだという。
東京財団での事前打合せの様子。当日は、中小企業を中心とした日本企業に贈る未来へ向けたメッセージとして、なぜ、このような考え方が生まれたのかをうかがう。
アメリカ型資本主義は、ゼロ・サム・ビジネスが中心になりつつあります。そこからの脱却をはかり、プラス・サムの発想で長期的な利益を確保するにはどうしたらよいのか考えます。そして公益とはなにか? 持続可能性・公平性・改良改善性を実現する新しい企業経営の姿をさぐる。
日時:2010年6月15日(火) 13:30-19:00
会場:東京コンファレンスセンター・品川
参加費:18,000円(消費税込)