本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
2010年6月15日(火)、東京コンファレンスセンター・品川にて会員大会である「JAGAT大会2010」が開催された。今回は昨年度よりも多い約180名の方にご参加いただいた。
【特別講演】
特別講演では、「21世紀の資本主義社会に向けて~ゼロ・サム・ゲームからの脱皮」と題してデビッド・ブルナー氏にお話いただいた。氏は情報技術や日本の経営などの観点から組織知能を研究している経済学者で、本講演では印刷業界をはじめとした日本企業に贈る未来へ向けたメッセージとして、公益資本主義という概念が生まれた背景や企業が長期的に利益を生み出すために必要なこととは何かをお話いただいた。
「ポスト産業資本主義」としての「公益資本主義」のビジョン、21世紀の社会にふさわしい経営の姿として、持続可能性、公平性、改良改善性を実現する新しい企業経営について語っていただいた。また松下幸之助や近江商人の例を挙げ、日本にはもともと「公益」の精神が根づいていることを解説しプラス・サムの新たな経営指標が必要であるとした。
【ご報告】
印刷メディアが世の中の役に立っている好例として、医療関連における、胆道閉鎖症チェック用カラーカードを独立行政法人成育医療センター病院長の松井陽先生にお話いただいた。新型カラーカードは、最新のカラーマネジメント技術を駆使するだけでなく、分光色再現技術を採用し、最高水準のテクニックで制作している。印刷業界ならではの色再現の安定した品質はさまざまな分野でも応用が可能であろう。
【マーケティング分科会】
また、今年はクロスメディア、マーケティングの2つの分科会形式でディスカッションをおこない、各テーマについて識者より意見をうかがった。マーケティング分科会では、「売れない時代にものを売る」手法として、注目される「バリュープロポジション」(顧客に提供する製品、サービス価値の供与のために、自社の存在価値や独自性を顧客に伝え価値を高める手法)について講演・ディスカッションが行われた。
【クロスメディア分科会】
クロスメディア分科会は、モデレーターの佐々木雅志氏よりビジネスモデルが変化している実情にどのように対応していかなくてはならないか、問いかけがあった。インフォバーンの小林弘人氏より、「誰でもメディア」時代における潤沢化=コモディティ化の徹底活用、もしくは稀少なものを見出していく必要性について語っていただいた。
【懇親会】
JAGAT大会2010での講演テキストは、下記よりダウンロードいただけます。
※2010年6月15日(火)~7月14日(水)までは参加者限定での公開となりますので、ご利用いただくには当日会場にてお知らせしたパスワードが必要になります。