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JAGAT会員対象の「印刷産業経営力調査」から、新技術/サービス/システムの導入状況、今後の導入意向についての結果を紹介する。
JAGATが毎年、会員企業を対象に実施している「印刷産業経営力調査」の2009年度の調査結果から新技術/サービス/システムの導入状況、今後の導入意向についての結果を紹介する。回答企業数は158社である。
図1は現在導入が多い順に並べたものである。第1位はカラーマネジメントシステムで67.1%(前年58.4%)、第2位が高精細印刷で46.2%(同41.0%)、第3位がバリアブルデータ印刷で37.3%(同37.3%)であった。ここまでの順位は昨年と全く同じである。以下ユニバーサルデザインとリモートプルーフが20.9%、XML自動組版が17.7%となっている。昨年から大きく率を上げたのは、カラーマネジメントシステム(8.7%増)、高精細印刷(5.2%増)とリモートプルーフ(5.4%増)である。リモートプルーフの普及はWeb活用の進展と高度化の表れであろう。一方で、広色域印刷は今年度は16.5%で前年の20.5%から4ポイント下がっている。昨今の枚葉印刷機の多胴化の進展とともに値を伸ばしてきた項目であるが、曲がり角にきているようだ。
(図1はクリックすると拡大されます。)
また、導入した結果の満足度について、A:大変満足、B:やや満足、C:普通、D:やや不満、E:非常に不満の5段階評価で回答してもらい、A:5点、B:2点、C:0点、D:-2点、E:-5点という重みづけで点数換算して満足度を算出している。導入率が10%を超えているもので、平均満足度が最も高いのが高精細印刷(0.77点)で、続いてXML自動組版(0.36点)、バリアブルデータ印刷(0.31点)となっている。
逆に満足度が最も低いのがJDF対応MISで-1.25ポイントとなっている。
図2は今後3年以内に導入を予定しているとの回答が多い順に並べたものである。第1位はWeb to Printで17.7%である。昨年に引き続いてトップであり、数字も伸びている(前年は14.9%)。第2位は今年度からの新規項目であるカーボンフットプリントで15.2%であった。 現在導入していると回答した企業は0.6%に過ぎないが、これから急速に普及が進むことが予測される。第3位がJDFワークフローで10.1%であり、昨年(8.7%)から若干、数字を伸ばしている。
図3は今後とも導入予定なしとの回答を多い順に並べたものである。第1位がCG制作(15.8%)で、第2位がJDF対応MISとフォトブックが並んで14.6%となっている。次いでJDFワークフロー(12.7%)となっている。
全体としてWeb to Printやリモートプルーフなど得意先を巻き込んだネットワーク活用に積極的な姿勢が窺える。また、カーボンフットプリントへの関心の高さが目立つ結果となった。
なお、2009年度の「印刷産業経営力調査」の詳細結果については、こちらの報告書をご参照ください。