本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
景気もメディア環境も不透明感がいっぱいで、将来を見通すことが難しい。「先が見えない」とする印刷会社経営者が多い。同業他社との競合、インターネットなど他メディアとの競合。競合回避の戦略、選ばれるための差別化が重要な時代だ。
■茨城:商業
景気回復が感じられない反面、お客様のニーズ(品質・品種・販促方法など)は高まっています。それに応えられる提案力・ワンストップサービスの提供力が必要になっていると感じます。
■東京:出版
比較的プリプレスのほうが動いています。プレスは印刷通販とも競合していると感じます。近くの製本会社が廃業しました。厳しい時代ですね。
■石川:総合
官公庁の売り上げ低迷と価格低下のためか、一般企業への新規訪問(他社テリトリーの)が増えている。価格と企画の両手段で攻略か。
■長野:出版
どこへ行っても“電子書籍”の話題で持ちきりです。出版を本業としている我が社にとってみると、先が見えないだけに不安な日々です。
■長野:総合
景気の状況が悪くなっているので、印刷以外の仕事も含めて仕事をトータルに考えていくことにしている。新しい仕事に向けて開発等、研究中。
■大阪:商業
最近、各地の話題が少なくなりましたね。おそらく、皆さん良い話がなくて、書くことに困っているのでしょう。
■兵庫:商業
相変わらず、官公入札は値下がりが止まらない。
■広島:商業
「紙媒体市場はあきらかに減少している」という現実が身にしみて分かる時代になった。だが、ワンストップサービスやネットビジネスでは紙の縮小を補うことができない現実もある。ローカルでは市場規模が違う。そう考えると紙媒体縮小は紙媒体で補うことが第一だろう。
■山口:商業
先が見えない状況です。
印刷会社経営の状況
売上高と受注件数前年比は3カ月連続でマイナス幅が縮小していたが、4月は4カ月ぶりにマイナス幅が拡大した。地域別では首都圏、業種・業態別では出版の下げ幅が大きいようだ。
従業員規模別では300人以上が3カ月連続でプラスだが、これは昨年同期の大きな落ち込みの反動増と見られる。
売上高前年比が受注件数前年比を3ポイント前後下回るギャップが続いている。受注は戻っても価格が戻らない状況を示唆していると思われ、印刷物受注獲得の難しさがうかがわれる。一方、用紙仕入額の伸びは3カ月連続で売上高の伸びを下回った。
印刷会社経営者の四半期景況感
5月は、3~5月期の12~2月期と比べた景気の状況・業界の状況・経営の状況について調査した。
DIはいずれもマイナス幅が大幅に縮小し、さらに悪化が進んでいるとの見方は減ってきた。好転したとの見方も数は多くないが散見される。
ただし、ギリシャのソブリンリスク顕在化によって欧州経済の失速懸念が浮上、景気が2番底を試す可能性が高まった。日本経済へも波及しつつあり、印刷業界も今後の予断を許さない。 (藤井建人)