本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
複数の提出物において、作品および制作指示書が、他人の提出物をそのままコピー、または若干の手直しのみで出力し、提出したと思われる場合、該当する全提出物を不正コピーとみなします。
コピーかどうかの判断はJAGATにおける採点段階か、合否判定委員会において行ないます。
不正コピーの判断基準は次の通りです。
色を変えていたり、書体を変えただけ のものなどを含みます。
一部のパーツを入れ替えただけのもの、「レイアウト」ではなく「パーツの位置」を変えただけのものなどを含みます。
なお、制作指示書については、企業や学校の方針で統一する場合もあるので、制作指示書のフォーマットだけが同じ場合はそれだけで不合格にすることはありません。しかし複数の人が自前のデータを作成せず、他人のデータをコピーペーストしたものと判断した場合は、大きなマイナスまたは不合格になります。
また、これらの判断基準はあくまでも原則であり、実際の判断は現物を比較検討し、作品としてのレベルなども考慮して判断します。不正コピーと判断したものに関する問い合わせには一切応じません。
不正コピーと判断した提出物は、すべて採点不能とみなして0点とし、不合格にします。だれがだれのものをコピーしたかなどは一切考慮しません。ご理解いただきたいのは、不正コピーの場合は、そのひとの能力が判断できないことから採点不能のため不合格ということです。
企業または学校で課題制作を指導する場合、「制作指示書」「作品」とも、ある程度類似したものになることは問題ありません。 ただし、不正コピーを避けるため以下の点にご注意をお願いします。
「制作指示書」の仕様や書式が同じというだけでは不正コピーとはみなしません。ただし、「作品」が不正コピーの疑いがある場合、「制作指示書」の類似度は最終判断に大きな影響をおよぼします。
例えば、座標値でパーツの配置を示している「制作指示書」では、その数値を変えただけでは、ほとんどの場合、不正コピーとみなします。
他人のデータを流用してレイアウトが同一のものは、例えば図版の位置を多少ずらしたり、平網の色を変えたり、写真を入れ替えたり、書体を変えたりなど、多少手を加えていても、すべて不正コピーと判断します。
パーツの流用は原則として認めません。本文組の仕様がそっくり同じだったり、タイトルのデザインや地図の加工が全く同じ場合などは不正コピーと判断します。
不正コピーを防ぐいちばんの対策は、当然ながら各人にそれぞれ作らせることです。
制作環境や制作方法が同じ場合、「制作指示書」の仕様は書式が同じものになるのはかまいません。ただし、その場合は、座標値による配置指示ではなく、レイアウト図によって配置を示すような書式にしてください。
各人がどんな表現にするかの仕上りイメージ設計を最初にしっかり作らせるようにしましょう。
不正コピーのほとんどは、事実上、レイアウトしたデータをそのままデジタルコピーして手を加えているものです。データのコピーをしないよう指導していただければ不正コピーのほとんどはなくなります。
ここ数期、過去の試験のデータを使用している作品が目立つようになりました。課題A・Bで配布するデータは一見同じように見えても毎回変更を加えており、採点者には使われたデータがいつのものであるかわかるようになっています。つまり、過去に受験した人の作品の不正コピー等を防ぐための一つの要素となっているのです。練習用に過去データを使用するのはかまいませんが、試験の課題として提出の際は、作品・制作指示書ともに必ず試験当日に案内される該当期用のデータを使って、「課題制作の手引き」の要件(これも毎回変えています)に従って制作しないと、不合格となるのでご注意ください。(「課題制作の手引き」に明記しています)
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