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9月29日から10月1日にかけ、東京都中央・城北職業能力開発センターで第41回技能五輪国際大会(ロンドン大会)/オフセット印刷職種の国内最終選考会が行われた。出場したのは第一次選考会を通過した6名。最高得点者は2011年10月のロンドン大会の日本代表選手候補になる。
亜細亜印刷(株)の伊東真規子さん(21歳)が日本代表候補になった。
競技時間は各人3時間。考課項目は(1)品質、(2)速さ、(3)コスト、(4)その他(清掃・安全性)から構成されている。基本は通常の民間印刷会社における印刷製品生産と変わらない。ただし採点競技であり、過去の出場関係者によると、人に見られながら進める戦いなので精神面での強さも求められるという。
競技では技術だけでなく精神力やトラブル対応の判断など総合力が求められる。
髪が機械に巻き込まれる事故を防ぐためネットをかぶっている。
前々回、2007年の日本開催(沼津大会)では、凸版印刷の鈴木康弘選手が6位入賞を果たした。2009年のカルガリー大会では、凸版印刷の菊池憲明選手が金メダルに輝いた。2007年から正式種目になった印刷職種で日本選手は上位に食い込み、日本の印刷のものづくりの定評の高さを裏付けてくれた。
第41回技能五輪国際大会/ロンドン大会は2011年10月4日~9日に開催される。
今回、日本代表の座を手にしたのは亜細亜印刷(株) の伊東真規子さん。同社は従業員数75名と決して大会社とは言えないが、日本代表レベルのオペレータを育成することに成功した。技能五輪の出場資格は22歳以下なので高校卒業から予選会までの期間は短く、即戦力的な育成手法を求められる面がある。
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■伊東真規子選手と一問一答
Q.予選会へ向けてはどのような練習をしましたか。
A.3日前から本番と同じ機械で練習しました。日々の印刷製品づくりでの経験が生きたと思います。
Q.予選会で苦戦したのはどのようなところですか。
A.(インキ)濃度がなかなか安定しませんでした。気持ちを落ち着かせようとしました。
Q.練習と本番を通じて得たものは何ですか。
A.初めての社外の同世代の人たちとの比較で、精神的な面でもよい経験になりました。
Q.結果を知ってどう思いましたか。
A. まさか自分になるとは思いもしませんでした。周りの人たち、育ててくれた人たちに感謝です。
Q.本大会への抱負は。
A.日々の感謝の気持ちを忘れずに、日々の喜んでもらえる印刷製品づくりこそが準備になると思います。
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おめでとう、伊東真規子さん。本大会での活躍を楽しみにしています。みんな応援しています。
(JAGAT 日本印刷技術協会 研究調査部 藤井建人)