本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
地域の印刷会社は地域を知り尽くしているので、知り尽くしているからこその印刷物を作れる。過去から実に様々なクライアントの要請に応じ、多種多彩な印刷物やWEB制作に携わってきたノウハウの蓄積がある。何かを伝えたくなったら、印刷会社に相談してみよう。高知県の印刷会社2社と青年会の取り組み事例から。
まだ残暑の残る9月中旬、高知に足を運んだ。地域に根ざし、地域とともに歩む印刷会社があった。部数限定のデジタル印刷フリーマガジン、観光客視点での観光マップ、ペーパークラフトショップの出店など。印刷会社ならではの展開で顧客企業や観光客、そして地域住民の役に立つ独創性ある取り組みをしている。
■フリーマガジン
フリーマガジン『CREAM』は100部限定。A5判、16ページ。2010年4月創刊。紙質もよく、写真の撮り方も美しく、食べ物はおいしそうに、ギターは重厚に、店内は暖かく表現している。とても楽しい凝ったつくり。コンセプトは「高知のおいしいお店とお酒、音楽、 車を楽しむためのMINI情報誌」。
デジタル印刷とは思えない?再現性の高さ、みずみずしさ。
趣味のギターも見事な質感。和食とギターという異質が調和して共存する誌面構成。
■観光マップ
片面が『高知のうまいもの』紹介で、片面が『高知市中心街便利ガイドブック』。高知県印刷工業組合青年会が制作して無料配布したところ、追加配布依頼が相次ぐ大好評だった。印刷会社は数々の印刷物を作ったノウハウがあり、地図やガイドブック作成はお手の物。ユニバーサルデザインで誰にもわかりやすく。
高知に来てくれた人には「高知の本当のおいしいものを食べて帰ってほしい」。
なんと中心街の地図から「JR高知駅」を外してしまった。(本当は右上枠外に)
「地図というのは、あれもこれも、なんでも入れようとするから小さくなってわかりにくくなるんです」
重点エリアが拡大し、とてもわかりやすいと大好評に。地元の印刷会社の視点だからこそ。
■ペーパークラフトショップ
会社の近くの通り沿いにペーパークラフトの店『PAPER MASSAGE』をオープン。年末年始以外はフル営業。店内は領収書からクラフトまで、魅力ある紙製品でいっぱい。「一枚から作れるペーパーアイテムのお店」。出店に関しては社内で反対意見もあったというが、現在は2号店も出店できた。
会社の近くにペーパークラフトショップ第一号店を出店。
店内は明るく、きれいな紙の宝箱。
紙のぬくもりと楽しさでいっぱい。
坂本龍馬だけではない高知を探しに。
時間ができたらぜひどうぞ。