印刷関連市場、資材統計から見る景況(8月)
掲載日: 2008年12月23日
「JAGAT info」2008年12月号より、市場動向と仕事の状況
市場動向
8月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△7.8%であった。書籍は△6.8%、雑誌が△8.4%。かなり大幅なマイナスだが、稼働日が2日少なかったためで実勢はこれほどではないという。書籍の販売部数は△2.8%で販売金額との差が大きいが、売れ筋が相変わらず廉価本に集中しているからである。雑誌は書籍と逆に価格上昇によって販売部数前年比が販売金額のそれを下回っており、8月の月刊誌の前年比は△11.5%、週刊誌は△10.5%と2桁のマイナスになっている。
8月の広告業売り上げ前年比は△5.0%、6ヶ月連続の前年割れである。5月以降、4ヶ月連続で5%以上のマイナスになった。8月は、テレビが±0%の前年並みになったものの、新聞が△18.6%、雑誌が△15.5%の大幅な前年割れで、マス4媒体全体では△5.7%になった。新聞は5ヶ月連続の2桁マイナス。SP関係では7月に前年割れになったSP/PR/催事企画が、8月は5.5%増と回復した。交通広告、折込・ダイレクトメール、屋外広告はマイナスのままでインターネットは15.9%増である。
仕事の状況
8月の一般インキの出荷販売量前年比は△8.0 %であった。7月までは4ヶ月連続で前年を上回ったが、8月は過去に例を見ない大幅な前年割れになった。主力の平版インキの△12.4%という大きな落ち込みが最大の要因である。それは、平版カラー印刷市場の70%を占めるオフ輪市場で、チラシ、フリーペーパーが前年割れになったからである。シェア第2位のグラビアインキも△4.8%、樹脂凸版インキも△7.1%と大幅な前年割れになった。金属印刷インキのみ3.5%増と健闘している。
8月の印刷・情報用紙出荷販売量前年比は△4.3%減であった。相変わらず強い斑模様が見られるが、全体としては7月に比べて大きく落ち込んだ。非塗工紙全体は△9.2%である。中級紙(△22.5%)、下級紙(△14.7%)の大きな落ち込みが利いている。7月にプラスだった上級印刷紙も △1.4%であった。微塗工紙は12.4%増と13ヶ月連続で前年を上回ったが、塗工紙はアート紙(△6.5%)、コート紙(△7.7%)、軽量コート紙(△1.6%)のいずれも前年割れで、全体として△5.4%になった。
(「JAGAT info」2008年12月号)