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印刷会社の経営を考えるうえで、印刷物の生産や市場を考えるうえで、海外はどのように捉えるべきだろうか。海外と取引のある印刷会社は、実際、海外との関係をどのようにつくっていったのか。チャンスはふとしたきっかけだったりする。
A印刷社は、中国の道端で偶然出会った人からアジアでの印刷ネットワークができていったという。
B印刷社は、外国人研修生を受け入れたことから海外展開が具体的な選択肢に加わったという。
■きっかけは様々だが
中小印刷会社の海外展開はそれほど早急に進むものではないようだ。
品質基準とチェック体制の確立、カルチャーギャップの共有、人脈社会とのつながりなど、
一定の助走期間を経て、試行錯誤を重ね、ノウハウを蓄積しながら進んでいくケースが多い。
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■安く、成長性ある海外印刷市場を求めて
国内印刷市場の成長を見込むことは難しいが、海外の印刷市場に進出することも簡単ではない。印刷製品は受注生産であり、製品を作り上げるのに顧客と印刷会社の間で相当なコミュニケーションが必要だ。しかし異国間ではまず言語が異なるし、色の認識も違うし、どのレベルを完成品と見るかの価値判断も違う。
■海外生産に欠かせないカルチャーギャップの克服
コミュニケーションを主要因とするカルチャーギャップが大きく立ちはだかっている。印刷物をアジアで作れば安くなるのは当然だが、コミュニケーションコストや品質基準の見解相違によるやり直しのコストを含めると、結局は日本で作る場合と大差なくなる。リスクに応じたコストメリットを得られない場合が多いのである。
■海外との本格取引を始めるまでに獲得すべきもの
つまり、海外との印刷取引がうまい印刷会社は、こうした異文化コミュニケーションや品質管理、交渉力に関するノウハウを持っている。撤退や失敗もあるなか、うまくいっている印刷会社は、どのようなノウハウを持ち、これらノウハウをどうやって獲得したのか。人脈やネットワーク、パートナーづくりはどう進めたのか。
■中国・韓国・タイ、印刷取引に精通する各氏からノウハウを聞く
PAGE2011のカンファレンス『印刷会社の海外利活用のポイント』 では、アジア諸国との印刷取引に精通する印刷会社経営者2人を招き、海外利活用のメリットやポイント、経験談を通じた事例を聞く。また、ディスカッションを通じて印刷会社の海外展開の可能性を探る。
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PAGE2011カンファレンス 印刷マーケティングトラック
2011年2月2日(水)15:15~17:15
印刷会社の海外利活用のポイント ~中国・韓国・タイ、印刷取引の事例から~
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