本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
被災地では印刷物生産が困難になり、通信も途絶したため、被災者が大変な苦労で避難所を回って掲示板で安否を確認する様子がテレビで繰り返し報道されていた。印刷インフラの復旧車・用紙物流関係車を災害緊急車輌指定するなどし、印刷工場の復旧を急ぎ、被災地を情報流通の面からも正常化支援する必要が高まっている。
大震災の被災地の皆様、そして影響を受けられた皆様、心よりお見舞い申し上げます。そして被災地以外にも物流・輸送の影響・懸念、そして計画停電の影響が広がっています。しかし多くの印刷会社が困難への対応を模索し始めています。そして被災地の印刷会社・印刷関連会社の1日も早い復興を願い、応援したい!、協力したい!と激励の声を寄せています。そんな各社の取り組みと激励から。がんばろう日本の印刷業界!
1.宮城県 総合印刷 Y社
■自社の状況
工場の一部破損はありましたが、大きな問題はありません。設備は一部損傷があり、重量印刷機はズレが大きく、メーカーの復旧部隊の到着待ちです。本日、やっと通電しましたので、作業はこれからです。沿岸部の印刷会社は現在も連絡が取れませんので心配しています。未だに県工組の被害全容が判明しません。
■今後の対応
東北と宮城県の印刷物流通の一刻も早い回復のため、物流の確保、ガソリンの手配に向けて、県や市に理解と協力を求めていきます。
■困っていること、あると嬉しい支援
ガソリンが手に入りません。印刷機の復旧のメドが立ちません。ガソリンと印刷用紙を望んでいます。
2.山形県 包装印刷 S社
■自社の状況
建物と印刷機械等は問題なし。製版、モニター1台、CTP1台が故障しました。現在は復旧し全機稼動可能状況です。問題は材料・資材の調達とガソリン不足、一番は物流関係ですね。
■今後の対応
材料、資材、燃料の調達と客先納品をスムーズにいかせる対応に取り組みます。
■被災地の印刷・印刷関連会社へのメッセージ
復旧目指してがんばりましょう。
3.石川県 総合印刷 I社
■自社の状況
現時点で直接の影響はありませんが、機材の入荷や原材料の到着、出荷物の遅延などが若干あります。今後は資材間接費等の高騰が予想されます。
■今後の対応
現状では顕著な動きがないため、何をどうするかの対応策はあくまで予想ですが、需要の変化に備えた資金手当が必要になると思います。
■被災地の印刷・印刷関連会社へのメッセージ
4年前に震災を経験しました。(1)直ちに出る障害、故障、損害と、(2)時間の経過に伴って現出してくる被害、があることに留意しておくことが必要と思います。当県工組の組合員企業が他県工組の組合員企業から活字を譲り受けたことがありました。
4.愛知県 総合印刷 P社
■自社の状況
幸いにも弊社は被害はありませんが、東京の拠点については計画停電や鉄道の関係から出勤困難者もおり、制作者は自宅勤務で業務対応しています。
■今後の対応
岐阜県・愛知県下においてはキャンセルも一部ありますが、チラシの本数減もあり、徹底したムダ・ムラ・ムリの排除や固定費の削減活動をスタート。今後、紙の安定供給が困難な事態の場合は、第2段階の対策を打ってリスクをミニマムにする計画です。
■被災地の印刷・印刷関連会社へのメッセージ
大変な事態に直面している皆さん、心からお見舞い申し上げます。
5.岐阜県 総合印刷 K社
■自社の状況
本社は問題なし。東京支店の通勤、営業車のガソリンに不自由しています。計画停電は対象地域外です。茨城営業所はガスと水道が止まっています。ガソリン不足のため、営業活動はメールのみです。
■今後の対応
義援金を集めて寄付します。納期遅延も考えられるので、なるべく顧客に迷惑のかからない方法を考えています。被災地に何ができるのか、行動あるのみ。
■被災地の印刷・印刷関連会社へのメッセージ
生き抜くこと、頑張って下さい。供給できるものはできる限り供給していきます。復興に向けて、何らかのご協力ができればと思います。
「東北関東大地震・お見舞いと情報提供、被災地へのメッセージアンケート」より
(1)自社の状況と(2)今後の対応、そして(3)被災された印刷会社・印刷関連会社へのメッセージ
(JAGAT 日本印刷技術協会)