本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
顧客のプロモーション支援に事業特化しているシー・レップは、グループ企業との連携を通じて、集客・認知・販売促進に関する各種プロモーション、メディア制作を含むサービスをワンストップで提供している。 【JAGAT大会・特集4】
変わり続けることが成功の要因
実家の製本業を継ぐつもりで、大学卒業後印刷会社に就職した北田浩之社長は、CIブームの時代に制作プロダクションに転職し、企業ロゴや事業戦略、企業理念を数多く手掛けた。「印刷は顧客の目的を達成する一つの手段」と実感して、1990年に28歳でホーナンドーを創業した。
創業からの15年間は「企画デザインによる付加価値創造と社内一貫生産体制による低コスト・短納期で差別化を図る高収益印刷会社」として、「選ばれる存在」を目指した。しかし、顧客の目的は自社の商品・サービスを販売することで、印刷物を作ることではない。そこで、次の5年は「販売促進に必要なツール&媒体の提案と制作をとおして、顧客の目的を達成するための最適な手段・方法をコーディネートする総合SPカンパニー」を目指すこととした。
2007年に現社名に社名変更し、印刷部門をホーナンドーとして会社分割し、社長の座は社員に譲った。社名変更は「もう一歩先へ、今のビジネスをもっと劇的に変えるスタンスに立てないか」という同社の姿勢の表れでもある。
提案型課題解決を実践
2010年5月に創業20年を迎えるが、現在のテーマとして、まず「成長している他業界企業に学ぶこと」を挙げた。インターネットを経営の仕組みに取り入れている企業、コスト・リーダーシップにより廉価販売でも利益の出せる経営体質になった企業、マーケット・セグメントによりターゲット業界・販売マーケットを絞り込み、そこでNo.1になった、あるいは特徴あるサービスを提供している企業、などである。
次に「セールスからサービスへの転換」を挙げた。セールスの価値基準はQCDだが、サービスの価値基準は専門性で、それによって得意先から選ばれる存在になる。業績だけの評価ではなく、ミッション(事業目的)評価を大切にすることで、「だれに(ターゲット)、何を(商品)、どのように(マーケティング)提供するか」という顧客の視点に立った発想に転換される。
「商談がスムーズになる名刺」から、「パチンコ店でのマグロ解体ショー」や「モデルハウスでの移動動物園」まで、どんな依頼でもワンストップでこたえられる専門力と総合力が同社の最大の強みだ。営業とプランナーのコンビによる提案型課題解決を実践し、「常に変化し続ける」企業文化が、新たな発想と行動を生み続けている。
※この記事は『JAGATinfo』2010年2月号掲載の経営者インタビューの要約です。掲載記事全文はPDFをご覧ください。
インタビュー時点では、社名変更に込めた意味と新たな事業戦略を伺いました。その後も自社の変化を積極的にリードする北田社長は、業界特化事業部制を2011年6月の新年度より導入することを決めています。
「JAGAT大会2011」マーケティング分科会のスピーカーとして、北田社長には印刷業界で起こっている変化や、「セールスからサービスへ」「専門性」などをキーワードとするマーケティング戦略に関してお話いただきます。
■関連イベント
「JAGAT大会2011 印刷新創業宣言~高い志と本物の勇気」
2011年06月15日(水)東京コンファレンスセンター・品川
マーケティング分科会「変革時代のマーケティング戦略」では、印刷・メディア産業において圧倒的に勝ち残るために必要なマーケティング戦略、 売れない時代にモノを売る手法、顧客視点に立つということなどをディスカッションを通して考えていきます。