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2010年における折込チラシ、フリーペーパーなどのプロモーション広告費は、3年連続で減少したものの、2ケタ減少から大きく回復していた。2011年も回復傾向にあったが、3月11日の東日本大震災を機に状況は一変した。
「2010年の日本の広告費」を見ると、印刷業界と密接に関わるプロモーションメディア広告費(DM、折込、フリーペーパーなど)は対前年比4.4%減の2兆2147億円、「DM」や「折込広告」も減少幅が小さくなり、印刷メディア需要減は短期的な下げ止まり感がでていた。しかし、東日本大震災の影響で状況が激変した。
首都圏折込チラシは、震災およびその被害に伴う紙やインクなどの供給減などの影響で出稿量が激減した(3月前年比△26.8%)。4月、5月と急回復するも、製紙・印刷業界における業績回復のけん引役として関係性の深い折込チラシの落込みは、印刷業界にも波及している。
しかし、折込業界では新しいサービスも始まっている。博報堂DYメディアパートナーズでは、2011年10月1日から新聞未購読家庭にチラシを配達する会員制マーケティングメディア事業「とどくる」を開始する。朝刊と同時間帯の配布で、折込チラシが持つターゲットのセグメント性、即効性を損なうことなく実施できるのだという。
また、凸版印刷が運営し、2011年8月に10周年を迎える電子チラシポータルサイト「shufoo!」では、従来の折込の良さにネットならではの特長を加えた、「電子オリコミサービス」を開発した。このように、顧客ニーズや市場環境に応じた新しい手法が生まれているのだ。
東日本大震災を経て、さらなる企業努力が求められている今、折込チラシやフリーペーパーなど印刷メディアを取り巻く業界の動向を捉え、顧客や市場ニーズの変化を把握することが、今後、顧客とやり取りをし要望に応えていく上で極めて重要になってくる。
2011年7月29日(金)14:00-16:40
変化する 折込、フリーペーパー、社内・広報誌の最新事情
インターネット広告費の大幅伸張や、複数メディアでの展開、また経費削減などの影響でコミュニティペーパーを巡る環境は激変している。最新動向や今後の可能性、東日本大震災後の状況とは。