本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
JAGAT月刊誌「プリバリ印」の取材のため名古屋にある株式会社東海共同印刷に伺い、人材育成のポイントをお聞きした。
2011年6月、梅雨の小雨のなか名古屋駅で新幹線を降り、JRと市営地下鉄を乗り継ぎ約30分弱で会社に到着した。
今回の取材は、「印刷会社の人材育成」をテーマにしたものであり、とくに東海共同印刷さんは、人を大切に思い、新入社員教育をはじめ、セミナーや研修など、人材育成に注力していることからお声をかけさせていただいたものである。
東海共同印刷さんのビジネスの特徴、人材育成に対する考え方を取締役製造本部長 古田氏にお聞きした。
弊社は、情報メディアを通じて社会の進歩と豊かな市民社会の実現に寄与することを理念に掲げています。お客様には、一般企業はもちろん社会的な運動に携わっている団体さんも多く、そうしたお客様の事業や運動に共感できる、心が寄せられる感性を持ち、お客様の事業や運動に貢献する形で業務を遂行できる能力を併せ持った人材を求めています。
人材育成についても、そうした点を踏まえ、教育・研修に努めています。新入社員は、入社後まず中小企業同友会主催の「新入社員共育研修会」に参加させます。そこでは、他の中小企業さんの新入社員の皆さんと働くことの意義、社会人としてのマナー、コミュニケーションの基礎をワークショップ形式で学びます。5月の連休後、JAGAT「印刷営業20日間ゼミ 」に参加させ、基礎的な印刷工程から見積計算や顧客ニーズをつかむコンセプトワークの方法までをしっかり学んでもらいます。
こうした教育、研修を社内で実施するには相当なエネルギーを要しますから、短期間に系統的に学ぶことができる前述の研修プログラムを大いに活用しています。
6月には、各自の配属が決まり、OJT中心になりますが、それまでの教育、研修、とくに「20日間ゼミ」のおかげで、それぞれがスムーズに仕事の現場に入っています。
弊社の場合、QMS(品質マネジメントシステム)との関連で、社員各自の力量評価を実施し、社内研修を軸にそれぞれの教育訓練計画を立てるようにしています。また、お客様の事業や運動を理解するために、お客様に弊社にお越しいただき、現状の取り組みや今後の展開などについてお話しいただくこともあります。そのほか、業態変革やクロスメディアに関する学習会、著名人を招いた講演会なども実施しています。
経済的に厳しい状況ですが、5年後、10年後を見据えた時、どうしてもよい人材が必要です。そのためにはやはり優れた教育・研修が不可欠でしょう。幸い弊社には優秀な社員が入ってくれていますので、5年後、10年後を非常に楽しみにしています。
以上のようにお話しいただいた。ここでは一部しかご紹介できませんが…。
また今回、取材にご協力いただいた本部長をはじめ、先輩社員2名、新入社員3名は、たいへん前向きで明るさがあり、こちらも元気をもらった格好になった、
取材中にも話が及んだが、新入社員がこの会社を選んだ大きな理由の一つに、「風通しのよい自由な社風が魅力であった」との声が皆さんから聞くことができた。確かに、今回実際にお邪魔してその社風を感じることができた。人材への投資について、費用対効果を数値で表すことは容易ではないが、この会社の社員ならきっと投資分をまかない、お釣りがくると予感した。
※詳細は、「プリバリ印」 2011年7月号をご覧ください。
(教育サポート部 大沢 昭博
このメールアドレスはスパムボットから保護されています。観覧するにはJavaScriptを有効にして下さい
)