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新聞無購読層の増加や到達率の低下など、折込チラシが抱える課題はいくつかある。最近では、その課題を解決するため新しいサービスが生まれている。
折込チラシが抱える構造的な課題を解決するため、博報堂DY「とどくる」や埼玉県所沢市の新聞販売店が協力して立ち上げた「i-PACK」、凸版印刷「Shufoo!電子オリコミサービス」など、新サービスが生まれている。今回は、電子チラシを使って折込チラシの課題解決に取り組む「Shufoo!電子オリコミサービス」を紹介する。
凸版印刷が運営する「Shufoo!」は、20-50代の女性を中心に利用され、2011年7月時点で大手流通各社や地域主力スーパー約550法人、約65,000店舗が参加する日本最大級の電子チラシポータルサイトだ。この「Shufoo!」で9月から始まるのが、成果連動型電子チラシ配信モデル「Shufoo!電子オリコミサービス」である。
「Shufoo!電子オリコミサービス」は、情報の到達率を上げる「電子チラシお届けサービス」、ユーザーの来店を促進する「みるとく~ポンサービス」、詳細な効果測定ができる「Shufoo!GISレポート」の3つのサービスから構成され、折込チラシが抱える課題を解決していくという。
「電子チラシお届けサービス」は、商圏内のユーザーに向けて電子チラシを一括で配信できるサービスで、PCやテレビ、iPad、スマートフォンなどマルチデバイスに対応している。 Web上にある自分専用ポストに毎日自動配信で電子チラシが届くシステムだ。新聞無購読層世帯や、折込エリア外への配信もできるようになる。
「みるとく~ポンサービス」は、サービス参加店の電子チラシを閲覧したユーザーに対して、当日限り有効なクーポンを発行し、店舗への来店を促すサービスである。チラシに記載されているQRコードを店舗の発券機にかざしてクーポンを取得し、会計時に使用する。クーポン取得者の来店率は約8割と、非常に効果が高い。
「Shufoo!GISレポート」は、店舗商圏ごとの閲覧ユーザーの分布・ユーザー属性を可視化し、詳細な効果測定を提供するサービスだ。レポートを見ながらターゲットをセグメントし、折込チラシやメールを使ったより効果的な販促活動が可能になった。
料金体系では、「チラシPV」という新しい指標を設け、実際にユーザが閲覧したPV数に応じて課金する(1PVにつき10円)新しい成果連動型のシステムを導入した。5分以内の重複アカウントや広告主のHPに掲載されているShufoo!チラシのPV数も排除するなど、合理的な費用で販促活動ができるようになる。
その他にもいくつかの企業と提携を結び、相互活性化による新市場の創出を目指すという。「届けて・見せて・動かす」をコンセプトにした「Shufoo!電子オリコミサービス」は、インターネットとリアルを連動し、効果的で効率的な最適コミュニケーションを実現し、電子折込チラシの新しい価値を創造していくだろう。