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第41回技能五輪国際大会開会式のようす
第41回技能五輪国際大会の印刷競技は10月5日~8日の4日間に渡り行われた。昨年国内予選を勝ち抜き日本代表になった伊東真規子選手(亜細亜印刷、長野市 従業員数75名)が世界大会でも見事に金メダルを獲得した。同大会は22歳以下が技を競う2年に1度の技能の祭典。日本は39職種に44選手を派遣、前回カルガリー大会の金メダル6個を大幅に上回る11個の金メダルを獲得 し、日本のものづくりの底力を見せた。
伊東真規子選手の競技風景
印刷職種には、フランス・スイス・スウェーデン・アメリカ・ドイツ・香港・ベルギー・フィンランド・日本・デンマーク・カナダの11カ国が出場。4日間に 渡り、印刷・調色・オンデマンド印刷機操作・断裁・メンテナンス・ローラーセッティング・濃度測定・印刷シミュレータ"SHOTS"の計11課題について 600点満点で技を競った。金メダルが日本(542点)、銀メダルがフィンランド(531点)、銅メダルがベルギー(527点)だった。
エキスパート(国際審判員)の大塚成二さん。エキスパートは出場国から1職種1名選抜される
自国選手は採点できない
競技日程は初日がオンデマンド印刷機操作と断裁、"SHOTS"(1)、メンテナンス。2日目は印刷(1)、調色、"SHOTS"(2)。3日目が印 刷(2)、"SHOTS"(3)。4日目がローラーセッティングとインキ濃度測定。4日間の長丁場で総合力を試される。また、こうした競技では人に見 られ、比較されるという、工場とは違ったプレッシャーもあり、特にトラブル対応の判断などではメンタル面の強さも必要とされる。
日の丸を掲げる伊藤真規子選手。2位フィンランドの選手も女性だった
WORLD SKILLS 公式Webサイトより
日本代表の印刷チームは、選手が伊東真規子さん、エキスパートが会社では伊東さんの上司の大塚成二さん、そして通訳の3名から構成した。大会前には強化委員会を設置、前回大会出場のエキスパートや大会での採用印刷機メーカーなどが本番に向けた練習に快く協力した。前回は大企業の凸版印刷から金メダリストを輩出、今回は長野の中小企業から金メダリストを輩出、日本の印刷の水準の高さを証明してくれた。
おめでとう、伊東真規子さん、大塚成二さん。そして亜細亜印刷の皆さん、関わった多くの関係者の皆さん。
(JAGAT 日本印刷技術協会 研究調査部 藤井建人)
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