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Google Analyticsは無償ながら非常に高機能なツールであり、アクセス解析の最初の一歩として活用をはじめること有効であろう。
ただし、アクセス解析は、サイト改善の一つのツールであるが、全てではない。サイトの目的と、評価数字を設定し、ただ眺めるだけではなく取り組むことが必要である。
まずアクセス解析とは何かということだが、計数的評価軸を持ち、仮説検証・分析によりサイトの改善活動を行い、企業に利益をもたらす一つの手がかりである、ということになる。
何らかの数字的な基準に則って計測され、それは仮説検証や分析に活用される。企業は利益活動を行っているので、それらの検証や施策は利益に繋がっているはずである。アクセス解析ツールから一つの手がかりは得られるが、それを活用してどのように施策を改善していくかの試行錯誤は当然、それぞれが考えることとなる。
アクセス解析の仕組みについて大きくわけて2種類ある。一方は「サーバ・ログ型」、他方は「ウェブ・ビーコン型」である。ブラウジングなどの基本動作の流れは、利用者がブラウザからコンテンツのリクエストを出し、Webサーバがコンテンツを返し、ブラウザ側で描画する。その際に、サーバ側で溜まったログを解析するパターンと、利用者側でのJavascriptやimgタグなど計測タグを埋め込むことで利用状況を計測するパターンとにわかれる。
サーバ側集計の特徴としては、ブラウザのキャッシュを閲覧した場合には計測されない(ブラウザの「戻る」ボタンなど)こと、検索エンジンのロボットなどのアクセスも計測できること、サーバ・エラーの情報も取得できることなどがある。かたや利用者側集計の特徴は逆であり、ブラウザ・キャッシュ閲覧も計測できるが、検索エンジンのロボットによるアクセスは計測できない、サーバ・エラーなどの情報も取得できないなどの特徴がある。Google Analyticsは後者のビーコン型である。
すぐやるべき改善について2つの項目がある。一つは「直帰率の改善」。もう一つは「コンバージョンプロセスの改善」である。
直帰率の改善とは、サイト訪問者が目的にあわないコンテンツが表示された場合に離脱してしまうことを防ぐ施策がある。例えば別のコンテンツや関連リンクのナビゲーションを用意するなどである。なぜ直帰率が重要となるかというと、通常のサイトでは直帰が最も多い閲覧パターンだからである。これを改善することで、滞在時間なども改善が見込める。
コンバージョンプロセスの改善とは、例えば申込ページなどが複数ステップで構成されるサイトの場合、どこに離脱が多いかを見極めることである。Google Analyticsでも目標設定をすることで段階的にどこで離脱しているか可視化できる(Google Analyticsがデータを計測できるようにプログラムに手を加える必要はある)。
Google Analyticsであっても、高機能なゆえ何百もの分析メニューがある。しかし、実際普段使うのは10個ほどに絞れる。まずはサイトの目的、ビジネスのゴールを設定し、そのために継続した観測を行う。参照元の変化や直帰率などを見て、ユーザが何を求めてサイトに訪れているかを考え、PDCAをまわしていく。そのためのツールがアクセス解析ということである。
(Jagat infoより)