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印刷会社経営の状況:7月の売上高は4.4%減。地域別には北海道・東北・関東で二桁近いマイナスが続く。依然として首都圏以北における印刷需要の回復が特に遅れているようだ。
4月以降、売上高はおおむね△3~△5%台で推移し続けている。2月までは±0前後で推移していたので、現時点で震災後4カ月の推移からみると、地域差はあるが震災の印刷売上高への影響度は平均△3~△5%である。
受注件数は5.1%減。震災後最大の減少となった。景気は7月まで徐々に持ち直しの機運が見られたが、印刷需要への波及が遅れている。7月は特に首都圏、甲信越静で受注が大きく減少した。
景気は9月以降に本格化する復興需要に伴い上向いていくとの見方が大勢だった。しかし、世界経済の減速懸念と各国政府の財政リスクの高まりが、景気全般の先行きに影を落とし始めている。
資材料の仕入額は、2カ月連続で用紙・インキとも売上高の減少以上に減っている。過度の需給不安は解消したようだ。
■茨城:商業
北関東道の全線開通で、人・物・金の動きが活発になることを期待していたが、2011.3.11の地震で一変した。高速道路無料通行措置の目的外利用ばかりがニュースとしてクローズアップされてしまった。
■長野:総合
競争で優位に立つために、一人ひとりが個々の力を集結し、利益を生み出す生産管理を充実させる。加工高比率50%以上を達成するための改善策を実施する。購買費の削減・効率化を目指し、原価管理の継続などに取り組みます。
■長野:出版
地元の状況はさらに悪くなり、大規模な早期退職者を募るニュースが地方紙で取り上げられています。ここでしっかりふんばる力が試されています。
■兵庫:総合
市場の印刷需要は“真綿で首が絞まっていく”感があり。
■兵庫:商業
①震災復興需要を予想していましたが、今のところ全くありません。GW明け→梅雨明け→盆明けと大幅に遅れているのでは?
②各業界で国際競争力が取沙汰される中、紙・印刷業界の国際競争力とはどのような項目で評価されるのでしょうか?
■広島:商業
かつて、仕事量が少ない2月と8月を「ニッパチ」と呼んでいた。2000年以降は「ニッパチ」の谷が埋まり、コンスタントに仕事量が確保できる環境になっていた。しかしリーマンショク以降は広告宣伝費が各社で圧縮される方向に向かい、また「ニッパチ」が蘇った気がする。こういう時こそ顧客に必要とされるパートナーとしての素質を高め、顧客の懐に飛び込むことだ。行動すれば道は必ず開ける。
■福岡:商業
官公庁自治体案件での安値入札の横行は留まるところがない。正常化に向けた業界気運の高まりを期待したい。
(研究調査部 藤井建人)