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JAGAT教育サポート部では、印刷会社の人材育成セミナー「わが社の人材育成」を実施し、総務人事ご担当者や経営者の方々にお集まりいただいた。
JAGAT教育サポート部では、12月5日(月)午後3時から5時半まで、印刷会社の人材育成セミナー「わが社の人材育成」を実施し、総務人事ご担当者や経営者の方々26名にお集まりいただいた。
当日は、第一部に水上印刷株式会社総務部課長江見つくる氏を、第二部に株式会社きかんし総務部総務課課長山口淳一氏をお迎えし、それぞれ40分ずつ自社の人材育成についてお話しいただいた。
■第一部
まず、水上印刷株式会社の江見氏は、「ひとづくりコンセプト」として、組織の基本方針について語られた。同社では競争に勝ち残るための差別化の根源として、「設備」より「ヒト」、「ものつくり」から「サービスつくり」を掲げている。社員が自立的、自発的に動く社風を重視し、「気づいたらまず実行!」、"No Try No Success"が合言葉だ。採用では、企業活性化の原点として継続的な新卒採用活動を続け、徹底的採用ワークフローのもとに、全社をあげて「仲間さがし」に取り組んでいる。教育訓練では、年間計画、実施・報告、効果確認、フィードバックのPDCAを回しながら、年間200回以上の社員研修を実施している。また、「印刷のプロ」を目指すべく、DTPエキスパート、プロモーショナルマーケター、オフセット印刷技能士などの資格取得を社員に奨励している。
■第二部
株式会社きかんしの山口氏は、「人財育成」と「共育」として、一人ひとりの意識変革づくりについてお話しいただいた。同社では2005年に教育チームを発足し、業界や社会の変化に柔軟に対応し、前進する組織づくりのために、「学ぶ風土」を醸成してきた。2007年以降は、さらに教育・研修委員会を強化し、各部門から教育委員を選出し、全社的に必要な教育・研修計画を作成・実施している。具体的には社内にDTPやクロスメディア研究会をつくり、テーマ別に担当部門中心に社内学習会を行っている。また、2010年には27資格を3ランクに分け、資格取得者に奨励金を出し、社員50%(累計)以上の資格取得者を目指している(ECO検定、DTPエキスパート、クロスメディアエキスパート、webデザイナー検定2級ほか)。その他、他部門3日間体験研修(制作部門は営業部、総務、営業部は制作部門を体験)、教育・研修委員会ニュースの定期発行(外部研修・社内研修の研修報告掲載、各部門の教育実践紹介)等のユニークな活動を実践している。
■質疑応答
セミナー最後の30分では、江見氏、山口氏両氏への質疑応答の時間を設け、参加者から、研修時間のとり方、社員の参画意識、資格奨励金制度、総務担当者として教育にかける時間と体制等について、具体的な質問が出された。当日の参加者のフィードバックとして、水上印刷株式会社様については、動画やキャリアパスシートなどのツールを効果的に使用したわかりやすい説明としっかりとした研修体制が勉強になったこと、株式会社きかんし様については、苦労しながら段階を追って教育制度づくりを進めている点が参考になったとの声が寄せられた。
JAGAT教育サポート部では、今後も会員企業の皆様の社員教育(取り組みや活動)について語る場/聴く場を設けていきたいと思います。自薦・他薦を含めさまざまなご意見を下記メールアドレスまでいただければ幸いです。