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初期教育は重要ですが、現場任せになっていませんか。

掲載日: 2012年03月15日

間もなく新年度スタートの時期を迎えます。新人社員の初期教育や早期戦力化への準備を見直してみませんか。

日本経済は、少し円安に振れやっと日経平均が終値で1万円を超えた。しかし、いまだ低迷を続けており印刷業界の落ち込みも大きく、個々の企業にとって決してよい環境とは言えない状況のもと、間もなく新年度を迎える。

■初期教育は重要だが現場任せになっている

新入社員は、入社の少し前まで学生であり、社会人いわゆるビジネスの社会がどのようなものか分からない。したがって企業は、入社前の内定者教育や入社直後の新入社員教育を行い、社会人としてのさまざまな知識を教えていく。企業にとって、新入社員教育は社会人第一歩の大切なプロセスであり、社員教育に対する優先度は高くなる傾向にある。

新入社員教育の内容は、主に以下のものがある。
  ・社会人への意識改革(社会人としての心構え)
  ・ビジネスマナー(基本動作)
  ・自社の基本知識(我が社、業界を知る)
  ・コミュニケーション(仕事の潤滑油)

企業は、新入社員教育をできるだけ社内で実施しようと考える傾向がある。しかし、多くの企業では、最初の研修期間は短時間で済ませ、あとの教育は現場任せになりがちである。したがって、新入社員教育は、配属後の環境や配属先の管理者の能力、力量によって大きく変わってくる。

また、社内教育担当の時間が割けない、外部の人の話を聞かせたい、外部のプログラムを受けさせたい等の理由から一部の教育を外部に依頼するケースも少なくない。外部の研修先は、教育機関だけではなく、取引先や系列のメーカー、コンサルタント会社などがある。さらに、現在のように新入社員が少ない場合、公開セミナーを利用するケースも目立つようになった。

■新入社員の育て方

新入社員にとって大切な教育には、社会人としての心構えをはじめ、自社を知ること、ビジネスマナー、コミュニケーション、業界の基本技術等がある。しかし、一番大切なことは、自ら企業を選び入社してきた新入社員に対し、その選ばれた企業が一番重視するものを徹底的に教育することである。たとえば、それは品質第一や顧客を大切に思う気持ちなど、企業によって特色がある。

誰でも新人のときがあったはずだ。そのとき、期待と不安で胸がふくらみ、緊張感のなか高い意欲とモチベーションを持っている。当然、頭の回転もよく、多くのことを吸収できる。したがって、多少困難な目標でも達成する人も多いはずだ。

社会人にとって、大切なスタート時期に考えたことや得られた感覚は、その後の人生に大きく影響する。したがって、この時期に得られた意識は、企業業績をも左右するかもしれない。社会人スタートとしての大切な研修を今一度見直してみてはいかがでしょうか。

(教育サポート部 大沢昭博)

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