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ソーシャルメディアはもはや新語ではない。日本の社会に根付き、消費者も企業もその有効活用を考えている。さらに、マスメディアを補完する役割も果たしている。【JAGAT大会・特集2】
『ソーシャルメディア白書2012』が翔泳社から2月25日に発刊された。一般消費者1万人超、大手・上場企業400社の調査規模のデータ集で、付属CD-ROMには同書掲載の図版334点も収録されている。「今後、ソーシャルコマース、ソーシャルCRM、ソーシャルゲームなど、さらにソーシャルメディアは存在感を増していくなか、本当に使えるデータを網羅する」ことを目指してまとめられたものだ。
同書の「日本のソーシャルメディアの歴史」年表は、1999年の2ちゃんねる、発言小町、クックパッド、アットコスメなどの電子掲示板の開設から始まる。そして、「2005年のブログブーム、2006年のmixiブーム、2007年のセカンドライフブーム、2008年のバイラルビデオブーム、2010年のTwitterブーム、2011年のFacebookブームと、ほぼ1年単位で新たなマーケティング手法やプラットフォームが注目されてきた。一過性のブームと捉えられていたクチコミやCGM(Consumer Generated Media:消費者が生成するメディアやコンテンツの総称)も、本格的なソーシャルウェブ時代の到来を迎え、日本企業も『取り組むか、取り組まないか』から『いかに取り組むか』に完全に移行したといえる」としている。
デジタルコンテンツ協会が2011年9月に発刊した『デジタルコンテンツ白書2011』では、「ソーシャルメディアとコンテンツ」を特集として取り上げている。また、2012年1月発刊の電通総研『情報メディア白書2012』でもスマート化、ソーシャル化の動向を「新しいメディアの潮流」として検証している。
ソーシャルメディアの定義は定かではないが、橋本大也氏はJAGAT刊『印刷白書2011』の「クラウド×ソーシャル時代の新ビジネスモデル考」において、以下のように説明している。
「ソーシャル」とは、ユーザー同士がインタラクションをすることで形成される「ソーシャルメディア」(ブログやTwitterやYouTubeが代表例)と、デジタル化された人間関係である「ソーシャルネットワーク」(Facebookやmixi、GREEが代表例)を意味する。ユーザーは「ソーシャル」を使って、自ら情報を発信し、対話し、信頼できる情報を選別するようになった。そして信頼できる人と人のつながりは、コラボレーションのためのインフラとして機能を始めている。
上記の「ソーシャル」は広義のソーシャルメディアを意味するものと定義できるが、いずれにしても「ユーザー間のコミュニケーション」がキーワードになる。
『印刷白書2011 』では、特集「震災とメディア」において、ソーシャルメディアが果たした役割や既存メディアとの関係性、印刷会社が復興に向けて果たすべき役割などを取り上げた。被災から約半年の時点で、あまりにも大きなテーマではあるが、避けて通ることができないテーマと考えたからである。
この4月に公益社団法人として再スタートするにあたって、このテーマをきちんと取り上げていくこと、メディアの役割について情報発信を続けることがJAGATの使命の一つでもあると考えている。そこで、6月開催の「JAGAT大会」、9月刊行予定の『印刷白書2012』では、「公益性の追求」と「企業の継続進化」をテーマとする予定である。
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■関連イベント「JAGAT大会2012 」
2012年6月22日(金)東京コンファレンスセンター・品川にて開催決定!
第1部 特別講演「企業価値を高めるリーダーのあり方(仮)」には、
事業再生のプロ 冨山和彦氏を招聘!
第2部 クロスメディア分科会では、橋本大也氏をモデレーターに、
印刷会社だからこそ行うべきクロスメディア戦略とは何か、
ビジネスモデル展開のヒントになる事例を交えてお話いただきます。
どうぞご期待ください。