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2010年の印刷産業の市場規模は2.3%減の6.2兆円となった。品目別の産出事業所数ではオフセット印刷物が最も多く、東京、大阪、愛知に多いが、全国的にも上位を占めている。
「平成22年(2010年)工業統計表 産業編」が4月13日に公表された。速報版では6兆円割れと伝えられた4人以上事業所の出荷額は6兆446億円(前年比2.1%減)と6兆円台をキープし、全事業所の出荷額は6兆1761億円(同2.3%減)となった。
事業所数は3万を割ったが、製造業24分類では5番目の多さとなった。そのうち3人以下の事業所は1万5265で半数以上を占めることから、従業者数は33万人で11番目、出荷額は18番目となった。
「産業編」は、日本標準産業分類に基づいて、各事業所を製造活動によって産業格付けし、産業別に集計したものである。一方、「品目編」は各事業所の製造品・加工品を品目別に集計したもので、品目別事業所数は産業格付けとは関係なく、当該品目を生産した全ての事業所が集計されている。
「平成22年工業統計表 品目編」(従業者4人以上の事業所)から、品目別の産出事業所数をみると、「オフセット印刷物(紙に対するもの)」が8277と最も多く、次いで「その他の製缶板金製品」が4301、「その他の製造食料品」が3321、「生コンクリート」が2927で、上位4品目は前年と同じとなっている。
都道府県別にみると、「オフセット印刷物(紙に対するもの)」は東京、大阪、愛知の3都府県合計で産出事業所数の3割強を占め、「その他の製缶板金製品」は愛知、大阪、神奈川の3府県で同3割弱を占めている。
品目別の出荷金額をみると、「普通乗用車」「ガソリン」などの自動車関連の品目や「医薬品製剤」などが上位を占めているが、「オフセット印刷物(紙に対するもの)」も3兆4915億円で7位(前年は6位)となった。
出荷金額を前年と比較すると、1785品目のうち、増加した品目数は956品目、横ばいが1品目、減少した品目数は828品目となった。「オフセット印刷物(紙に対するもの)」は5.1%減で、「鉄骨」「モジュール実装基板」に次いで、減少額では3番目となった。
都道府県別に産出事業所数の多い品目を見ると、第1位品目では「オフセット印刷物(紙に対するもの)」が27都府県と最も多く、次いで「板類」が4県、「和風めん」が3県、「自動車用プラスチック製品」「陶磁器製和飲食器」「その他の製缶板金製品」が各2県となっている。「オフセット印刷物(紙に対するもの)」は、第2位品目では9道県、第3位品目では4県と、40都道府県で上位3位を占め、印刷物が全国津々浦々で生産されていることを裏付ける結果となっている。
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