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1月の売上高は0.5%減。12月の0.7%増に続き、2カ月連続±ゼロ前後で推移、印刷会社の売上高は比較的、安定して推移してきた。特に首都圏は11カ月ぶりに2カ月連続のプラスとなった。
要因として、復興需要が周辺に波及し始めたこと、政府の景気刺激策の効果が広がっていること、震災後の極端な自粛ムードで使われなかったままの販促費予算が年度末に向けて消化され始めていることなどが考えられる。
業種別・業態別には、都市部に多い商業印刷が2カ月連続のプラスとなった。一方で地方に多い総合印刷は依然として低調に推移し続けており、都市部の好況はまだ地方に波及していない様子がうかがわれる。
受注件数は△2.5%と3カ月ぶりのマイナスになった。用紙仕入額は2カ月連続のプラスと、中長期的な上昇傾向が続いている。
●茨城:商業
4月からの電気料金値上げが決まり、残念。節電への目立つ効果を求めるには、少なからず経費も掛かるので、今後の対策が悩ましい。
●富山:総合
雪国のためか1月は冬眠中である。立春は過ぎたが、周りは雪で真っ白、春が待ち遠しい。自然も仕事においても。
●長野:出版
業界の大手がなりふりかまわず安値で仕事を奪っている。資本力では太刀打ちできず、技術力・人間力で競争している。
●岐阜:総合
政府が試験的に行っているリバースオークションで「印刷物が前年に比べ1/3や1/2になり、歳出制限が期待できる」との新聞記事を見た。このような制度が導入されたらますますダンピングに拍車がかかり、負のスパイラルが加速する。絶対やめさせるべきである。
●岐阜:その他
全体の売上高は減少しているが、PODの売上高は増えている。地方にいても印刷のデジタル化を感じる。
●愛知:商業
昨年来から学参物の受注が多く、稼働率が上がっている。このままの状況で年度末を迎えたいが、とくに官公庁関係が減りそうだ。
●大阪:商業
3月の決算を前にして、少し忙しくなってきています。昨年末の輪転稼動状況は、数年来の台数減少で満杯状態でした。この3月も同様な状況が予想されます。
●兵庫:商業
年度末納品の官公庁入札がたくさんあるが、全て激烈に安い。用紙の在庫がかなりあるようだ。値上げしなければよかったのに。この結果は見えていたことだ。
●広島:商業
第3四半期営業損益は予想以上に改善した。1月の社内生産量は前年を相当上回った。それなのに平成23年度収支が明確に見通せないのは何故だろうか。顧客情報を的確に把握し、先を見通せる人がいれば気分が楽になるのになあ。
(研究調査部 藤井建人)