本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
「JAGAT大会2012」を6月22日(金)、東京コンファレンスセンター・品川で開催した。公益社団法人としてのJAGATを初めて会員企業の皆様に披露する場となった。【JAGAT大会・特集11】
【JAGATからのご挨拶】
新会長の塚田司郎はdrupa会場で配られた『Disrupting the Future(未来を破壊する)』を投影しながら、デジタルメディアの浸食が印刷産業に与えた影響を紹介した。その後、新専務の相馬謙一が、印刷業界概況を解説した。
【特別講演】
「企業価値を高めるリーダーのあり方」と題して冨山和彦氏にお話いただいた。欧米経済の現状は、日本経済のいつか来た道である。日本は世界における課題先進国であり、高齢化社会、電力問題、政府のガバナンス構造などの危機の顕在化はチャンスでもあるという刺激的な現状分析で、企業が何をすべきかを示した。
時間いっぱい、盛りだくさんの内容の講演となったが、参加者からは「経営レベル、現場レベル双方に焦点が当てられていて参考になった」「リーダーとしての資質を鍛えていきたい」などの感想が寄せられて、志ある経営者の皆様に勇気をもらっていただけたようだ。
【マーケティング分科会】
2年前に品川に会場を移して以来、単なる講演会ではなく、クロスメディア、マーケティングの2つの分科会で成功事例を紹介できるように努めている。
マーケティング分科会「価値創造のマーケティングを考える」では、モデレーターの郷好文氏が伊藤バインダリーのドローイングパッドを使った手書きの講演資料を用意してくれた。二人のスピーカーの実体験や問題意識を引き出すことで、参加者の皆さんに少しでもヒントになればとの考えから「メモシート」も配られた。もう一人のスピーカー山口誉夫氏は他業種とのコラボレーションで培ったプレゼン力を発揮し、印刷業界への愛ある提言を行った。
【クロスメディア分科会】
クロスメディア分科会「電子販促・電子出版時代のビジネスを考える」では、モデレーターの橋本大也氏が新しい個性的な書店の事例を紹介し、電子出版制作・流通協議会の池田敬二氏は武雄市の電子図書館構想も含めた電子書籍流通の現状を紹介した。次いで、読売新聞東京本社の小野寺昭雄氏が、電子書籍制作と電子書店「本よみうり堂デジタル」の開設・運営の苦労を語ると、一気に電子書籍ビジネスが身近なものに感じられた。
【懇親パーティー】
懇親パーティーは前回までのレストラン会場ではなく、講演会と同じフロアのガラス張りのスペースで行われた。「講演者ともお話ができてよかった」「お客さんにお会いして色々話ができてよかったです」「品川ビールを今後もお願いします」などの声が寄せられたことから、皆さんの懇親の場として役立ったことに関係者一同とても感謝している。
----関連情報---------
JAGAT大会の講演内容は、機関誌『JAGAT info 』8月号特集記事で紹介します。分科会は9月号で報告予定です。
また、クロスメディア分科会のモデレーター橋本大也氏は、JAGAT刊『印刷白書2011 』の「クラウド×ソーシャル時代の新ビジネスモデル考」において、(1)キュレーション・メディア、(2)シェア・コラボ消費、(3)オープンガバメントを3つの有望なビジネスモデルのキーワードとして挙げ、(3)の事例として武雄市がWebサイトを閉鎖してFacebookに完全移行したことを紹介しています。