最新事例から知るスマートフォンのAR(拡張現実)活用【開催報告】
掲載日: 2012年09月25日
※クロスメディア研究会限定
2012年9月24日に開催したクロスメディア研究会セミナー「最新事例から知るスマートフォンのAR(拡張現実)活用」ではARの現状と今後について、各ソリューション提供事業者からプレゼンいただいた。ARの場合は動画での紹介やリアルタイムデモが多いため、テキストで汎用性の高いところを抜粋してご紹介する。
ナレッジワークス
【ARのテクノロジーとプラットフォームを図式化】

【ARのスマートフォン向けツール】


【ARの導入を成功させる7つのポイント】
- 目的が明確?(集客、売上向上、業務支援)
- AR技術を使用する必然性はある?/利用者のためになる?
- 実施日や実施場所は明確に伝わっている?(適切な期間?)
- ターゲットユーザーに対してコンテンツの内容は適切?
- ターゲットユーザーはそのアプリを簡単に操作できる?
- 一回きりのキャンペーンではなく継続的利用を
- ASP型ARと開発依頼型ARを目的によって使い分ける
サイバネットシステム
【サイバネットがメタイオを選んだ理由】
- SDKが明確に存在していた。開発速度向上が見込まれた。ランタイムアプリという概念も存在していた。
- Windows版だけでなく、Webビューアやスマートフォンに対応していた
- 豊富な事例
- 画像認識技術、トラッキング(合成)技術が優れていた
- 金額が明確
- 経営者にAR普及の情熱があったこと
【Junaio(ジュナイオ)とは】
- スマートフォン用、無償ARブラウザ
- iPhone,Androidデバイス向けのAR環境
- 位置検知サービス(GPSとコンパスを使用)
- 画像検知サービス(画像認識、トラッキング機能を使用)
【まとめ】
- ARの有用性は、多様な情報があふれる社会において益々高まる。
- ARは、産業、印刷、販促、観光などですでに実績を持っている。
- ARは、ビジュアル検索機能とトラッキング機能を持っている。メタイオは、抱負なトラッキング技術を提供している。矩形マーカーだけでなく、イメージ、3Dオブジェクト、任意の特徴点を抽出するエクステンショントラッカー、人の顔を認識するフェイストラッカーなど
- この機能を街全体の情報プラットフォームにすれば、知的生産性は増大する。観光、印刷業、コンテンツ制作業の活性化になる。
- サイバネットは、観光、印刷業、コンテンツ制作業の高付加価値化を産学連携、企業連携で貢献していく
- メタイオは、ARの開発基盤やアプリ、コンテンツの普及を世界的に行っている
コンセプト
AR技術の表現形態は進化している。技術が専門分化していく過程にて、どう利用するかが重要になってきた。
- GPS/ジャイロセンサー等を利用した「センサー型」
- 認識対象に枠を設けて利用する「マーカー型」
- 認識対象の誤検出を防ぐためにIDを付与する「ID型」
- 自然画像そのものを認識する「マーカーレス型」
- マーカーレス型の中でも顔認識に特化した「顔認識型」
- マーカーレス型をリアルタイムで実現する「SLAM型」
- その他にも「立体認識型」や「風景認識型」も
【AR技術の利用シーンと課題】
- 広告、プロモーションにおけるクロスメディア利用
- ゲーム、放送等のサービスへのインプリメント利用
- B2B,B2C問わずシミュレーション利用
- 次世代としてのインターフェースとしての利用
いずれの場合においてもB2C展開をする場合、スマートフォンにて利用する場合は「アプリ化」する必要がある。アプリ化の過程においてはダウンロード促進方法を同時に考えなくてはならない。また容量やサーバとの通信を設計する必要がある。
KDDI
【ARが使われる領域】
- 店舗誘導
自分の周辺にあるモノの情報を効率的にエンドユーザーに知らせることで、店舗やサービスの利用を促す。
- 商品プロモーション
商品パッケージや印刷物へ付加価値を与え、購入者とのエンゲージメントを強化する。
- ゲーム
既存ゲームにAR要素を加えることで、AR体験自体の価値に対して収益化を狙う。
- 行動の省略
特定の商品を認識することで、その商品に関する情報を効率的に提供する。検索エンジンの省略など。
【ARを用いたプロモーションにあたり気をつけるべきこと】
- コンテンツの魅力
ARで表示するコンテンツに魅力があることは大前提。必ずしも有名キャラクターでなくてもよいが、エンドユーザーに「体験したい」と思わせるコンテンツであることが必要。ARを用いた体験が、エンドユーザーにどのようなメリットを与えることができるか。
- ARである必然性
その体験はARである必然性はあるか。映像を見せたいのであれば、ライブビューで見せる必然性はない。ゲームをさせるのも、必ずしもライブビュー上でプレイする必然性はない。ARは提供したい情報への入口のみに利用するという割り切りも必要か。
- ターゲットのリテラシー
ARは今現在は利用までの敷居が高い。まだ一般化しているとはいえない。アーリーアダプター中心か。また、専用アプリをダウンロードするまでのモチベーションが必要となる。