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INDD 2012 Tokyoという、InDesign に特化したイベントが開催された。【森裕司のデジタル未来塾(6)】
INDD 2012 Tokyo 開催される
7月20日(金)にINDD 2012 Tokyoという、InDesign に特化したイベントが開催された。InDesign のイベントといえば、2007年と2008年に行われたInDesign Conference、さらには2009年に行われたCreator’s Summitがあるが、これら過去のイベントと大きく異なるのは、ユーザーが主体となって行われたイベント、つまり営利目的のイベントではないということだ。イベントは、InDesign トラックと電子書籍トラックの2 本立てで、各6セッションずつの計12セッションが開催された。
実は、私もこのイベントにスピーカーの一人として参加させていただき、運営に関してもお手伝いする形で関わらせていただいたのだが、募集人数が500人、金額が9000 円(早割り有り)の平日開催だったこともあり、正直「本当に500人も集まるのだろうか?」という不安もあった。しかし、フタを開けてみればスタッフを含めて参加者は500人を優に超え、大変熱気のあるイベントとなった。InDesign 単体のイベントに、よくこれだけの人数が集まったものだと、本当にびっくりしたのと同時にとてもうれしかった。
ユーザー主体のイベントの意義
pege やIGASをはじめ、様々な組合や協会、販売会社等が開催するセミナーは数多い。私もpege の無料セミナーのコーナーをディレクションさせていただいたり、他にも様々なイベントで登壇させていただいている。ユーザーの方にとって、こういったセミナーで得る知識が非常に有益であることは間違いないが、組合員や顧客等、最初からある程度の集客が見込めるうえで開催するイベントとは異なり、INDD といったユーザー主体のイベントでの集客は、口コミやネット、および協賛企業のメーリングリスト等での宣伝のみだ。DTP関連で、よく知られた複数のサイトで告知していただいたということもあるが、それでも9000 円という価格で500人という数字は正直スゴイ!
また、実際に参加した方のアンケートによると、参加費を会社経費ではなく、個人で負担した方が3.4 割もいらっしゃったのにも驚いた。無料で開催されるセミナーが多く中、自腹で参加してくれた方がこんなにも大勢いらしたのだ。もちろん、セミナーの内容やスピーカーによって参加を検討した方が多いと思うが、それでも個人で9000円はけっこう高く感じるはず。そのためというわけではないかもしれないが、全てを聞き漏らすまいと、参加者の方も真剣にセミナーを聞いてくれていた。筆者は年間、けっこうな数のセミナーで登壇させていただいているが、ここまで参加者の熱気が伝わってくるようなセミナーはなかなかない。
私もスピーカーの一人として、参加させていただき、本当に素晴らしいイベントだったと感じた。
森 裕司[もり・ゆうじ]
名古屋で活動するフリーランスのデザイナー。
ウェブサイト「InDesignの勉強部屋」(http://study-room.info/id/ )や、名古屋で活動するDTP 関連のデザイナーやオペレーターなどを対象にスキルアップや交流を目的とした勉強会・懇親会を行う「DTPの勉強部屋」を主催。DTP やInDesign に関する著書も多数。アドビの『AdobeInDesign CS4 入門ガイドBack to Basic』の執筆も担当している。