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主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2008年9月、10月の景況報告。
9月、10月の書籍雑誌推定販売金額前年比はそれぞれ2.9%減、0.5%減であった。2008年通期での見通しは、1~10月までの水準(3.5%減)で落ち着くと見られている。書籍は、9月は1.7%減だったが10月は3.9%増になった。10月は、映像化された単行本、文庫本が売れたことや金融関連本の売れ行きが良かったことなどで伸びた。雑誌は9月が4.0%減、10月が3.8%減と依然不振が続いているが、既存誌の落ち込みとともに景気の影響も出てきたと見られる。
9月、10月の広告業売り上げ前年比は、それぞれ9.8%減、8.2%減であった。2008年3月から8カ月連続のマイナス成長だが、やはり9月、10月の落ち込みはそれまでに比べて明らかに大きい。マスコミ4媒体は、9月がテレビ、新聞、雑誌ともに2桁の前年割れで、新聞、雑誌は10月も同様の結果になっている。SP関係では、この2カ月、全分野で前年割れになった。10月の屋外広告の32.6%減は異常だ。インターネット広告も、10月は1.3%増と、やはり景気の影響を免れることはできなかった。
9月、10月の一般インキ出荷販売量前年比はそれぞれ2.4%減、2.6%減であった。中小一般印刷業に関連が深い平版インキは、8月の12.4%減から9月は3.2%減、10月は3.1%減と急激に出荷販売量が減少、景気の影響が見え始めた。1~7月は0.3%増と何とかプラスを維持していたが、上記3カ月のマイナスの影響で、1~10月の累計では1.7%減になった。10月は景気悪化の影響を受けて、グラビアインキ(1.8%減)、樹脂凸版インキ(5.6%減)、金属印刷インキ(0.5%減)のすべてが前年割れになった。
9月、10月の印刷・情報用紙出荷販売量前年比はそれぞれ5.9%減、10.6%減であった。非塗工紙では上級紙はかろうじてプラスだったが、塗工紙は各グレードとも8月から前年割れになり、特に10月はアート紙が23.7%減、コート紙が19.7%減、軽量コート紙が16.6%減という極端な減少になった。微塗工紙は7.5%増、3.9%増と伸びたが、それまでの5カ月は20%以上増の3カ月を含めて2桁成長で推移していた。10月はフォーム用紙、包装・紙器関係ともに前年割れである。
(JAGAT info 2009年2月号)