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経営者の仕事には、組織全体の運営と事業展開がある。さらに、重要かつ最大の仕事とも言える「後継者育成、ブレーン作り」がある。
厳しい経済環境になり、適切な企業判断が求められるようになった今、経営者にとって後継者を見る目、選ぶ目はこれまで以上に問われている。 また経営者は、いろいろな分野の知識が必要とされるが、他人から借りることができない「信念や強い思い」こそ、企業のビジョンを実現させるための原動力になる。
経営者や経営幹部の仕事は、組織運営や事業展開などの最終判断や責任を負うことなどがある。経営方法はもちろん、経営者のタイプは千差万別であり、過去の偉大なリーダーを見てもこれといって決まったタイプがあるわけではない。従って、企業の数だけそのタイプがあるとも言えるだろう。
経営者は、経営資源の3 要素、いわゆる人、物、金を適切に管理、コントロールしなければならない(この3 つに情報を加えることも多い)。これらの要素を管理するには、基本的に3 つの分野の能力が必要になる。それは、「経営戦略・マーケティング」「人事・組織」「会計・財務」の3分野である。簡単に言うと、「お客様に価値ある製品(印刷物)、サービスを提供すること」「社員の能力、士気を高めること」「数値管理により利益を確保すること」である。この3 つをバランス良く備えて経営しなければならない。例えば、「経営戦略・マーケティング」は優れているが、「会計・財務」はわからないということでは、経営者として失格である。また、「会計・財務」分野では管理会計だけではなく、損益計算書や貸借対照表など財務分析の知識も不可欠になる。
これらの知識は必要であるが、経営幹部にとって一番大切なものは、「強く熱い思い」ではないだろうか。強い思いがあるから企業にとって適切なビジョンを作り上げ、熱い思いがそのビジョンを実現させる力になるのである。厳しい時代に突入し、利益確保が困難になった今、特にその強い思いがないと企業の前進はあり得ない。
経営幹部にとって知識や技術は、もちろん備えていたほうがよいが、他人の力を借りることで対応できる。しかし、経営者としての信念や強い思いは他人から借りることはできない。だから重要な要素になるのである。
経営者としてのもう一つ重要な仕事として、後継者育成、ブレーン作りがある。しかし、後継者は一朝一夕に育つものではない。いくら現役の時に優秀な経営者であっても、その経営者が退くと同時に会社が傾き始めるのでは、経営者として全体を見た時に決して優秀とは言えないだろう。
右肩上がりの時代は終わり、判断を誤れば大企業でも経営が揺らぐ時代になった。経営者にとっては、人材を見る目、選ぶ目がこれまで以上に問われることになる。
(「JAGAT info」2010年2月号)>
JAGAT では約30 年にわたり、印刷会社の後継者および経営幹部候補生への研修講座を開講してきました。参加者は延べ560 人に達し、多数の経営者を輩出しています。研修では、日本各地から集まった参加者が企業間の違い、強み、弱みを本音で語り合い、仲間意識を高め、有益なパートナーが得られる場になっています。
「第27 期印刷後継者・経営幹部ゼミナール」は2010 年5 月開講予定です。詳細はWebサイト をご覧ください。お問い合わせは事務局(TEL 03-3384-3112)まで。
「第27期 印刷後継者・経営幹部ゼミナール 」
2010年05月14日(金)-2010年09月18日(土)