時代に即した営業力を身につけるために
掲載日: 2013年05月28日
ネットの進展で必ずしも対面営業が必要でなくなったからこそ、営業パーソンの役割は高まっている。
印刷業を取り巻く環境が大きく変わるなかで、印刷営業に求められるスキル、機能、組織体制、戦略もまた大きく変わりつつある。印刷ネット通販という営業パーソンを介さない受発注モデルが受け入れられつつあるなかで、営業パーソンがお客様に会うという、従来はごく当たり前の行為に意味や意義が求められつつある。お客様は必要性がないと会ってはくれないし、わざわざ会うからにはそれに見合った情報なり提案なりをもらえるだろうという期待感が増している。顧客接点である営業パーソンの言動は、会社全体の評価を左右するし、お客様の期待に応える質の高い対応をするためには、個人の営業力頼みではなく組織的な支援が求められる。
実はこれらのコメントは
(株)ビジネスコミュニケーション研究所(BCI.) の田中信一氏のほとんど受け売りなのであるが、田中氏とはこのような会話をしながら印刷営業向けの研修メニューを検討している。
ここで、田中氏に講師をお願いしている一連のセミナーを体系的に紹介したい。
現状認識
「“規模の経済性と設備の稼働率ビジネス”の終わりの始まり」
・これまでの印刷業は典型的な装置産業であり、装置を充実させ稼働率を高めることが成長のポイントであった。
・しかし、多様なメディアの出現、人口減少社会の到来、デジタルネットワークの普及など複合的、構造的な要因により印刷需要は着実に減少しつつある。
ではどうするか?
・まずは、日常の仕事の質を上げるとともに業務の効率を上げましょう。いままでと同じ仕事のやり方では新しい取組みはできません。
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仕事を120%こなすための「営業日常活動」 (基礎力強化)
・これからは「提案営業」です。ただし、やみくもな提案は独りよがりの押しつけ営業になりがちです。そこで、
・お客様が求めている提案とは何かを知る。
・お客様が話しを聞いてくれる人間関係をつくる。
・自社の得意分野をお客様メリットの視点でストーリー展開する。
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今日からできる「提案営業」の進め方
「提案営業」を成功させるための下地づくりを学びます。
・お客様にとって効果的な印刷物を効率的に制作するにはどうしたらよいか? 営業パーソンのコーディネーション能力が問われます。お客様の意図や狙いを印刷物の仕様設計に落とし込むための理論と具体的な手法をツールを使って学びます。
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実践ツールで学ぶ「制作コーディネーション講座」
ツール①:制作設計ツール
ツール②:ページネーションツール(物語づくり)
ツール③:イメージ具体化ツール(言葉づくり)
・個人営業から組織営業への転換
お客様からの要望が高度化するなかで、個人営業力の強化だけでなく組織的な対応が不可欠です。
その1.まずは営業リーダー自身が変わらなければなりません。プレーヤーとしての能力だけでなくマネジメント力(意識、知識、スキル)を身につける必要があります。
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営業リーダーに求められる「現場経営力」
その2.組織営業の体制づくりのための二つのマネジメント
① 内向きマネジメント(部下のモチベーションアップ、スキルアップ)
② 外向きマネジメント(戦略営業の立て方)
の二つを学びます。
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営業リーダーが進める「個人営業力の強化と組織営業体制」
セミナーの紹介とはいえ、ここで紹介させていただいた要素はいずれも重要なものばかりであり、営業力強化、営業組織の見直しの折りには意識していただければ幸いです。
(教育コンサルティング部 花房 賢)