本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
アニメやマンガ、コスプレやゲームなど、日本のオタクコンテンツの最新情報などを英語で世界に紹介し、日本人が開設したFacebookで初めて1000万の「いいね!」を集めた「Tokyo Otaku Mode」とは。
アニメやマンガ、コスプレやゲームなど、日本のオタクコンテンツの最新情報などを英語で世界に紹介し、Facebookでは1250万(6月5日現在))もの「いいね!」を集める「Tokyo Otaku Mode」。日本人が開設したFacebookページで初めて1000万人の「いいね!」を獲得、2011年3月のページ開設以来、日本のオタクカルチャーの収集・発信を続ける「Tokyo Otaku Mode」のファンは、95%以上が海外ユーザーであるという。
現在ではFacebookのほかに、登録ユーザーが自身を投稿できるUGC(ユーザー生成コンテンツ)サービスと、オタクイベントのレポートやサイト内で活躍するクリエイターの取材記事などを掲載するWebサイト「Tokyo Otaku Mode」も運営、スマートフォンアプリ「Otaku Camera」を提供し、ユーザーから高い支持を受けている。
Tokyo Otaku Mode社は、「Facebook」「Webサイト」「スマートフォンアプリ」の3メディアにそれぞれ異なった役割を与え、海外ユーザー獲得のために活用している。「Facebook」には、効率的に世界中のファンを集めるアクセラレーターの役割、「Webサイト」には、クリエイターの作品発表の場、世界中のオタク関連トラフィックを集約させる役割、そして「スマートフォンアプリ」は、アニメやマンガ世界中からライトなファンを獲得するという役割だ。
最近ではその実績が評価され、関連サービスとの提携やタイアップが増えている。例えば、2011年にインドネシア出店で東南アジア進出を果たし、今後も東南アジア各国への出店を計画するローソンは、2013年3月、Tokyo Otaku ModeのWebサイト内にスペシャルページを開設し、日本で実施したアニメなどとのコラボキャンペーンやオリジナルグッズを紹介しながら、海外での認知度アップを図っている。
4月には「アニメ!アニメ!」(イード)、「ねとらぼ」(アイティメディア)、「エキサイトアニメ」(エキサイト)など国内9社と、米国のエンターテインメントニュースサイト運営会社や台湾のゲーム総合サイト運営会社など海外の4社と提携した。5月には、MTVJapanが海外向けに運営するサイト「MTV81.com」とコンテンツの相互供給で提携すると発表している。今後も、情報・コンテンツをより充実させ、多くの海外ユーザーが日本のオタクカルチャー・コンテンツに触れる機会を増やしていく考えだ。
また、世界有数のゲームイベント「TOKYO GAME SHOW2013」との提携も発表した。イベント開催前からTMOが最新情報やお役立ち情報を英語で配信することで、海外ゲームファンへの認知拡大や来場の促進を行い、イベント期間中は、海外来場者満足度の向上のため、インフォメーションコーナーやラウンジの運営で協力していくという。
海外に向けたオタクコンテンツ提供サービスに特化して情報発信をしながら、多くのファンを獲得してきたTokyo Otaku Mode。印刷会社とは事業内容などは違えど、その戦略や実行スピードなど学ぶべきところは非常に大きい。今後、多くの海外ファンに向けどのようなサービスを提供しながらファンやクリエイターの登録を増やし、マネタイズに繋げていくのか。引き続き、注目して見ていきたい。
(JAGAT 研究調査部 小林織恵)