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「JAGAT印刷産業経営動向調査」より新技術、サービスの導入状況、満足度、導入意向を紹介する。
JAGATが毎年、会員企業を対象に実施している「印刷産業経営動向調査」の2011年度の調査結果から新技術/サービス/システムの導入状況、今後の導入意向についての結果を紹介する。本調査回答企業の平均従業員規模は115名、1社当たりの平均売上高は21億円であり、中堅クラスの印刷会社が中心である。
表1は現在導入が多い順に並べたものである。第1位はカラーマネジメントシステムで71.3%、第2位がバリアブルデータ印刷の56.4%、以下電子出版/電子カタログと高精細/高色域印刷が並んで45.7%となっている。
今年度調査から急速に進展するデジタルメディア関連の選択項目をいくつか追加している。電子出版/電子カタログの導入率は45.7%と過半数に迫りつつある。なお、昨年は電子書籍という選択肢で導入率は36.0%であった。電子販促、スマホ/タブレット対応アプリ制作、動画制作についても20%近くの導入率であり、積極的に対応が進められている。一方でWebToPrintは意外に普及が進んでいない。
導入した結果の満足度は、A:大変満足、B:やや満足、C:普通、D:やや不満、E:非常に不満の5段階評価で回答してもらい、A:5点、B:2点、C:0点、D:-2点、E:-5点という重みづけで点数換算して満足度を数値化している(表2)。
導入率が10%を超えているもので、平均満足度が高いのは高精細/高色域印刷(0.58点)、カラーマネジメント(0.50点)、バリアブルデータ印刷(0.40点)の順となっている。
一方で、デジタルメディア系の選択肢である電子販促の満足度が-0.39点、スマホ/タブレット対応アプリ制作が-0.53点、電子出版/電子カタログが-0.80点といずれも低い値となっている。導入はしたものの今はまだ我慢の時期といえそうだ。
【表3.今後3年以内に導入予定の高い順】
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表3は今後3年以内に導入を予定しているとの回答が多い順に並べたものである。第1位はWebToPrintの11.7%で4年連続のトップとなった。WebToPrintは導入意欲が高い割に普及が進んでいない。ビジネスモデルの構築が難しいようだ。メディアユニバーサルデザインへの関心が高まっているほか、デジタルメディアへの導入意向も高い。
(教育コンサルティング部 花房 賢)
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「JAGAT印刷産業経営動向調査2011 」
※最新の調査結果をまとめた2012年度版は6月末発行予定です。