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JAGATが毎年会員企業に対して行っている経営動向調査では、回答企業の希望者に簡易財務診断サービスを提供している。その分析手法について簡単に紹介する。
企業の経営力を評価する方法として一般的なのは、財務データに基づく分析である。JAGATが実施している経営動向調査は、従来の財務分析に合わせて、企業トップの経営意識、各社の製品戦略、営業戦略、組織運営といった財務指標では捉えることができない種々の定性的要因を加味し、こうした要因がどの程度企業業績に貢献するかを分析するものである。
また、大きな特徴として回答企業に対して個別レポートを作成している。自社の各種財務数字と回答企業の平均値が対比できる。そして、希望企業には簡易財務診断レポートを作成している。その分析手法の大枠について以下に紹介する。
1.総合評価
総資本経常利益率で総合評価,これをさらに総資本回転率と売上経常利益率に分解します。 (総資本経常利益率=総資本回転率×売上経常利益率)
2.収益性
2.1.資本効率の評価と内容分析
(1)総資本回転率の高低の要因を,総資本と売上高の両面から見ます。
(総資本回転率=1人当り売上高÷1人当り総資本)
(2)総資産(資本)に占める固定資産の高低を評価します。さらに固定資産を,機械装置額とそれ以外の固定資産に分けてそれぞれの高低を評価します。
(3)機械装置額は,まず機械装置回転率でその利用の有効度を評価,その高低の要因を1人当り売上高と1人当り機械装置額の両面から見ます。また,加工高比率により内製率の向上に寄与しているか,減価償却費とリース料から設備コストが負担になっていないかを判断します。
2.2.売上経常利益率の評価と分析
(1)生産性評価
(2)加工高比率の評価
(3)労働分配率の評価と分析
(4)人件費以外の固定費の評価
3.健全性
4.成長性
売上高・経常利益・平均年齢の推移などから評価します。