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これからのコマーシャルプリントとパッケージ分野市場は、どのように新たな生産体制に変貌を遂げようとするのか取り組みは続く。
日本の印刷産業界は、欧米および中国、ほかのアジア諸国と比較して、さまざまな市場環境の違いからくる変革のスピードに差異が生じるものの、新たなビジネス環境の変化には、これからも着実に取り組んでいく必要がある。そのためにも、今までの印刷技術の変遷を振り、各社にとってどのような歴史を辿ってきているのかについて、今一度、考えるべき時期に来ているのではないだろうか。
近い将来の2020 年の生産体制は、やはり現在のオフセット枚葉印刷機械が主流であるという企業経営者もいるであろうが、逆にデジタル印刷機への投資こそが、さらにその先を見据えた正しい投資の方向性であり、最大のチャンスと考えている企業も数多くある。
VLF対応の枚葉印刷機械は、既に欧米とアジア地域共通の成功事例があり、各種特別仕様の機械も含めて導入が続いている。しかし、グローバル的な観点からは、この技術と生産手段の流れは限定的とも捉えられている側面がある。その影響も含め、これに変わる新たな設備動向には、マーケットが反応し興味深い注目が集まってきている。その機械の基本用紙サイズは、B1 用紙寸法である。
ISO/DIN 国際標準規格 707 ×1000mm と日本の JIS 規格寸法728 × 1030mm とでは、寸法が異なっているが、対応する機械はクラス 3b と共通している(下記図表 1 参照)。
枚葉印刷機械の機種名に 106 の数字が付けられているのは、現在、ハイデルベルグの Speedmaster XL106 の機種(4 色機から 12 色機まで)と KBA の Rapida 106の機種(同 10 色機まで)となる(上図表 2参照 2012年12月現在 )。
技術開発の背景の一つには、ここ数年の Web to Print( W2P)ビジネスによる1 日当たりのJob 数の急激な増大に対応するための結果ともいえる。もちろん、そのためだけの機種選択ではないが、大型機の VLF を選択しない以上、多品種小ロットの生産性を高め、効率を改善する次の選択肢は、必然と方向性が決まってくる。それには、今現在の最新テクノロジーとイノベーションを搭載した機械を選択し、デジタルワークフローをさらに完成度を高め、超極小ロットも含めた台数消化へのスピード対応と効率化を目指す必要がある。
今まで以上に、より短納期、より高生産、より高品質の安定化は、常に求められる。この機械の基本仕様は、最大用紙サイズ、片面印刷時に 18,000枚/時の最高レベル*の生産性の幅 1050mm であるが、天地寸法には注意が必要となる。また、左図表 1 のクラス別 3b に分類され、VLF 市場のクラス 4 の780mm× 1120mm より、やや小さい寸法となっている。この枚葉印刷機械が持つ性能は、片面印刷時に18,000 枚/時の最高レベルの生産性を誇り、両面印刷時でも、15,000 枚/時となる(下図表 3 2012 年5 月現在 )。
* No.2 Rapida106のオプション仕様は 20,000枚/時)
これからのコマーシャルプリントとパッケージ分野市場は、どのように新たな生産体制に変貌を遂げようとするのか取り組みは続く。
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