本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
page2014カンファレンスは基調講演、グラフィックス、クロスメディア、ビジネス、マーケティング、カンファレンスの5カテゴリから構成した。情報コミュニケーションや印刷ビジネスはもちろん、デジタル印刷や電子書籍、メディア多様化対応、地域活性における印刷会社の役割などに関する活発な講演と議論を通じて、それぞれの考え方や"page後"のコンセンサスと方向性を作り出す。 (以下、すべての写真はpage2014から)
基調講演は印刷通販と地域メディア、出版ビジネスの3テーマを取り上げた。いずれも多くの参加者で会場は満員になったが、とりわけ印刷通販は150人近い方の参加で埋め尽くされた。急成長を続けるプリントネット、印刷通販に挑む北東工業、印刷通販では先駆的な経験を有する吉田印刷所の中堅3社を交えての議論は多くの印刷会社にとって身近なものだった。
グラフィックカテゴリでは、ブックオンデマンドの実現と今後の可能性などが議論された。欧文印刷はブログ製本など小ロット印刷ビジネスをうまく展開している事例を紹介した。消費者に向けた小ロット印刷になると、従来型の大量に作った本を納めると言うビジネスでなく、お客様の体験を本にしてさしあげるというビジネスに変わっていく。その時、印刷会社はどのようにニーズの変化に対応していくべきか、体験に基づく具体的な話が展開された。
page2014では地域活性をテーマに3つのカンファレンスを展開したが、いずれも例年を大きく上回る参加者で盛り上がった。地域活性ビジネスに取り組む印刷会社が増えるとともに、地域から地域活性への参画を求められる印刷会社が増えている。採算性を確保しつつ地域活性に取り組み、地域と自社の発展に結びつける事例や手法が検討された。
オムニチャネル、O2O、ビッグデータなど、デジタルデータを活用してリアルとネットを融合させ、より高度にビジネスに結びつけようとする取り組みが活発化している。スマホやSNSの普及はライフスタイルをどのように変えていくのか?仕事のやり方はどのように変わっていくのか?事業会社の方も含め活発な議論が繰り広げられた。
JAGATではこれまで様々な機会に動画をテーマに取り上げてきたが、なかなか反応は芳しいものでなかった。しかしpage2014では、これまでになく多くの方が動画への興味を示した。印刷会社は印刷という静画をビジネスとしてきたが、その事業領域は動画にも広がりつつあることが確実となった。2014年以降は今まで以上に多くの印刷会社が当たり前に動画ビジネスに取り組むようになると見られる。
(JAGAT 研究調査部 藤井建人)
page2014はおかげさまで好評のうちに閉幕しました。page2014に関わられたすべての方に感謝いたします。